2021年度介護報酬改定による影響を確認すると、感染症等により利用者数が減少した場合の措置として新設された報酬上の対応(基本報酬の規模区分変更の特例、または3%加算)を行った通所介護事業所は約3割程度に留まりました。
また、新設された入浴介助加算(II)の算定率は低く、同加算(I)の減算によるマイナス影響を訴える声が挙がっています。以前ご紹介した福祉医療機構の調査結果をもとに、通所介護事業における報酬改定の影響を読み解きます。
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本アンケートは、福祉医療機構の貸付先のうち、介護保険法に基づくサービスを実施する 5,701法人を対象にWeb上で実施されました。
・アンケート実施期間:2021年7月29日から同8月25日まで ・アンケートへの回答総数:1,446法人(社会福祉法人は71.4%、医療法人は15.3%、営利法人は10.3%) ・アンケート回答率:25.4%
このうち、通所介護の回答者における事業所規模別の構成は、2021年度の事業規模で「通常規模型」71.7%、「地域密着型」が23.4%であり、20年度とほぼ同様でした。
【画像】WAMの2021 年度介護報酬改定に関するアンケート調査詳細(通所介護)より抜粋(以下、同様)
通所介護は特例措置により、感染症等の影響で利用者数が減少した場合に基本報酬の3%加算または規模区分の変更(大規模型のみ)による対応が認められています。
しかし、アンケート結果から見えた実際の対応状況では、約6割から7割が「いずれの対応もしていない」と回答。何らかの対応を取った事業所の割合は約3割に留まりました。
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。