現在、外国人材の受け入れに関する規制緩和に向けた検討が進んでいます。
これに伴い、訪問介護事業所での外国人の就労を認めるかどうかなど、技能実習制度や特定技能制度をどのように見直し介護業界で運用するかについて意見が交わされました。
直近の検討状況についてお伝えします。
中小・小規模事業者を中心に深刻化が進む人手不足を背景として、政府は現在、「技能実習制度」と「特定技能制度」の見直しを進めています。
両制度の見直しに向けては、一定の方向性が既に示されています。その概要は以下の通りです。
2つの制度の関係を整理すると、外国人材は、技能実習制度廃止後に創設される新制度を通じて一定の専門性や技能を身につけ、その後の就労で使う制度は特定技能制度に移行することになります。
この新たな制度への移行を前に有識者会議が現状の課題などを整理し、2023年秋ごろを目途に関係閣僚に向けた提言をまとめる予定です。
(【画像】日本での就労が認められる在留資格の一覧表 (第1回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会資料2より))
(【画像】技能実習制度や特定技能実習制度の見直しに向けたスケジュール (第1回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会資料2より))
(【画像】技能実習制度・特定技能実習制度の見直しの方向性 (第1回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会資料2より))
厚労省はこのスケジュールにのっとり、両制度の介護領域固有の要件について検討するための会合(外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会)を7月末に初開催しました。
(【画像】外国人介護人材の受け入れの仕組み(第1回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会資料2より))
技能実習制度と特定技能制度の見直しに向け、厚労省は介護分野で検討しておくべき事項を3つこの日の会合で示しました。
検討会の構成員からは議題のほかに、当日の会合では既に外国人材を受け入れている施設から人材定着につながる施策の実施など要望があがりました。
訪問介護などのサービスは、適切な指導や監督体制をとることが難しいことなどから、技能実習生の受け入れが認められていません。
有識者からは、このルールをすぐに改めるべきという意見はありませんでした。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅などでの受け入れについては前向きな検討を促すべきとする声もありました。代表的な指摘や意見は以下の通りです。
こちらも、外国人材の受け入れ対象を拡大するかどうかという論点です。
経営が軌道に載っていない施設では適切な指導体制が取れないという懸念から、現行ルールではで技能実習生を受入れは、開設後三年以上経過している事業所となっています。
この運用は見直す余地があるというのが事業者や専門職を代表する構成員から複数ありました。
受け入れた人材をどの段階で人員配置基準に算定できるかどうかについては、特に日本語要件について意見が集まりました。なお、特定技能1号の人材(入国時に技能と日本語能力を確認)は、就労と同時に配置基準への算定が認められています。
厚労省から示された3つの論点以外にも、多様な意見がありました。その一部を紹介します。
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