民間の介護事業者の財務情報の届出や公表が必要に賃金情報の公開ルール化も

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2024年度介護保険制度改正を巡る議論で、事業者に求められる具体的な対応が見えてきました。現状では障害福祉サービス事業所や社会福祉法人に義務付けられている財務諸表などの作成・公表・届出が、民間企業にも義務付けられることになりそうです。また、厚生労働省は一人当たりの賃金に関する情報を公表することも提案しており、採用活動にも影響するかもしれません。

介護業界で進められている経営情報の透明化

11月14日の社会保障審議会・介護保険部会では、制度改正に合わせて介護サービス事業者に財務状況の公表を課すことを厚労省が提案しました。

加えて、各施設や事業所の従事者の配置状況などを公開している介護サービス情報公表システムで、一人当たりの賃金等も公表する案も示されています。

こうした経営情報を収集し、公開する狙いは、国が効果的・効率的な社会保障や介護関連の施策を検討する際の材料とすることです。介護保険制度改正や報酬改定のほか、物価上昇や災害、新興感染症等に当たっての経営支援策や介護従事者らの処遇に関する施策の精度を高めようとしています。

賃借対照表や収支計算書の所轄庁への届け出と公表は、既に社会福祉法人には社会福祉法などに基づいて義務付けられています。 また、障害福祉サービス事業者に対しても、事業所・施設単位で損益計算書や賃借対照表などを公表する規定があります。しかし、現状、介護保険法で規定されているサービス事業者には、財務情報の公開は義務付けられていません。

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(【画像】第101回社会保障審議会介護保険部会参考資料より)

そこで、介護保険法で定められている介護サービスの提供事業者にも「財務諸表等の経営に係る情報」を定期的に都道府県知事に届け出ることを規定し、国では収集したデータベースを整備する方針案が示されました。

委員からは明確な反対意見は挙がっていません。

倒産も急増。厳しさ増す介護の経営環境と国策としての経営努力の促進

ところで、厚労省は、収集した経営情報の公開について、介護サービス事業者側のメリットにも触れています。それは、公開したマクロのデータを事業者が自らの事業所の経営指標と比較することで、経営課題を分析に役立てられるということです。

東京商工リサーチの発表によると、22年は介護事業者の倒産が幅広い業態で急増しているなど、新型コロナ感染拡大による経営への打撃や競争激化の影響が伺えます。

その中で、国が、一律の支援ではなく、「経営影響を踏まえた的確な支援策の検討」を進めていく姿勢を示していること、介護事業者にも一歩進んだ経営努力を求めていることを受け止める必要がありそうです。

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