コロナ禍で深刻化する人材不足、介護現場の人員確保の現状と課題がデータで浮き彫りに

2020.11.30
2020.11.30
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9月30日に開かれた社保審・介護給付費分科会において、介護人材の確保が議題にあがりました。後期高齢者人口の急増や生産年齢人口の急減への懸念はもちろん、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を加味した見直しはまさに急務です。

本分科会にて提示された資料では、慢性的な人手不足や処遇環境などの問題が数値化されたデータによって浮き彫りとなりました。

第186回社会保障審議会介護給付費分科会資料

介護関係職種の有効求人倍率は、2019年時点で4.20倍。全職種の該当値は1.45倍に留まっており、依然として高い水準で推移しています。これは、介護関係職種が慢性的かつ深刻な人手不足問題を抱えていることを示しています。

また、介護労働安定センターが行った令和元年度介護労働実態調査によると、訪問介護を筆頭とした介護サービス全体での人手不足感が強く、約9割の事業所が「採用が困難」であると回答しました。

人材の不足に関して、日本労働組合総連合会の伊藤彰久氏は「コロナ禍で職員数が昨年と比べて不足するようになったと回答した割合が4分の1」との調査結果を報告。

介護職員の賃金平均が2019年時点で、全産業平均に比べて8.5万円少ないという調査結果と絡めて、「他業種と比べて遜色のない労働条件が提示できるように、賃金整備を伴う形で今回改定での更なる処遇改善を行うべきだ」と提言しました。

さらに、介護職員の平均勤続年数をまとめた調査結果では、産業計と比べて30~34歳までは大きな差がないものの、35歳以上では大きく下回る結果となっています。

上記のデータを踏まえ、全国健康保険協会の安藤伸樹氏は「介護職員のキャリアパスの整備とそれに応じた給与体系の整備が、人材確保の観点から非常に重要」と指摘。2020年3月時点の特定処遇改善加算の算定率は59.4%とやや低調であることから、多くの事業者が算定し、介護職員の処遇改善に取り組めるよう、算定要件の重複をなくし、簡素化を求める意見があがりました。

現場の人間関係や心身への負荷など、処遇以外の要素も離職につながる大きな要因となっており、働く現場の環境整備の必要性にも意見が集まりました。

これについて日本経済団体連合会の間利子参考人は「処遇改善や加算ありきの議論だけでなく、現場の負荷の軽減や介護職の魅力を向上させることも検討するべきだ」と意見を述べました。

引用:第186回社保審・介護給付費分科会「令和3年度介護報酬改定に向けて(介護人材の確保・介護現場の革新)」より

※本記事は「介護マスト」から移行しており、記事は2020年10月2日掲載のものです。

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