社会保障審議会・介護給付費分科会の専門委員会(介護報酬改定検証・研究委員会)は9月10日、2021年度介護報酬改定の効果などを検証する厚生労働省の調査研究事業の内容について検討しました。LIFEへのデータ提出やフィードバックを要件とした加算を、2024年度介護報酬改定で訪問系サービス事業所や居宅介護支援事業所にも創設する可能性などを探ります。
2024年度改定を巡る議論の材料を得るため、10月に実施される「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」(令和3年度調査)のテーマは以下の4つです。
・介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究 ・LIFE を活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所における LIFE の活用可能性の検証に関する調査研究事業 ・文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業 ・福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業
このうち、LIFEに関する調査研究では、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養等の職種間連携に主眼を置いて現場の取組状況を調べ、LIFEの活用をさらに促進するには、どのような課題をクリアしていかなければならないのかといったことなどの検討を行う方針です。
具体的な手法としては、介護保険総合サービスやLIFEに収集されたデータを分析し、LIFE(の活用を促す加算)の導入によって提供された介護サービスの内容や質に及ぼした影響などが検証される予定です。
このほかに、LIFE に関連した加算を算定している施設・事業所とLIFE へのデータ登録をしてない事業所・施設それぞれにアンケートや訪問調査等を実施します(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、通所介護、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介 護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションが対象)。
【画像】LIFE加算を算定している事業所への調査項目案 第23回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会資料より抜粋
また、これに加え、2024年度の次期介護報酬改定に向けて、訪問介護、訪問看護、居宅介護支援事業所でLIFE を活用していく方法について、モデル調査を実施します。
訪問介護事業所、訪問看護事業所、居宅介護支援事業所を対象としたモデル事業では、事業に協力する事業所(各サービスで10事業所を選定)が実際にLIFEを活用し、そこから得たフィードバックをどのように各サービスの質の向上に反映させるか、活用させていくための課題は何かなどを専門家で構成する「調査検討組織」と抽出していきます。
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