2024年度介護報酬改定に向け、サービス別の論点整理が一巡した社会保障審議会・介護給付費分科会では、各サービスに共通する横断的な事項についての検討が始まっています。その一つがLIFEについてです。訪問系サービスや居宅介護支援にもデータ提出などを要件とする加算を新設することなどが検討されていますが、現段階では反対意見もあります。
また、この先はLIFEによって可視化されたデータをアウトカム評価に落とし込んでいくことが想定されていますが、まだ、検討状況を注視する必要がありそうです。
最新の検討事項について整理し、今後の注目ポイントを確認しましょう。
8月末の社保審・介護給付費分科会では、2024年度介護報酬改定で対応を進める5つのテーマについて検討が行われました。いずれもサービス種別に関わらず対応が必要な内容として、介護保険部会などでも指摘されてきた内容です。
(【画像】介護保険制度の見直しに関する意見概要版より(赤枠は編集部で追加))
このうちLIFEを巡っては、
が主要な論点となっています。
既にLIFE関連の加算の対象となっているサービス類型の施設・事業所でも、データ登録時の作業負担が大きいという指摘やフィードバックを受けてもそのメリットがわかりにくいという意見は根強くあります。こうした課題への対応を図ることは、加算の対象サービスを広げるうえでも求められています。
同分科会の委員からは、以下のような対応策が挙がりました。
居宅介護支援や訪問系サービス事業所でのLIFEの活用については、意見が分かれています。24年度改定での導入を求める向きもある中で、東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)は、入力作業が負担になっているほか、「フィードバックも十分に行われているとは言えない」として「現時点で対象サービスを広げることには反対」と主張しました。
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