規模拡大を目指す訪問看護ステーションの管理者・経営者に必要なこと

2023.05.11
2023.05.11
会員限定
ホームニュース専門家コラム規模拡大を目指す訪…

前回、訪問看護ステーションを立ち上げ、安定運営できるようになった後の戦略として、事業規模を拡大せず現状維持を選択する場合について説明しました。

今回は、規模拡大を目指す場合の戦略や考え方、組織づくりについて考えてまいります。

目次
    初めの一歩は規模拡大の定義を明確にすること
      1つのステーションに所属する職員数を増やす場合に必要なマネジメント
      店舗数を増やしていく場合の戦略とメリット・デメリット
        安定運営が実現したときに経営者に迫られる決断

          初めの一歩は規模拡大の定義を明確にすること

          まずは、“規模拡大”といってもどのような状態を目指すのか定義する必要があります。「1ステーションに所属する看護師数を20人、30人と増やしていく」のか、「1ステーションに所属する看護師人数は2.5〜10人程度までに留めて、店舗数を増やしていくのか」等、自社が目指す“規模拡大”の定義をしましょう。

          経営支援をする立場として、訪問看護事業の「規模拡大をしたい」とご相談をいただくことがよくあります。しかし、詳しくお話を伺ってみるとそのイメージは漠然としており、具体的なイメージを持っていない経営者さんも多くいらっしゃいます。

          こうした場合は、会社として“規模拡大”を目指すと打ち出しても社員の間で認識が異なってしまい、その結果足並みが揃わず運営が上手くいかないということもあります。

          助言させていただく際には、「まず規模拡大の定義をして、社内でその定義を共有することから始めましょう」とお伝えしています。

          それでは、規模拡大の定義ができたら次には具体的に何を考えるべきでしょうか。

          1つのステーションに所属する職員数を増やす場合に必要なマネジメント

          1店舗に配置する職員数を増やしていく方針をとる場合、管理すべき人員数が増えるに伴い求められるマネジメントも変化していきます。経営者として、ステーションの成長段階に合わせたフォローや仕組みづくりが必要です。

          多くの管理者さんや経営者さんからの話では、大まかに8人前後、20人前後で乗り越えるべきステップがあるように感じます。

          8人以上のマネジメントを担う管理者

          それぞれのステップでマネジメントが上手くいかなくなってしまった事例の多くでは、情報のやり取りに支障が出ていることが分かります。管理者がマネジメントする職員数が7人程度までの時期は、職員の状況や利用者の状況を全て集約して管理者一人で判断を下すことが可能です。

          この時期までは、管理者がサービス開始時に訪問に入るだけでなく定期的に利用者のケアに入るなどすることも多いようです。

          残り2062文字
          この資料は会員限定コンテンツです。
          会員情報をご登録いただくと、
          介護業界の経営支援に役立つ限定公開記事をお読みいただけます。
          業界ニュースや
          専門家記事が
          無料で読み放題
          加算も取得できる
          研修動画が
          無料で見放題
          業務で使う
          各種帳票が
          無料ダウンロード
          関連記事
          介護経営ドットコム編集部
          2024.11.13
          2024(令和6)年度改定対応版の新LIFEは何が変わった?対応加算一覧からQ&Aまで【最新情報まとめ】
          #LIFE #サービス共通 #損益改善
          杉山晃浩
          2024.11.11
          正職員の待遇引き下げで同一労働同一賃金を実現?人事関係者注目の判決と介護事業所の対応
          #サービス共通 #リスク管理 #人材採用/定着
          小濱道博
          2024.10.24
          2024年介護報酬改定後の運営指導対策〜通所介護編〜【解説・小濱道博】
          #リスク管理 #サービス共通