人手不足の介護業界で、職員の採用は経営者・管理者の皆様にとって大きな課題となっています。労力をかけて採用したのだから、できるだけ長く働いてもらいたいと思うのは当然のことです。
そのような中で、「なぜ自分の事業所では人材が定着しないのだろうか?」や「デイサービスで人材を定着させるためにはどうしたらいいの?」といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、デイサービスを運営する皆様に向けて、人材を定着させることのメリットや、事業所に定着してもらうための具体的な方法についてご紹介します。
介護労働安定センターが実施した「令和3年度介護労働実態調査」によると、通所介護の離職率は『15%』となっています。
厚生労働省が実施した「令和3年令和3年雇用動向調査」によると、全産業平均の離職率は『13.9%』となっているため、デイサービスは平均よりも従業員の入れ替わりが多い業種だと言えるでしょう。
そんなデイサービス業界で、人材を定着させることには以下のようなメリットがあります。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
職員が定着することで、新たに職員を採用する時間と費用を削減することがメリットとして挙げられます。
採用にかかる費用は方法・媒体によって違いますが、例えば有料人材紹介サービスを利用した場合、以下のような費用がかかります。
(厚生労働省 2019年度「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」より)
採用コストについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、「デイサービスの採用で効果的な方法とは?採用コストや職員定着の方法も合わせてご紹介!」もご覧ください。
職員が定着し、その職場で経験を積むことで、業務を行うためのスキルが熟練し、生産性の向上(効率よく業務を行えること)がメリットになります。
また、その職種としての経験を積むことで、知識や技術を身につけ、質の高いサービスを提供できる人材になることもメリットとして挙げられます。
職員が定着している職場は、求職者から「働きやすい良い職場」だと認識されることで、採用活動におけるメリットになります。一方、離職率が高い職場は、「職場環境が良くないの?」や「人間関係が良くないの?」といった不安を求職者に与える可能性があります。
デイサービスのサービス提供体制強化加算の算定要件の一つに「勤続年数」があります。そのため、職員が定着し、経験年数の長い職員が増えることでデイサービスの経営上のメリットがあるでしょう。
サービス提供体制強化加算を算定するためには、以下の算定要件を満たす必要があります。
前出の介護労働実態調査によると、通所介護事業所の職員が前職(介護関係の仕事)をやめた主な理由は、以下のようになっています。
人間関係や運営のあり方など「職場への不満」や、収入の少なさや将来の見込みが立たないなどの「生活への不安」があるために、離職に繋がっています。
これまで見てきたように、「職場への不満」や「生活への不安」を感じる職場は、離職(人材が定着がしないこと)に繋がっています。
ですから、できるだけ「職場・生活への不満や不安を解消すること」が、職員に長く働いてもらうためのポイントになっています。
それでは、人材定着のための具体的な取り組みを見ていきましょう。
ここまで、デイサービスにおける人材定着のメリットや具体的な取り組みについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
時間や費用をかけて採用した職員に定着してもらうためには、職員が抱える職場への不満や生活への不安を早期に把握し、改善のために具体的な行動をとっていくことが重要になってくるでしょう。
ここでご紹介した内容が、皆様の事業所運営のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。