訪問看護ステーションの報酬単価とは?売上アップの方法もご紹介

2023.01.30
2023.08.21
ホーム事業所運営訪問看護訪問看護ステーショ…

こちらのページは訪問看護事業所を運営中の皆様に向けた内容となっています。
訪問看護ステーションの報酬単価については下記のページにさらに詳しくまとめているほか、無料でダウンロードできる料金表のひな形(Excel)もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
リンク:【令和4年度改定対応】介護保険・医療保険の訪問看護における報酬単価はいくら?

目標とする売り上げを確保することが難しいと感じている訪問看護事業所の管理者や経営者の方は、「訪問看護事業所の平均的な売り上げはどのくらいなのかな?」、「訪問看護ステーションで売上アップを目指すためにはどうすればいいの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?

そのような皆様に向けて、この記事では、訪問看護ステーションの報酬単価や、売り上げをアップする方法について解説します。

目次
    訪問看護ステーションの単価とは?
    訪問看護ステーションの平均売上
      訪問看護ステーションで赤字になる理由とは?
        訪問看護ステーションの売上アップの方法とは?
          まとめ

            訪問看護ステーションの単価とは?

            介護保険の訪問看護の報酬単価は、「基本報酬に各種加算減算を加減した単位数」に「地域区分ごとに定められる単価」を掛けることによって算定します。

            一方、医療保険の訪問看護の報酬単価は、「基本療養費に各種加算・管理療養費・情報提供療養費等を加算した金額」を算定します。

            介護保険の訪問看護の基本報酬の単位数とは?

            介護保険の訪問看護の基本報酬は、以下のような単位数となっています。

            訪問看護

            ステーション

            所要時間20分未満の場合 313単位
            所要時間30分未満の場合 470単位
            所要時間30分以上1時間未満の場合 821単位
            所要時間1時間以上1時間30分未満の場合 1,125単位
            理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問の場合
            (1回につき)
            293単位
            病院または

            診療所

            所要時間20分未満の場合 265単位
            所要時間30分未満の場合 398単位
            所要時間30分以上1時間未満の場合 573単位
            所要時間1時間以上1時間30分未満の場合 842単位
            定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携 2,954単位

            介護保険の地域区分による1単位あたりの単価とは?

            介護保険の報酬は、単位数に事業所の所在する地域区分ごとに定められた単価を掛けて算定します。この地域区分には、1級地から7級地とその他の区分が設けられています。

            地域区分 単価 適用地域
            1級地 11.40円 東京都特別区
            2級地 11.12円 神奈川県横浜市、大阪府大阪市など
            3級地 11.05円 埼玉県さいたま市、千葉県千葉市など
            4級地 10.84円 千葉県船橋市、東京都立川市など
            5級地 10.70円 茨城県水戸市、京都府京都市など
            6級地 10.42円 宮城県仙台市、栃木県宇都宮市など
            7級地 10.21円 北海道札幌市、長野県長野市など
            その他 10.00円 1級地~7級地以外

            医療保険の訪問看護の基本療養費とは?

            医療保険の訪問看護の基本療養費は、訪問看護基本療養費と精神科訪問看護基本療養費に分けられ、それぞれに訪問する職種や回数などに応じた「1日当たりの金額」が定められています。

            訪問看護基本療養費

            訪問看護基本療養費の金額は、以下のようになっています。

            訪問看護基本療養費(Ⅰ) イ 保健師、助産師又は看護師による場合(ハを除く) 週3日目まで 5,550円
            週4日目以降 6,550円
            ロ 准看護師による場合 週3日目まで 5,050円
            週4日目以降 6,050円
            ハ 悪性腫瘍の利用者に対する緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師による場合 12,850円
            ニ 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による場合 5,550円
            訪問看護基本療養費(Ⅱ) イ 保健師、助産師又は看護師による場合(ハを除く。) 同一日に2人 週3日目まで 5,550円
            週4日目以降 6,550円
            同一日に3人以上 週3日目まで 2,780円
            週4日目以降 3,280円
            ロ 准看護師による場合 同一日に2人 週3日目まで 5,050円
            週4日目以降 6,050円
            同一日に3人以上 週3日目まで 2,530円
            週4日目以降 3,030円
            ハ 悪性腫瘍の利用者に対する緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師による場合 12,850円
            ニ 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による場合 同一日に2人 5,550円
            同一日に3人以上 2,780円
            訪問看護基本療養費(Ⅲ) 8,500円

