第199回社保審・介護給付費分科会で、2021年度介護報酬改定の単位数など、改定案の内容が明らかになりました。【定期巡回・随時対応型訪問介護看護】の介護報酬改定について、単位数や算定要件の詳細を一覧でお知らせします。
要介護1:現行 5,680単位 ⇒ 改定後 5,697単位
要介護2:現行 10,138単位 ⇒ 改定後 10,168単位
要介護3:現行 16,833単位 ⇒ 改定後 16,883単位
要介護4:現行 21,293単位 ⇒ 改定後 21,357単位
要介護5:現行 25,752単位 ⇒ 改定後 25,829単位
要介護1:現行 8,287単位 ⇒ 改定後 8,312単位
要介護2:現行 12,946単位 ⇒ 改定後 12,985単位
要介護3:現行 19,762単位 ⇒ 改定後 19,821単位
要介護4:現行 24,361単位 ⇒ 改定後 24,434単位
要介護5:現行 29,512単位 ⇒ 改定後 29,601単位
※単位数はすべて1月あたり
新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全てのサービスについて、2021年4月~9月末までの間、基本報酬に0.1%上乗せとなります。
介護サービスにおける認知症対応力を向上させていく観点から、「認知症専門ケア加算」が新設されます。
認知症専門ケア加算(Ⅰ)…90単位/月(新設)
認知症専門ケア加算(Ⅱ)…120単位/月(新設)
・認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の者が利用者の100分の50以上
・認知症介護実践リーダー研修修了者を認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の者が20名未満の場合は1名以上、20名以上の場合は1に、当該対象者の数が19を超えて10または端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置し、専門的な認知症ケアを実施
・従業員に対して、認知症ケアに関する留意事項の伝達、技術的指導に係る会議を定期的に開催
・認知症専門ケア加算Ⅰの要件を満たし、かつ、認知症介護指導者養成研修修了者を1名以上配置し、事業所全体の認知症ケアの指導等を実施
・介護、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、実施または実施を予定
サービスの質の向上や職員のキャリアアップを推進する観点から、新たな評価区分の新設と区分の統合が行われます。
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)…750単位/月(新設)
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)…640単位/月
サービス提供体制強化加算(Ⅲ)…350単位/月
・加算Ⅰは、介護福祉士が60%以上、または、勤続10年以上の介護福祉士が25%以上のいずれかに該当すること
・加算Ⅱは、介護福祉士が40%以上、または、介護福祉士、実務者研修修了者、基礎研修修了者の合計が60%以上
・加算Ⅲは、介護福祉士が30%以上、または、介護福祉士、実務者研修修了者、基礎研修修了者の合計が50%以上、または、常勤職員が60%以上、または、勤続7年以上の職員が30%以上、のいずれかに該当すること
処遇改善加算や特定処遇改善加算の職場環境等要件について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取り組みがより促進されることが求められます。
・職員の新規採用や定着促進に資する取り組み・職員のキャリアアップに資する取り組み・両立支援・多様な働き方の推進に資する取り組み・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取り組み・生産性の向上につながる取り組み・仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取り組み
職場環境等要件に基づく取り組みの実施について、当該年度における取り組みの実施が求められます。
小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、平均の賃金改善額の配分ルールについて、以下の見直しが行われます。
・「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」
⇒「より高くすること」に見直し
つまり、「2倍以上」という制限がなくなり、より柔軟な配分が可能となります。
介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、上位区分の算定が進んでいることを踏まえて廃止されます。その際に、2021年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業所については、1年の経過措置期間が設けられます。
引用:第199回社保審・介護給付費分科会「資料1令和3年度介護報酬改定の主な事項」より
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。