【訪問介護】運営基準の改正点まとめ 2021年度介護報酬改定・厚労省

2021.01.18
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こちらのページの内容は2021年1月18日時点のものです。
2021年4月に介護報酬改定が行われたことに伴い、訪問介護(ヘルパーステーション)の運営基準や、実地指導時に確認される運営基準のポイントなどを「事業所運営」のページに詳しくまとめておりますので、下記のページをご覧ください。
リンク:訪問介護(ヘルパーステーション)の運営基準とは?運営指導での違反例もあわせてご紹介

第198回社保審・介護給付費分科会が1月13日に開かれ、2021年度介護報酬改定に向けた、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令」について了承されました。本記事では【訪問介護】に関する省令※の改正内容を整理していきます。

※省令…指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準。以下「運営基準」とします。記事本文では該当する条項の内容を要約しています。

情報の収集・活用とPDCAサイクルの推進

指定居宅サービスの事業の一般原則・居宅基準第三条4(新設)

全てのサービスについて、省令上にて「介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない」という規程が新設されました。具体的には、以下の点が運営基準として求められます。

●LIFEを活用した計画の作成や事業所単位でのPDCA サイクルの推進、ケアの質の向上に努めること

ハラスメント対策の強化

勤務体制の確保等・居宅基準第三十条4(新設)

介護現場で問題となっている様々なハラスメントへの対策強化が、運営基準に盛り込まれました。訪問介護を含めたすべてのサービスを対象に、ハラスメントによって職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化など、必要な措置を講じることが義務付けられます(経過措置なし)。

業務継続に向けた取り組みの強化

業務継続計画の策定等・居宅基準第三十条の二(新設)

感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築することが、次期改定の柱の1つです。これを踏まえ、業務継続に向けた以下の3点が運営基準で義務化されます。

●業務継続に向けた計画(業務継続計画・BCP)を策定し、感染症や非常災害発生時には計画に従って必要な措置を講じること

●業務継続計画を職員に周知するとともに、必要な研修や訓練を定期的に実施すること

●定期的に業務継続計画の見直しを実施し、必要に応じて計画内容の変更を行うこと

上記の運営基準の改正に際し、省令施行日から2024年3月31日まで、3年間の経過措置期間を設けるとしています。

感染症対策の強化

衛生管理等・居宅基準第三十一条3(新設)

介護サービス事業者の感染症対策を強化する観点から、以下3点の対策が義務化されます。

●感染症の予防・まん延の防止のための対策を検討する委員会をおおむね6月に1回以上開催すること。その結果について、職員等に周知徹底を図ること。(委員会はテレビ電話など情報通信機器を活用して行うことができる)

●事業所における感染症の予防・まん延の防止のための指針を整備すること

●職員等に対し、感染症の予防・まん延の防止のための研修・訓練を定期的に実施すること

なお、経過措置期間は省令施行日から2024年3月31日までの3年間が設けられます。

関連記事:感染症対策の運営基準「6月に1回」の委員会開催を義務化、テレビ電話活用など詳細明らかに 2021年度介護報酬改定

運営規程等の掲示に係る見直し

掲示 ・居宅基準第三十二条2(新設)

現行では、各サービスにおける運営規程等の重要事項は、事業所内の見やすい場所への掲示が義務付けられています。この点について、介護サービス事業者の業務負担軽減や利用者の利便性の向上を図る観点から、閲覧可能なファイル等で据え置くなどの対応が可能となります。

具体的には、重要事項に関する書面を事業所に備え付け、かつ、関係者がいつでも自由に閲覧できる状態とすることで、掲示の代わりとするとしています。

サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保

地域との連携等・居宅基準第三十六条の二 2(新設)

介護サービスは本人や家族のニーズに合わせて自由に選択できるものですが、サービス付き高齢者向け住宅等にて、囲い込みや過剰なサービス提供が実施されている可能性が指摘されてきました。

これを踏まえ、適正なサービス提供を確保する観点から、事業所と同一の建物に居住する利用者に対してサービス提供を行う場合、当該建物に居住する利用者以外に対してもサービス提供を行うよう努めることが、新たに運営基準として求められます。

高齢者虐待防止の推進

虐待の防止・居宅基準第三十七条の二(新設)

介護福祉現場で問題となっている高齢者への虐待に関して、利用者の人権の擁護や虐待の防止等の観点から、以下の4点が義務付けられます。

●虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、職員に周知徹底を図ること。(委員会はテレビ電話など情報通信機器を活用して行うことができる)

●事業所における虐待防止のための指針を整備すること

●職員等に対し、虐待防止のための研修を定期的に実施すること

●上記の虐待防止に関する措置を適切に実施するための担当者を置くこと

虐待防止に関する運営基準の改正に際し、省令施行日から2024年3月31日まで、3年間の経過措置期間が設けられます。

記録の保存等に係る見直し

電磁的記録等・居宅基準第二百十七条(新設)

介護サービス事業者の業務負担軽減や、いわゆるローカルルールの解消を図る観点から、諸記録の保存・交付等について、原則として電磁的な対応が認められ、必ずしも紙媒体で保存する必要がなくなります。

利用者への説明・同意等に係る見直し

電磁的記録等・居宅基準第二百十七条2(新設)

利用者の利便性向上や介護サービス事業者の業務負担を軽減する観点から、利用者やその家族に対する説明・同意等※のうち、書面で行うものについて、相手の承諾を得たうえで、電磁的な対応が認められます。

具体的には、ケアプランや重要事項説明書などの説明、同意を得る際に、必ずしも紙の書類を用意する必要はなく、タブレットやPCなどを使ってデータで提示する運用も可能となります。

※説明・同意等:交付、説明、同意、承諾、締結その他これらに類するもの

今後のスケジュール

今後は、1月中に介護報酬改定案に対する諮問・答申を経て、正式な省令の公布へと進む見込みです。

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