厚生労働省は10月16日の通知で、ケアプラン作成時のアセスメントに用いる「課題分析標準項目」を一部改正することを周知しています。 2024年4月から始まる新たな法定研修カリキュラムに「適切なケアマネジメント手法」が加わることなどを踏まえてその内容と整合性を図るための対応です。
同日、この改正についてQ&Aも示されています。
*通知などの原本はこちらからダウンロードできます:vol.1178 「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について、vol.1179 「課題分析標準項目の改正に関するQ&A」の発出について
今回の改正は、現状とそぐわなくなった標準項目の名称や具体例の記載を是正し、「適切なケアマネジメント手法」(厚生労働省の予算事業で介護支援専門員の知識のばらつき是正や多職種連携を促すことなどを目的として、過去のケアマネジメントの実践から得られた知見を体系的に整理したもの)との整合性を図るものです。
項目名や表現は変わっていますが、初期のアセスメントにおいて適切とされる情報収集の内容が変わるわけではありません。
特に、「項目の主な内容(例)」の記載はこれまで以上に細かい情報について表記がなされていますがQ&A(詳細は記事の後半に転載)ではその趣旨として、「各項目の解釈の違いにより把握する内容に差異が生じないよう、全体的に具体的な加筆を増やしているが、これらの内容についてすべての情報収集を行うことを求めるものではなく、各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示であること」に留意するよう、自治体に求めています。
(*関連サイト:適切なケアマネジメント手法の策定、普及推進(厚生労働省ウェブサイト))
以下に新旧対照表とQ&Aをそれぞれ掲載します。
こちらは、基本情報に関する項目の新旧対照表です(最新情報vol1178より転記)。下線部は今回追加・変更された部分)
こちらは、課題分析(アセスメント)に関する項目の新旧対照表です(同じく最新情報vol1778より転記)。基本情報同様、今回追加・変更された部分は下線で示しています。
同日の事務連絡では、本改正に関するQ&Aも示されています。改正の趣旨や各表現が意味している内容のほか、ケアプラン各表への記載との関係性についても説明されています。
以下に主な内容を抜粋します。
問1今回、課題分析標準項目を改正することとなった理由如何。
答課題分析標準項目については、これまで大幅な改正は行ってこなかったが、項目の名称や「項目の主な内容(例)」の記載が一部現状とそぐわないものになっていることや、 令和6年4月から開始される新たな法定研修カリキュラムにおいて「適切なケアマネジメント手法」が盛り込まれることを踏まえ、当該手法との整合性を図る必要がある(※) ことから、文言の適正化や記載の充実を図ったものである。
なお、情報収集項目がこれまでと変わるわけでない。
また、「項目の主な内容(例)」について、各項目の解釈の違いにより把握する内容に差異が生じないよう、全体的に具体的な加筆を増やしているが、これらの内容についてすべての情報収集を行うことを求めるものではなく、各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示であることに留意されたい。
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