病院や診療所、薬局などが算定する居宅療養管理指導は2024年度の介護報酬改定で基本報酬が1単位引き上げとなります(※リンク先:社保審・介護給付費分科会の該当資料掲載ページ)。
新設加算は、薬剤師が行う居宅療養管理指導に係る加算が2種類で、いずれも医療ニーズの高い在宅患者に対する適切な薬物療法を評価するものです。
こちらのページでは居宅療養管理指導の基本報酬の新旧比較と24年度改定で新設される加算の概説をまとめています。
なお、2024年度介護報酬改定の実施日はサービスによって分かれており、居宅療養管理指導の改定実施時期は6月1日です。
2024年度介護報酬改定で、居宅療養管理指導の基本報酬はすべての分類で1単位の引き上げされます。
改定前後の基本報酬の比較表は以下の通りです。
※すべて1回当たり(介護予防も同様)
(現行)
(改正後)
(【表】「令和6年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」(改正告示案。社保審了承済み)を基に作成)
介護報酬改定後の算定構造については、以下の資料をご参照ください。
第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料2-2】|厚生労働省
24年度改定で居宅療養管理指導には、薬剤師が訪問を行う場合を対象に2種類の加算が新設されます。
具体的な単位数や要件を以下に概説します。
薬剤師が行う居宅療養管理指導について、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、注入ポンプによる麻薬の使用など在宅での療養の状況に応じた薬学的管理及び指導を行うことを評価する加算です。
※疼痛緩和のために厚生労働大臣が定める特別な薬剤の投薬が行われている利用者に対して、必要な薬学的管理指導を行っている場合に算定する加算(100単位)との併算定は不可。
在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている利用者に対して、その投与及び保管の状況、副作用の有無等について当該利用者又はその家族等に確認し、必要な薬学的管理指導を行うこと。
麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第39条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。
薬剤師が行う居宅療養管理指導について、在宅中心静脈栄養法が行われている患者に対して、輸液セットを用いた中心静脈栄養法用輸液等の薬剤の使用など在宅での療養の状況に応じた薬学的管理及び指導を行うことを評価する加算です。
在宅中心静脈栄養法を行っている利用者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理指導を行うこと。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第39条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている、又は同法第39条の3第1項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。
(参考:第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料1】|厚生労働省)
ここまでに示した加算の新設や見直し等を含めると、居宅療養管理指導の改定事項は9項目あります。
(【画像】:第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料1】p194|厚生労働省)
※各概要はリンク先の資料をご確認ください。
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理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。