居宅介護支援を経営・管理している皆様は、実地指導・監査の準備はお済でしょうか?ここでは、全国各地の自治体が公表している実地指導の指導事例をまとめています。皆様の事業所の所在地やお近くの地域で、どのような指導事例があったのか、その内容を知って実地指導に向けた準備を進めましょう。今回は、岩手県盛岡市の指導事例をご紹介します。
○サービス担当者会議等を行っていない
居宅サービス計画の新規作成に当たっては、介護支援専門員が、やむを得ない事情がある場合を除き、サービス担当者会議の開催等を行わなければならないが、サービス担当者会議等を行っていない事例を確認した。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○一部の指定居宅サービスのみ照会を行っていた
居宅サービス計画の作成に当たり、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービスに照会を行っていたが、一部の指定居宅サービスのみ照会を行っていた事例を確認した。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○暫定ケアプランを作成していない
予防から介護への区分変更申請を行った利用者に対し、介護保険サービスを利用しているにも関わらず申請中の居宅サービス計画(暫定ケアプラン)を作成していない事例を確認した。認定結果が確定するまでにサービスを利用する場合は、申請中の居宅サービス計画(暫定ケアプラン)を作成すること。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○居宅サービス計画書の利用者からの同意を翌月以降に文書により得ている
居宅サービス計画書(第6表及び第7表)への利用者からの同意について、翌月以降に文書により同意を得ている事例を確認した。介護支援専門員は、居宅サービス計画の内容について利用者又はその家族に対して説明しサービス提供前に同意を得ること。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○利用開始月において利用者の居宅を訪問し、面接していない
介護支援専門員は、居宅サービス計画作成後の実施状況の把握(モニタリング)に当たっては、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回は利用者の居宅を訪問し、利用者に面接しなければならないが、利用開始月において利用者の居宅を訪問し、面接していない事例を確認した。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○サービス提供を受けている事業所において利用者に面接している
介護支援専門員は、居宅サービス計画作成後の実施状況の把握(モニタリング)に当たっては、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回は利用者の居宅を訪問し、利用者に面接しなければならないが、サービス提供を受けている事業所において利用者に面接している事例を確認した。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
○モニタリングの結果を記録していない状態が1月以上継続している
居宅サービス計画の実施状況の把握(モニタリング)に当たっては、少なくとも1月に1回モニタリングの結果を記録する必要があるが、モニタリングの結果を記録していない状態が1月以上継続している事例を確認した。これは運営基準減算に該当するため、保険者に介護給付費の返還等の要否を確認し、所要の措置を講じること。
ご紹介した事例のように、介護報酬の過誤調整が必要になる場合は、指定された期間の記録を遡って確認することをはじめ、その後の介護報酬の取り下げや再請求に伴う事務負担、会社のキャッシュフローに対する負担など、事業所経営に大きな影響を受けることになります。
ご紹介した事例が、皆様の事業所の自主点検のきっかけや、お役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
出典元:「平成30年度介護保険施設等の指導監査結果」岩手県盛岡市
※本記事は「介護マスト」から移行しており、記事は2020年4月2日掲載のものです。
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