第9回目は「就業規則のポイント〜給与に関する規定~」についてです。
前回まで、就業規則が必要な理由について以下を指摘してきました。
1、法律の定めにより、対応する必要がある 2、会社(職場)のルールを従業員に伝える 3、会社を成長・発展させる
ここで考えていただきたいのが、「従業員が貴社で働く目的は何か」です。
採用面接の際に、就職の希望理由を尋ねる企業は多いと思いますが、実際にその希望が実現できているかどうかの確認をされている企業はそれほど多くないのではないでしょうか。
職種、業務内容(責任の範囲を含む)、勤務状況が同等の場合、介護事業所間の給与格差はそれほど大きくはありません。
だからこそ、従業員の職場選びにおいて給与額以外の要素も重要となります。
もちろん、給与の重要性は無視できません。金額もさることながら、給与の在り方が大切です。
例えば従業員が貴社で「〇〇について貢献したい」、「学び成長したい」、「挑戦したい」等の希望を持って入職したとすれば、それを達成した場合に給与で報いる仕組みを敷けば、モチベーションアップや帰属意識の醸成に効果的です。
これが、「会社の成長・発展につながる就業規則」の考え方です。
前回からの繰り返しになりますが、私は介護事業者様に「従業員の多様性ある働き方を受け入れる考えがあるのであれば、基礎となるルールは明確に、分かりやすく伝えてください」と伝えています。
これは給与においても同様です。
それでは、就業規則における給与について見ていきたいと思います。
私は経営において、「給与(賃金)」は労使双方にとって事業の成果を示すバロメーターとなるとともに、企業の精神であると考えています。
株式会社オーバー代表取締役。拓社会保険労務士事務所代表。社会保険労務士、社会福祉士。 社会保険労務士事務所に入所。医療・福祉業界含め数多くの企業を担当。組織づくり、チーム運営、マーケティング、IT 活用、仕事と家庭の両立を軸とした人事労務コンサルティングで好評を得る。 平成28年会社設立。平成29年1月訪問看護ステーションシンプル、同年5月生活支援サービスチョイス、同年9月ライフパートナーワン・スタイル、居宅介護支援事業所ワン・スタイル、平成30年8月ライフサポートイメージ(訪問介護事業)を立ち上げる。