認知症専門ケア加算の2021年度算定ポイント 算定要件や関連Q&Aを整理

2021.05.13
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令和3年度介護報酬改定では、各介護サービスにおける認知症対応力を向上させていく観点から、「認知症専門ケア加算」の対象サービスの拡大、算定要件の見直しが行われました。認知症専門ケア加算の算定に必要な情報を整理しておきましょう。

認知症専門ケア加算とは?

「認知症専門ケア加算」とは、認知症介護で一定の経験を持つ者で、国や自治体が行っている認知症介護指導者研修の修了者である専門の者が介護サービスを実施することをを評価する加算です。

これまでは特養や老健などの施設やグループホーム等が対象でしたが、認知症対応力の一層の向上を目的とし、訪問系サービスも対象となりました。

認知症専門ケア加算の対象サービス・単位数

対象サービス

訪問介護(追加)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(追加)、夜間対応型訪問介護(追加)、訪問入浴介護(追加)、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院

単位数

認知症専門ケア加算(Ⅰ):3単位/日
認知症専門ケア加算(Ⅱ):4単位/日

※定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護(Ⅱ)については以下の単位数
認知症専門ケア加算(Ⅰ):90単位/月
認知症専門ケア加算(Ⅱ):120単位/月

算定要件・算定に関する留意事項

「認知症専門ケア加算(Ⅰ)」の算定要件

①認知症高齢者の総数のうち、日常生活に支障をきたすおそれのある症状もしくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者(日常生活自立度Ⅲ以上。以下、対象者)の割合が2分の1以上(※1)であること。

②認知症介護に係る専門的な研修(※2)を修了している者を、対象者の数が20人未満である場合は1以上、20人以上である場合は1に、対象者の数が19を超えて10またはその端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施していること。

③事業所または施設の従業者に対して、認知症ケアに関する留意事項の伝達や技術的指導に係る会議(※3)を定期的に開催していること。

留意事項

※1)認知症高齢者の「日常生活自立度Ⅲ以上の割合が2分の1以上」の算定方法
算定日が属する月の前3月間の利用者実人員数または利用延人員数の平均で算定します。また、届出を行った月以降においても、直近3月間の認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合につき、毎月継続的に所定の割合以上であることが必要です。

なお、利用実人員数による計算を行う場合、月途中で認知症高齢者の日常生活自立度区分が変更になった場合は、月末の認知症高齢者の日常生活自立度区分を用いて算出します。

当該割合は毎月記録し、所定の割合を下回った場合はただちに届け出なければなりません。また、下記の事項についても留意が必要です。

・(介護予防)訪問入浴介護の場合は、要支援者(要介護者)も利用者数に含めること

・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護(Ⅱ)(包括報酬)の場合は、利用実人員数を用いて算出し、利用延人員数は用いないこと

算出例(介護保険最新情報Vol.953 「Q&A vol.4 問37」より)

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※2)「認知症介護に係る専門的な研修」とは
「認知症介護実践リーダー研修」および「認知症看護に係る適切な研修」を指します。(「認知症看護に係る適切な研修」については関連Q&Aあり)

※3)「認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議」について
会議の実施にあたり、登録ヘルパーを含めて、全員が一堂に会して開催する必要はなく、いくつかのグループ別に分かれて開催することで差し支えありません。また、テレビ電話装置等を活用しての実施が可能です。

「認知症専門ケア加算(Ⅱ)」の算定要件

①加算Ⅰの算定要件をすべて満たしていること。

②認知症介護の指導に係る専門的な研修(※4)を修了している者を1名以上配置し、事業所または施設全体の認知症ケアの指導等を実施していること。

③事業所または施設における介護職員、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、当該計画に従い、研修を実施または実施を予定していること。

留意事項

※4)「認知症介護の指導に関わる専門研修」とは
「認知症介護指導者養成研修」および「認知症看護に係る適切な研修」を指します。(「認知症看護に係る適切な研修」については関連Q&Aあり)

関連Q&A(介護保険最新情報Vol.953より)

Q.算定要件について、「認知症介護(の指導)に係る専門的な研修」のうち、「認知症看護に係る適切な研修」とはどのようなものがあるか。【Q&Avol.4 問29」

A.現時点では、以下のいずれかの研修である。
①日本看護協会認定看護師教育課程「認知症看護」の研修
②日本看護協会が認定している看護系大学院の「老人看護」及び「精神看護」の専門看護師教育課程
③日本精神科看護協会が認定している「精神科認定看護師」( ただし、③については認定証が発行されている者に限る)

