2024年度介護報酬改定について、11月1日までに厚生労働省からQ&Aが11回に渡って公開されています。 このうち、訪問介護については”第1弾”(3月15日発出)で「特定事業所加算」や「同一建物減算」などについての解釈が、”第3弾”(3月29日発出)で認知症専門ケア加算についての補足事項が周知されています。 また、”第6弾”(5月17日発出)では”第1弾”で示されていた「特定事業所加算」、”第4弾”(4月18日発出)では「認知症専門ケア加算」の算定に関する解釈が修正されています。
こちらのページでまとめてご紹介します。
厚生労働省からのQ&A原本は以下のページ下部に掲載されています。
※厚労省の特設ページ「令和6年度介護報酬改定について」
訪問介護に関連する内容を以下に整理します。
(【画像】厚生労働省資料「令和6年度介護報酬改定について」より)
問1(5月のvol.6発出に伴い削除) 新設された特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応実績について、前12月間における実績と算定期間の具体的な関係性如何。
(答)算定要件に該当する者の対応実績と算定の可否については以下のとおり。
問2 新設された特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応体制について、病院、診療所又は訪問看護ステーション(以下「訪問看護ステーション等」という。)の看護師との連携により24時間連絡できる体制を確保することとされているが、具体的にどのような体制が想定されるか。
(答)
「24時間連絡ができる体制」とは、事業所内で訪問介護員等が勤務することを要するものではなく、夜間においても訪問介護事業所から連携先の訪問看護ステーション等に連絡でき、必要な場合には事業所からの緊急の呼び出しに応じて出勤する体制をいうものである。
具体的には、
イ 管理者を中心として、連携先の訪問看護ステーション等と夜間における連絡・対応体制に関する取り決め(緊急時の注意事項や利用者の病状等についての情報共有の方法等を含む)がなされていること。
ロ 管理者を中心として、訪問介護員等による利用者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば連携先の訪問看護ステーション等に連絡するか)がなされていること。
ハ 事業所内研修等を通じ、訪問介護員等に対して、イ及びロの内容が周知されていること。
といった体制を整備することを想定している。
問3 特定事業所加算(Ⅴ)の体制要件における中山間地域等に居住する者への対応実績について、具体的にどのように算出するのか。
中山間地域等に居住する者への対応実績については、利用実人員を用いて算定するものとされているが、例えば下記のような場合、前3月の平均値は次のように計算する(前年度の平均値の計算についても同様である。)。
(※)特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算
(注1)一体的運営を行っている場合の介護予防訪問介護の利用者に関しては計算には含めない。 (注2)特別地域加算等の算定を行っている利用者に関しては計算には含めない。
中山間地域等に居住する利用者(A,D(特別地域加算等を算定する利用者Cを除く))
2人(1月)+2人(2月)+1人(3月) =5人 したがって、対応実績の平均は5人÷3月≒1.6人≧1人
なお、当該実績については、特定の月の実績が1人を下回ったとしても、前年度又は前3月の平均が1人以上であれば、要件を満たす。
vol.11問1※本項目の発出によりvol.1問4を削除 特定事業所加算(Ⅴ)の体制要件における中山間地域等に居住する者への対応実績を算定する際、利用者が転居等により月の途中で中山間地域等からそれ以外の地域に居住地が変わった場合は、利用実人員の算定対象としてよいか。
(答)利用者が中山間地域等に居住している間に、実際にサービス提供を行った実績がある 場合は、その月における利用実人員として算定することができる。
問5 新設された特定事業所加算(Ⅴ)について、「利用者の心身の状況等に応じて、随時、関係者が共同して訪問介護計画の見直しを行うこと」とされているが、訪問介護計画の見直しに当たり全ての職種が関わることが必要か。また、訪問介護計画の見直しが多職種協働により行われたことを、どのように表せばよいか。
特定事業所加算(Ⅴ)を算定する訪問介護事業所は、日々変化し得る利用者の状態を確認しつつ、利用者にとって必要なサービスを必要なタイミングで提供し、総合的に利用者の在宅生活の継続を支援することが求められている。当該加算を算定する事業所においては、中山間地域等にあって、必ずしも地域資源等が十分ではない場合もあることから、訪問介護事業所のサービス提供責任者が起点となり、利用者の生活全般に着目し、日頃から主治の医師や看護師、その他の従業者といった多様な主体との意思疎通を図ることが必要となり、継続的なサービス提供を行うことと併せて、他の地域の訪問介護事業所とは異なる「特有のコスト」を有しているため、特定事業所加算により評価するものである。
訪問介護事業所における訪問介護計画の見直しは、サービス提供責任者を中心に多職種協働により行われるものであるが、その都度全ての職種が関わらなければならないものではなく、見直しの内容に応じて、適切に関係者がかかわることで足りるものである。
また、訪問介護計画の見直しに係る多職種協働は、必ずしもカンファレンスなどの会議の場により行われる必要はなく、日常的な業務の中でのかかわりを通じて行われることも少なくない。通常の業務の中で、主治の医師や看護師、介護職員等の意見を把握し、これに基づき訪問介護計画の見直しが行われていれば,本加算の算定要件を満たすものである。なお、加算の要件を満たすことのみを目的として、新たに多職種協働の会議を設けたり書類を作成することは要しない。
問6 特定事業所加算(Ⅲ)、(Ⅳ)の勤続年数要件(勤続年数が7年以上の訪問介護員等を30%以上とする要件)における具体的な割合はどのように算出するのか。
(答) 勤続年数要件の訪問介護員等の割合については、特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の訪問介護員等要件(介護福祉士等の一定の資格を有する訪問介護員等の割合を要件)と同様に、前年度(3月を除く11ヶ月間。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。
※令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和3年3月29日)問1は削除する。
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