管理者や施設長のテレワークが可能に―厚生労働省が考え方を明示

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介護事業所や施設などの管理者は、業務に支障のない範囲でテレワークが可能である―。厚生労働省は9月5日の事務連絡でこうした考え方を示しています。

”利用者・従業者と管理者の間で適切に連絡が取れる体制を確保する”ことなど、テレワークを導入する場合に必要な対応についても整理されました。

業務効率化や働き方改革の推進を図る上でも是非ご確認いただき、事業所の体制整備についてご検討ください。

政府方針としてアナログ規制の撤廃が進む中で管理者のテレワーク容認へ

事務連絡「情報通信機器を活用した介護サービス事業所・施設等における管理者の業務の実施に関する留意事項について」には、

  • 介護事業所や施設などの管理者が「業務上支障が生じない範囲内」でテレワークを行うことを可能とすること(基本的な考え方)
  • 管理上支障が生じない範囲の具体的な考え方
  • テレワークを導入する際の環境整備に関する注意事項やガイドライン

などが明示されています。

なお、ここで示された考え方は軽費老人ホーム、養護老人ホームの施設長にも適用できます。

(事務連絡の原文はこちらでダウンロードできます。)

国は現在、生産性向上や人手不足解消に向けてデジタル技術の活用や規制緩和の検討などを進めているところで、その一環として常駐規制の見直しについて方針を示していました。今回の事務連絡は、この方針を受けて介護事業所や施設における管理者の業務について厚労省の見解を示したものです。

管理者のテレワークに関する基本的な考え方

今回示されている基本的な考え方は以下の通りです。

  • 介護事業所等の管理者は、事業所の管理上支障が生じない範囲内でテレワークを行うことが可能である(複数の介護事業所等の管理者を兼務する場合も同様)。
  • テレワークを行う際は、利用者や家族からの相談対応なども含め、サービス提供やその質等に影響が生じないようにする必要がある。
  • 今回示した”考え方”は、管理者としての職務への従事に関するもの。介護職員等を兼務する場合には適用されない。なお、管理者以外の職種におけるテレワークについては2023年度中に考え方を示す予定。
  • 管理者が兼務可能な介護事業所等の範囲については、今後、社会保障審議会・介護給付費分科会等での意見も踏まえながら、23年度中に見直しなどの結論を示す。

テレワークが可能な「業務上支障が生じない範囲」とは

以下は、管理者のテレワークが認められる「業務上支障が生じない範囲」として示された内容です。テレワーク導入の際に必要な体制整備について記載されています。

  • 管理者がテレワークを行い、事業所等を不在にする場合でも運営基準上に定められた責務(例えば通所介護の場合、従業者の管理、利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理及び従業者に運営基準を遵守させるため必要な指揮命令)を果たす上で支障が生じないよう体制を整えておく。
    ※その際、管理者以外の従業者に過度な負担が生じないよう留意する。
  • 利用者及び従業者と管理者の間で適切に連絡が取れる体制を確保する。
  • 管理者は利用者、従業者及びその他関係者とテレワークを円滑に行えるような関係を日頃から築いておく。
  • 緊急時の対応(事故発生時、利用者の状態の急変時、災害の発生時等)について、あらかじめ対応の流れを定めておくとともに、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できるようにしておく。
  • 管理者としてテレワークを行うことができる日数・時間数は、介護サービスの種類や事業所等の実態等に応じて、各事業者が個別に判断する。
    ※ただし、他の職種を兼務する管理者がテレワークを行う場合、管理者以外の各職種の人員配置基準に違反しないようにすること。
  • 上記の対応について、利用者やその家族、都道府県、市町村等から求めがあれば、適切かつ具体的に説明できるようにする。

今回の事務連絡にはこのほかに情報保護に関する注意事項やガイドラインがまとめられています。

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