            精神科訪問看護基本療養費

            精神科訪問看護基本療養費の金額は、以下のようになっています。

            精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ) イ 保健師、看護師又は作業療法士による場合 週3日目まで 30分以上の場合 5,550円
            30分未満の場合 4,250円
            週4日目以降 30分以上の場合 6,550円
            30分未満の場合 5,100円
            ロ 准看護師による場合 週3日目まで 30分以上の場合 5,050円
            30分未満の場合 3,870円
            週4日目以降 30分以上の場合 6,050円
            30分未満の場合 4,720円
            精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ) イ 保健師、看護師又は作業療法士による場合 同一日に2人 週3日目まで 30分以上の場合 5,550円
            30分未満の場合 4,250円
            週4日目以降 30分以上の場合 6,550円
            30分未満の場合 5,100円
            同一日に3人以上 週3日目まで 30分以上の場合 2,780円
            30分未満の場合 2,130円
            週4日目以降 30分以上の場合 3,280円
            30分未満の場合 2,550円
            ロ 准看護師による場合 同一日に2人 週3日目まで 30分以上の場合 5,050円
            30分未満の場合 3,870円
            週4日目以降 30分以上の場合 6,050円
            30分未満の場合 4,720円
            同一日に3人以上 週3日目まで 30分以上の場合 2,530円
            30分未満の場合 1,940円
            週4日目以降 30分以上の場合 3,030円
            30分未満の場合 2,360円
            精神科訪問看護基本療養費(Ⅳ) 8,500円

            訪問看護ステーションの平均売上

            厚生労働省の『令和2年度介護事業経営実態調査』によると、訪問看護事業所が配置している看護職員の常勤換算数の平均は「4.7人」であり、1カ月あたりの売上(介護料収入)は「2,688,000円」、訪問1回当たりの収入は「8,056円」となっています。

            訪問看護ステーションで赤字になる理由とは?

            訪問看護事業所は、ニーズの拡大と『黒字化することができる事業』として、事業所数が伸びているサービス種別です。ただし、すべての事業所が黒字で運営できているということではなく、経営が上手くいかず、赤字になってしまう事業所もあります。

            埼玉県訪問看護ステーション協会の『令和2年度訪問看護ステーションに関するアンケート調査報告書』によると、以下のような赤字になってしまう理由が挙げられています。

            • 職員数に比べて利用者数(訪問回数)が少ない
            • 利用者数が少なく、安定的な収入が見込めない
            • 開業して間もない
            • 不採算な事業の実施
            • 関連施設がない為、同族紹介が少ない
            • 職員の入れ替わりが多い
            • 加算が取れない

            訪問看護ステーションの売上アップの方法とは?

            訪問看護ステーションの売上をアップするためには、利用者数の確保や職員の定着等が重要になってきます。そのため、売上を増やすためには以下のような方法が考えられるでしょう。

            【売上アップの方法】

            • ホームページの制作やパンフレットの配布など、事業所を認知してもらうための活動を行い、売上を増やす。
            • 居宅介護支援事業所や医療機関等へ営業に行く機会を増やし、売上を増やす。
            • 効率的に訪問できるようにスケジュールを見直し、看護職員1人当たりの訪問件数を増やし、売上を増やす。
            • 看護職員を採用し、ステーションを大規模化して売上を増やす。

            また、売上を増やす以外にも、『経費を減らすこと』で、売上アップと同様の効果がありますので、コストダウンの取り組みも並行して行いましょう。

            • ICTを導入し、事務業務を効率化することで、人件費コストを抑える。
            • 使用しているソフト・機器などを同等の機能で価格が安いものに乗り換える。
            • 1on1ミーティングの導入や有給休暇の取得推進など、従業員が働きやすい環境にすることで、採用コストを抑える。

            まとめ

            この記事では、訪問看護ステーションの単価や売り上げアップの方法についてご紹介してきました。

            訪問看護ステーションを黒字で適切に運営するためには、『単価』を把握し、黒字になるための利用者数を確保しなくてはいけません。

            「利用者数が少ない」と感じている経営者・管理者の皆様は、ここでご紹介した内容を参考に、利用者様の獲得、コストダウンの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

            最後までお読みいただきありがとうございました。

            関連記事
            トリプルグッド社会保険労務士法人
            2023.05.19
            訪問看護における労務管理のポイントとは?【社会保険労務士が監修】
            #人事・労務
            トリプルグッド社会保険労務士法人
            2023.05.19
            訪問看護の給与計算ミスを減らして効率化するための方法をご紹介【社労士監修】
            #人事・労務
            2023.05.08
            訪問看護師にスキルアップしてもらうための方法とは?キャリアアップのための研修や資格もご紹介
            #人材育成