介護保険部会では、次期介護保険制度の見直しに向けた検討が進んでいます。7月の会合では、厚生労働省が既に示していた「論点」のうち、「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進」がテーマとなりました。テクノロジーの活用によって生産性向上を推進しようとする機運は、介護業界に限らず高まっており、各方面から提言が行われています。
同部会ではこれらを踏まえて、オンラインを活用した際の管理者の常駐・専任要件の見直しなどが、議論の俎上に上りました。
厚生労働省は今期に入って、介護保険部会で検討を進めていく論点として以下を示していました。
第9期介護保険計画期間(2024~26年度)に向けた制度改正では、これらの課題を解消・達成しようとする施策が実行されていくと考えられます。
同部会では前回まで、これらのテーマのうち「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進」(介護サービスの基盤整備や医療と介護の連携強化、認知症施策の方向性など)について議論が行われてきたところです。
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今回は、「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」に検討テーマが移っています。
【画像】厚労省が提示した検討事項(7月25日・第95回社保審・介護保険部会資料より。以下同様)
これまで国として進められたり検討されてきた人材確保策には、
など
生産性向上策としては、
などがあります。
特に、ICTの活用については、21年度介護報酬改定で、特別養護老人ホームでの見守り機器などを導入した場合に夜間の人員配置基準が緩和されました(一定の要件あり)。
24年度改定では、同様の仕組みをほかの入居系のサービスでも導入できないか検討される見通しです。
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ここからはテーマを生産性向上に絞り、7月の会合で取り上げられた個別の論点を紹介します。国として取り組みが進められているものやそのための提案が行われているもので、介護事業の経営にも関わることになるでしょう。
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