働き方改革下における介護事業所が抑える職場を取り巻く労務管理のポイント(9)~給与に関する規定~

2022.03.14
2022.03.18
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第9回目は「就業規則のポイント〜給与に関する規定~」についてです。

目次
    給与に関するルールの重要性
      給与は介護事業者と従業員のコミュニケーション手段
        月給における欠勤の取り扱い
          昇給、賞与に関する記載は慎重に

            給与に関するルールの重要性

            前回まで、就業規則が必要な理由について以下を指摘してきました。

            1、法律の定めにより、対応する必要がある
            2、会社(職場)のルールを従業員に伝える
            3、会社を成長・発展させる

            ここで考えていただきたいのが、「従業員が貴社で働く目的は何か」です。

            採用面接の際に、就職の希望理由を尋ねる企業は多いと思いますが、実際にその希望が実現できているかどうかの確認をされている企業はそれほど多くないのではないでしょうか。

            職種、業務内容(責任の範囲を含む)、勤務状況が同等の場合、介護事業所間の給与格差はそれほど大きくはありません。

            だからこそ、従業員の職場選びにおいて給与額以外の要素も重要となります。

            もちろん、給与の重要性は無視できません。金額もさることながら、給与の在り方が大切です。

            例えば従業員が貴社で「〇〇について貢献したい」、「学び成長したい」、「挑戦したい」等の希望を持って入職したとすれば、それを達成した場合に給与で報いる仕組みを敷けば、モチベーションアップや帰属意識の醸成に効果的です。

            これが、「会社の成長・発展につながる就業規則」の考え方です。

            前回からの繰り返しになりますが、私は介護事業者様に「従業員の多様性ある働き方を受け入れる考えがあるのであれば、基礎となるルールは明確に、分かりやすく伝えてください」と伝えています。

            これは給与においても同様です。

            それでは、就業規則における給与について見ていきたいと思います。

            給与は介護事業者と従業員のコミュニケーション手段

            私は経営において、「給与(賃金)」は労使双方にとって事業の成果を示すバロメーターとなるとともに、企業の精神であると考えています。

            残り3952文字
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