老健のかかりつけ医連携薬剤調整加算 2021年度介護報酬改定の変更ポイント

2021.03.29
2021.03.29
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2021年度の介護報酬改定では、介護老人保健施設(以下、老健)のかかりつけ医連携薬剤調整加算について、新たな評価区分が創設されます。2021年3月までの加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。

目次
    かかりつけ医連携薬剤調整加算(老健)とは?
      2021年報酬改定の変更ポイント
        【改定前】2021年3月までのかかりつけ医連携薬剤調整加算
        【改定後】2021年4月以降のかかりつけ医連携薬剤調整加算
        LIFEへのデータ提出について(かかりつけ医連携薬剤調整加算Ⅱ)

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(老健)とは?

        老健における医師と、在宅のかかりつけ医が連携し、服薬している薬剤を減らす取り組みを行っている施設を評価する加算です。

        2021年度の介護報酬改定では、かかりつけ医との連携を推進し、継続的な薬物治療を提供する観点から、新たな評価区分が創設されます。

        2021年報酬改定の変更ポイント

        ①現行の「かかりつけ医連携薬剤調整加算」の評価区分が見直され、加算Ⅰ~Ⅲが新設

        ②各加算の位置づけは以下の通り
        ・加算Ⅰ…入所時・退所時におけるかかりつけ医との連携への評価
        ・加算Ⅱ…加算Ⅰに加えて、CHASEを活用したPDCAサイクルの推進への上乗せの評価
        ・加算Ⅲ…加算Ⅱに加えて、減薬に至った場合の上乗せの評価

        ③加算Ⅱ・Ⅲは、下位区分の加算に上乗せして算定

        【改定前】2021年3月までのかかりつけ医連携薬剤調整加算

        単位数

        かかりつけ医連携薬剤調整加算:125単位

        算定要件等

        以下の①~③に適合する入所者に対して、介護保健施設サービスを行い、かつ、入所者に処方する内服薬の減少について、退所時または退所後1月以内に、入所者のかかりつけ医に報告し、その内容を診療録に記載すること。(入所者1人につき1回、退所時算定する)

        ①6種類以上の内服薬が処方されており、処方の内容を老健の医師と入所者のかかりつけ医が共同し、総合的に評価・調整し、入所者に処方する内服薬を減少させることについて老健の医師とかかりつけ医が合意している入所者

        ②合意された内容に基づき、老健の医師が、入所者に処方する内服薬について、入所時に処方されていた内服薬の種類に比べ、1種類以上減少させた入所者

        ③退所時において処方されている内服薬の種類が、入所時に比べ1種類以上減少している入所者

        【改定後】2021年4月以降のかかりつけ医連携薬剤調整加算

        単位数

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ):100単位(新設)

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ):240単位(新設)

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅲ):100単位(新設)

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)の算定要件等

        ・老健の医師または薬剤師が、関連ガイドライン等を踏まえた高齢者の薬物療法に関する研修を受講していること

        ・入所後1月以内に、状況に応じて入所者の処方の内容を変更する可能性があることについてかかりつけ医に説明し、合意を得ていること

        ・入所中に服用薬剤の総合的な評価を行い、評価内容や入所時と退所時の処方内容に変更がある場合は変更の経緯、変更後の状態について、退所時または退所後1月以内に、入所者のかかりつけ医に情報提供を行い、その内容を診療録に記載していること

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ)の算定要件等

        ・加算Ⅰを算定していること

        ・入所者の服薬情報等の情報を厚生労働省に提出し、処方に当たって、当該情報その他薬物療法の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)

        かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅲ)の算定要件等

        ・加算Ⅱを算定していること

        ・6種類以上の内服薬が処方されており、入所中に処方内容を老健の医師とかかりつけ医が共同し、総合的に評価・調整し、老健の医師が入所者に処方する内服薬について、入所時に処方されていた内服薬の種類に比べて1種類以上減少させること

        ・退所時において処方されている内服薬の種類が、入所時に比べて1種類以上減少していること

        留意事項

        ・加算算定における内服薬の種類数の計算は、1銘柄ごとに1種類として計算

        ・各加算は、それぞれ下位区分の加算に上乗せして算定

        ・入所者1人につき1回を限度として算定

        ・退所時に所定単位数を加算

        LIFEへのデータ提出について(かかりつけ医連携薬剤調整加算Ⅱ)

        LIFEへの情報提出頻度

        入所者ごとに、以下アからエまでに定める月の翌月10日までに提出すること。

        ア 施設に入所した日の属する月

        イ 処方内容に変更が生じた日の属する月

        ウ アまたはイの月のほか、少なくとも3月に1回

        エ 施設を退所する日の属する月

        LIFEに提出する情報

        入所期間が3月以上であると見込まれる入所者について、以下の情報を提出すること。

        ・「ア 施設に入所した日の属する月」、「ウ 3月に1回」、「エ 施設を退所する日の属する月」においては、【傷病名】と【処方薬剤名】の情報を提出

        ・「イ 処方内容に変更が生じた日の属する月」においては、【傷病名】と【処方薬剤名】に加えて別紙様式9(薬剤変更等に係る情報提供書)にある【変更・減薬・減量の別】と【変更・減薬・減量理由】の各項目に係る情報をすべて提出

        情報についての留意点

        提出情報は、以下の時点における情報とすること。

        ・「ア 施設に入所した日の属する月」に係る提出情報は、当該入所時における情報

        ・「イ 処方内容に変更が生じた日の属する月」に係る提出情報は、当該変更時における情報

        ・「ウ 少なくとも3月に1回」に係る提出情報は、前回提出時以降における情報

        ・「エ 施設を退所する日の属する月」に係る提出情報は、当該退所時における情報

        2021年3月31日以前に入所した者について

        当該者に係る施設入所時の【傷病名】と【処方薬剤名】を提出すること。施設入所日以降、2021年3月31日までの間に処方内容の変更があった場合には、【傷病名】と【処方薬剤名】に加えて、【変更・減薬・減量の別】と【変更・減薬・減量理由】の情報を、2021年5月10日までに提出すること。

        介護保険最新情報Vol.938 科学的介護情報システム(LIFE) 関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について

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