訪問看護ステーションの規模拡大を「目指さない」経営に必要な3つの備え

2023.04.25
2023.04.25
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これまで様々な角度から訪問看護事業に関わってきた中で、たくさんの経営者さんにお話を伺ってきました。経験上、訪問看護ステーションの経営方針を大きく分けると「規模の拡大を積極的に目指すか否か」の2つがあると考えています。

今回は、それぞれの戦略に応じて経営者が実践すべきことをご紹介します。まずは、事業規模を“現状維持”する場合について取り上げます。

目次
    訪問看護ステーションの成長ステージと成長戦略を考えるタイミング
      訪問看護ステーションの規模を“現状維持する”という選択
      まとめ

        訪問看護ステーションの成長ステージと成長戦略を考えるタイミング

        訪問看護ステーションの成長ステージには、まず【訪問看護ステーションの開設を決める】【看護職員が2.5人以上を確保し、無事開設する】までの時期があります。

        次に、【単月黒字を達成して安定運営ができるようになる】。そしてその後、【損益分岐点を超えて安定して運営ができるようになった段階】で経営者は、訪問看護ステーションの規模について「現状維持をしたいのか」、「拡大したいのか」を選択していくことになります。

        この選択によって、法人は全く異なった道を歩むことになります。現状維持といっても、ただ漫然と存在するのではなく、訪問看護ステーションの在り方として、積極的に小規模を維持するのであれば、規模拡大を目指す場合以上に工夫が必要になります。

        ここでまず重要なことは、自身が「経営者としてどうしたいのか」を明確にすることです。事業運営が安定するまでは、無我夢中で走ってきたことと思います。しかし、もし、今、何かしらの停滞感を感じているのであれば、一旦立ち止まってみましょう。そして、自社の置かれた状況を客観視して、「自分はどうしたいのか?」「そのために何が必要なのか?」を考えてみてください。

        では、「規模拡大は目指さず、現状を維持する」という選択をした場合は何をすべきでしょうか。

        訪問看護ステーションの規模を“現状維持する”という選択

        まず、訪問看護ステーションの規模について「現状を維持する」という選択をしたら次の3つのことを考えておく必要があります。

        1. 現状維持の定義とそのリスクの共有について
        2. 組織を維持するためにすべきこと
        3. ステーションの“終わり方”を考えておく

        それでは、それぞれについて説明をしていきます。

        1.”現状維持”について定義し、そのリスクを共有する

        まずは、そもそも現状維持とは何を指すのかを定義し、その上で起こりうる課題等についてメンバー全員で共有しておく必要があります。例えば、現状、看護職員が3人であるステーションの“現状維持”の定義が「今いる人員で無理ない範囲で訪問をしていく」なのであれば、お給料は今以上に上がることは無いかもしれませんし、誰か一人でも休職・退職してしまったらステーションも休廃止となってしまいます。

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