先日、2024年度介護報酬改定に向けた今後の検討テーマ(基本的な視点)が整理されました。
たくさんのキーワードが散りばめられている中で、「自立支援・重度化防止に向けた対応」として、「リハビリテーション・口腔・栄養の一体的取り組み」が明記されています。
今後、何らかの形で報酬上のインセンティブが検討されるテーマになるでしょう。ここまでの検討状況をまとめました。
リハビリテーションや口腔、栄養へのアプローチは、自立支援や重度化防止への効果が期待できるとして、2021年度介護報酬改定でも一体的な取り組みを行うことの重要性が示されてきました。それに伴い、リハビリテーション専門職、管理栄養士、歯科衛生士らとの連携が促されています。
24年度改定でより一層の取り組みを進めるため、本テーマが議題となった9月の会合で厚労省は以下の論点を示していました。
(口腔) ◼歯科専門職と多職種の連携をさらに促し、必要に応じて利用者に口腔に係る管理や歯科治療を提供するために、どのような方策が考えられるか。
(リハ・口腔・栄養) ◼リハビリテーション・口腔・栄養の一体的取組をさらに推進するため、どのような方策が考えられるか。
これまでの介護報酬改定では、口腔・栄養管理を促す各種加算の創設や見直しが行われてきました。先述の通り、21年度介護報酬改定でも、歯科衛生士や管理栄養士ら専門職の介入に対する評価などの見直しが実施されたところです。
しかし、厚労省が提示した介護現場における調査結果からは、口腔・栄養管理の重要性が十分に認識されていなかったり、各専門職や医療機関への連携が不十分であったりといった課題が伺えます。
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。