Q.認知症高齢者の日常生活自立度の確認方法は?【Q&Avol.4 問30】

A.認知症高齢者の日常生活自立度の決定に当たっては、医師の判定結果又は主治医意見書を用いて、居宅サービス計画又は各サービスの計画に記載することとなる。なお、複数の判定結果がある場合には、最も新しい判定を用いる。

医師の判定が無い場合は、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査員が記入した同通知中「2(4)認定調査員」に規定する「認定調査票」の「認定調査票(基本調査)」7の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。

これらについて、介護支援専門員はサービス担当者会議などを通じて、認知症高齢者の日常生活自立度も含めて情報を共有することとなる。

Q.認知症介護に係る専門的な研修を修了した者を配置するとあるが、「配置」の考え方とは? 常勤要件等はあるか。【Q&Avol.4 問31】

A.専門的な研修を修了した者の配置については、常勤等の条件は無いが、認知症チームケアや認知症介護に関する研修の実施など、本加算制度の要件を満たすためには事業所内での業務を実施する必要があることから、加算対象事業所の職員であることが必要である。

なお、本加算制度の対象となる事業所は、専門的な研修を修了した者の勤務する主たる事業所1か所のみである。

Q.認知症専門ケア加算(Ⅱ)の認知症介護指導者は、研修修了者であれば管理者でもかまわないか。【Q&Avol.4 問32】

A.認知症介護指導者研修修了者であり、適切に事業所全体の認知症ケアの実施等を行っている場合であれば、その者の職務や資格等については問わない。

Q.認知症介護実践リーダー研修を修了していないが、都道府県等が当該研修修了者と同等の能力を有すると認めた者であって、認知症介護指導者養成研修を修了した者について、認知症専門ケア加算における認知症介護実践リーダー研修修了者としてみなすことはできないか。【Q&Avol.4 問33】

A.認知症介護指導者養成研修については認知症介護実践研修(認知症介護実践者研修及び認知症介護実践リーダー研修)の企画・立案に参加し、または講師として従事することが予定されている者であることがその受講要件にあり、2008年度までに行われたカリキュラムにおいては認知症介護実践リーダー研修の内容が全て含まれていたこと等の経過を踏まえ、認知症介護実践リーダー研修が未受講であっても当該研修を修了したものとみなすこととする。

従って、加算対象となる者が20名未満の場合にあっては、2008年度以前の認知症介護指導者養成研修を修了した者(認知症介護実践リーダー研修の未受講者)1名の配置で認知症専門ケア加算Ⅱを算定できることとなる。

Q.例えば、2006年度より全国社会福祉協議会が認定し、日本介護福祉士会等が実施する「介護福祉士ファーストステップ研修」については、認知症介護実践リーダー研修相当として認められるか。【Q&Avol.4 問34】

A.本加算制度の対象となる認知症介護実践リーダー研修については、自治体が実施または指定する研修としており、研修カリキュラム、講師等を審査し、適当と判断された場合には認められる。

Q.認知症介護実践リーダー研修修了者は、「痴呆介護研修事業の実施について」(2000年9月5日老発第623号)及び「痴呆介護研修事業の円滑な運営について」(2000年10月25日老計第43号)において規定する専門課程を修了した者も含むのか。【Q&Avol.4 問35】

A.含むものとする。

Q.認知症専門ケア加算における「技術的指導に係る会議」と、特定事業所加算やサービス提供体制強化加算における「事業所における従業者の技術指導を目的とした会議」が同時期に開催される場合であって、当該会議の検討内容の1つが、認知症ケアの技術的指導についての事項で、当該会議に登録ヘルパーを含めた全ての訪問介護員等や全ての従業者が参加した場合、両会議を開催したものと考えてよいのか。【Q&Avol.4 問36】

A.そのとおりである。

Q.認知症専門ケア加算(Ⅱ)を算定するためには、当該加算(Ⅰ)の算定要件である認知症介護実践リーダー研修修了者に加えて、認知症介護指導者養成研修修了者または認知症看護に係る適切な研修修了者を別に配置する必要があるのか。【Q&Avol.4 問38】

A.必要ない。例えば加算の対象者が20名未満の場合、
・ 認知症介護実践リーダー研修と認知症介護指導者養成研修の両方を修了した者
・ 認知症看護に係る適切な研修を修了した者
のいずれかが1名配置されていれば、認知症専門ケア加算(Ⅱ)を算定することができる。

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引用:介護保険最新情報Vol.953 「Q&A vol.4 問37・問38」より

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