介護行政手続きの簡素化・ICT化はどこまで進む?実地指導の見直しの検討状況

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行政手続きの効率化や負担軽減について話し合う厚生労働省の専門委員会で、実地指導の形態の見直しなどについて検討されました。また、2022年度中には一部自治体で、オンラインによる指定申請等の手続きの運用も始まります。

オンライン指定申請など行政手続き簡素化のこれまでの概要

社会保障審議会・介護保険部会の下部に立ち上げられた「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」では、介護事業所・施設が行政に提出する文書について「簡素化」「標準化」「ICTの活用」を進めるための取り組みなどを検討しています。1月20日の会合では、2019年12月の「中間取りまとめ」の内容に沿って、今後進めていく施策やこれまでに決まった方針に対する各自治体の取り組み状況などが確認されました。

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【画像】第9回社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会資料より(2022年1月20日開催、赤枠と注記は編集部で追加)

この委員会の成果の一つとして、介護サービス情報公表システムへの、新規指定申請 、変更届出 、更新申請などの届出がオンラインで実施できる機能の実装があります。

このシステムの運用は、一部の自治体を対象として、2022年度下期から始まる予定です(参加自治体は段階的に拡充予定)。

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【画像】第9回社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会資料より(以下・同様)

実地指導を「個別指導」に改めオンライン対応可能に、厚労省の通知改正案

この日は、現行の実地指導の見直しについても検討が行われました。

厚生労働省は見直しについて名称を「個別指導」に改め、そこで行う内容について明確化するために関係通知を改正することを提案しました。

個別指導(実地指導)で実施する内容として具体的に示すのは以下の内容です。

(1)介護サービスの実施状況指導
(2)最低基準等運営体制指導
(3)報酬請求指導

このうち(2)と(3)については、オンライン会議システムなどの活用が可能であることを明確に示す方針です。

さらに介護事業所を対象とした個別指導(実地指導)の実施頻度は、「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」等で示されている通り原則、指定等の有効期間(6年)内に少なくとも1回以上とし、施設サービス・居住系サービスについては、「3年に1回以上の頻度で実施することが望ましい」とします。

*関連通知:「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」(2019年5月29日老健局発出)、「介護保険等実地指導マニュアル(改訂版)について」(2010年3月31日老健局発出)

なお、厚労省の提案のうち、名称の変更については一部委員から賛否両方の意見が出ています。

行政手続きの簡素化は各項目で過半数の自治体が対応。8割超の市町村が押印見直し

行政手続きの簡素化や効率化・標準化に向けたこのほかの施策としては、積極的な対応を行う自治体を評価し、財政的なインセンティブ(保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金)を付与するという取り組みも行われています。

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【画像】2022年度年度保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金に係る評価指標を抜粋したもの(同委員会資料より)

各自治体の実施状況を細かく確認すると、押印の見直しによる簡素化(押印の廃止等)は全国の市町村のうち84.4%、都道府県では95.7%が実施と最も高い割合で対応が進んでいました。

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ただし、自治体の取組状況の詳細や現場の細かい課題は単なる数字の羅列からは読み取れません。委員からは、実施率の低い項目についてその原因分析をするほか、数値上では対応が進んでいる項目についても詳細の実態把握を求める意見が複数挙がりました。

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