訪問看護師のエンゲージメント向上のポイント【1】~職員と組織の信頼関係の築き方~

2022.10.30
2022.10.30
会員限定
ホームニュース専門家コラム訪問看護師のエンゲ…

前回の「訪問看護ステーションで働く職員のモチベーションの変化」では、独自調査の結果に沿って、訪問看護ステーションが持続的な運営をしていくための方策について述べた。各事業所が自身の特性を理解し、職員がどのような目的をもって入社したり、就労意向を持っていたりするかを把握して、採用と定着に取り組んでいかなければならない。

今回は、従業員の定着をさらに促進するために必要な「エンゲージメント」の高め方について述べていく。

目次
    エンゲージメントとは
      モチベーションとエンゲージメントの違い
        経営者や管理者は職員一人ひとりのビジョン達成のサポートを
          訪問看護ステーションの職員のエンゲージメントを向上させる4つの段階
          職員のエンゲージメントを高めるための姿勢・考え方

            エンゲージメントとは

            エンゲージメントとは、一言で述べると企業と従業員の「信頼関係」である。
            信頼関係が構築できれば、お互いの必要性が理解でき、ともに成長できて、経営にプラスの影響をもたらすという考え方である。

            信頼関係が確立されれば、経営者は働きやすい職場づくりや教育体制の整備など従業員のためにできることを考え、従業員は主体的に仕事に取り組むなど組織に対する貢献の意欲を持つようになる。

            モチベーションとエンゲージメントの違い

            では、モチベーションとエンゲージメントの違いは何だろうか?

            モチベーションとは、職員が働く上での動機づけをいう。
            モチベーション―従業員の姿勢や行動を促進する要因―には仕事に対する満足を生み出す「動機付け要因」と職場に対する不満を生む「衛生要因」が存在する(ハーズバーグが提唱している「二要因理論」)。

            これに対し、エンゲージメントは環境的な要素に関わらず、従業員が組織に愛着を持ち、主体的な行動を実践している状態を指す。

            また、まずモチベーションは自分の中の動機が生まれ、それが行動につながっていくのに対し、エンゲージメントは「事業所のために貢献する」というように、周囲に対する働きかけを意識して行動しようという意欲を指す。

            企業と従業員の信頼関係に話を戻すと、両者の信頼関係は以下の2つの軸を基に構築される。

            ●セルフモチベーション(自発的に自らを奮い立たせる力)
            ●コミットメント(事業所目標と個人目標をシンクロさせ能動的に行動しようとする力)

            経営者や管理者は職員一人ひとりのビジョン達成のサポートを

            経営者の中には、「職員に説明しているのにいうことを聞いてもらえない」といった悩みを持つ方も少なくはないのではないか。

            残り1993文字
            この資料は会員限定コンテンツです。
            会員情報をご登録いただくと、
            介護業界の経営支援に役立つ限定公開記事をお読みいただけます。
            業界ニュースや
            専門家記事が
            無料で読み放題
            加算も取得できる
            研修動画が
            無料で見放題
            業務で使う
            各種帳票が
            無料ダウンロード
            関連記事
            鶴ケ谷理子
            2023.03.31
            訪問看護ステーションの人材定着策①入職時に効果的なオンボーディング支援とは
            #訪問看護 #リスク管理
            杉山晃浩
            2023.03.30
            定期健診を受けさせなくてもよい介護職員とは?新年度に向けた労務チェックポイント
            #リスク管理 #居宅系サービス #施設系サービス
            出口貴大
            2023.03.17
            訪問看護ステーションの教育プログラムと研修計画の作り方 ~具体的な内容の考え方
            #訪問看護 #リスク管理 #サービス品質向上