2021年度の介護報酬改定では、居宅介護支援の特定事業所加算について、単位数や算定要件の変更があります。2021年3月までの現行の加算と、2021年4月からの改定後の加算を比較して、変更点を確認しておきましょう。
質の高いケアマネジメントを提供する事業所を評価するための加算です。ケアマネジャーの配置人数や、サービスの提供体制、職員の研修実施状況、地域包括支援センターとの連携などが評価されます。
①現行の加算Ⅰ~Ⅲの単位数がアップする特定事業所加算(Ⅰ):現行 500単位/月 ⇒ 改定後 505単位/月特定事業所加算(Ⅱ):現行 400単位/月 ⇒ 改定後 407単位/月特定事業所加算(Ⅲ):現行 300単位/月 ⇒ 改定後 309単位/月
②加算Ⅰ~Ⅲに下記の算定要件が追加される「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービスを含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」
③「特定事業所加算(A):100単位/月」が新設される小規模事業所が事業所間連携によって質の高いケアマネジメントを実現できるように、事業所間連携による体制確保や対応等を行うことを評価します。
④現行の「特定事業所加算Ⅳ」は別加算に変更現行の特定事業所加算Ⅳは、病院との連携や看取りへの対応の状況を要件とすることを踏まえ、特定事業所加算からは切り離し、「特定事業所医療介護連携加算」に変更となります。
特定事業所医療介護連携加算:125単位/月(新設)
特定事業所加算(Ⅰ):500単位/月
特定事業所加算(Ⅱ):400単位/月
特定事業所加算(Ⅲ):300単位/月
特定事業所加算(Ⅳ):125単位/月
①常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名以上配置
②常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置(当該事業所の管理者と兼務可)
③利用者に関する情報やサービスの提供にあたって、留意事項などの伝達を目的とした会議を定期的に開催(週1回以上)
④24時間連絡体制を確保し、必要に応じて利用者などからの相談に対応できること
⑤算定月の要介護3~5の者の割合が40%以上(地域包括支援センターから紹介された支援困難事例は計算対象外)
⑥介護支援専門員に対し計画的に研修を実施(年間の個別研修計画を作成。研修目標の達成状況を適宜評価・改善措置の実施)
⑦地域包括支援センターと連携し、支援が困難な事例にも居宅介護支援を提供できること
⑧地域包括支援センターや他法人と協働で開催する事例検討会(または研究会)などに参加
⑨運営基準減算または、特定事業所集中減算の適用を受けていない
⑩介護支援専門員1人(常勤換算)の利用者数(介護予防含む)が40件未満
⑪介護支援専門員実務研修における実習等に協力または協力体制を確保
⑫他法人と共同で事例検討会、研究会等を実施
加算Ⅰの算定要件②・③・④・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩・⑪・⑫に加えて、下記の要件を満たすこと。
・常勤の主任介護支援専門員等を1名以上配置
※業務に支障がなければ、同一敷地内の他の事業所の職務と兼務可能
※「等」とは、年度中に主任介護支援専門員研修を修了する見込みがある者
加算Ⅰの算定要件③・④・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩・⑪・⑫に加えて、下記の要件を満たすこと。
・常勤かつ専従の主任介護支援専門員等を1名以上配置
・常勤かつ専従の介護支援専門員を2名以上配置
①特定事業所加算Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれかを算定していること
②退院・退所加算を算定し、その医療機関等連携回数が35回以上(年間)であること
③ターミナルケアマネジメント加算の算定回数が5回以上(年間)であること
特定事業所加算(Ⅰ):505単位/月
特定事業所加算(Ⅱ):407単位/月
特定事業所加算(Ⅲ):309単位/月
特定事業所加算(A):100単位/月(新設)
②常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置
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