【通所リハ】2021年度報酬改定 加算の創設・見直し要件まとめ 厚労省・審議報告

2021.01.06
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2021年度介護報酬改定に向けて、全22回に渡り議論されてきた介護給付費分科会。その審議報告が、2020年12月23日に厚労省のホームページで公表されました。本記事では【通所リハビリテーション】に関する「令和3年度介護報酬改定に関する審議報告」の内容について、加算や報酬に関わる詳細部分をまとめて整理していきます。

令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(厚労省ホームページ)

関連記事:審議報告案、取りまとめへ 2021年度介護報酬改定に向けた年内の議論が終了 厚労省・分科会(第197回分科会)

入浴介助加算の見直し

利用者の自宅での入浴の自立を図る観点から、現行の入浴介助加算に以下2点の見直しが行われます。

①利用者が自宅において、自身または家族等の介助によって入浴を行うことができるよう、個別の入浴計画を作成し、計画に基づき事業所において個別の入浴介助を行うことを評価する、新たな区分を設ける。

個別の入浴計画は、利用者の身体状況や医師・理学療法士・作業療法士・介護支援専門員等が訪問により把握した利用者宅の浴室の環境を踏まえて、医師との連携の下に作成すること。

②現行の入浴介助加算が非常に高い算定率であることから、新たな加算区分の取り組みを促進するため、現行加算の単位数を見直す。

事業所規模別の報酬に関する対応

感染症や災害の影響により利用者が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能とする観点から、以下2点の見直しが行われます。

①事業所規模別の報酬区分の決定にあたって、より小さい規模区分がある大規模型について、前年度の平均延べ利用者数ではなく、感染症や災害の影響により延べ利用者数の減が生じた月の実績を基礎とすることができる。

②感染症や災害の影響により延べ利用者数の減が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から一定割合以上減少している場合、一定期間、臨時的な利用者の減少による利用者一人あたりの経費の増加に対応するための評価を行う。

※②部分は、区分支給限度基準額の算定に含めない。

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なお、現下の新型コロナウイルス感染症の影響による一定割合以上の利用者減に対する適用にあたっては、「年度当初から即時的に対応を行う」ことが示されており、現行の新型コロナウイルス感染症対応の報酬特例(毎月決まった回数に限り、実際にサービスを提供した時間よりも2区分上位の報酬を算定できる特例)は今年度で廃止となります。

リハビリテーションマネジメント加算の見直し

自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取り組みを促す観点から、リハビリテーションマネジメント加算(以下、リハマネ加算)について、以下の見直しが行われます。

①報酬体系の簡素化と事務負担軽減の観点から、算定率の高いリハマネ加算(Ⅰ)、介護予防訪問・通所リハのリハマネ加算は廃止し、同加算の算定要件は基本報酬の算定要件とし、基本報酬で評価を行う。

②訪問リハにおける同加算と通所リハの同加算の評価の整合性を図る観点から、リハマネ加算Ⅱ・Ⅲの評価の見直しを行う。

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また、2021年度からのCHASE・VISITの一体的な運用に伴い、以下の見直しについても審議報告に盛り込まれました。

③リハマネ加算(Ⅳ)を廃止する。

④定期的なリハビリテーション会議によるリハビリテーション計画の見直しが要件とされているリハマネ加算Ⅱ・Ⅲのそれぞれにおいて、事業所がCHASE・VISITへデータを提出しフィードバックを受けPDCAサイクルを推進することを評価する。

⑤CHASE・VISITへの利用者情報の入力負担の軽減と、よりフィードバックに適するデータを優先的に収集する観点から、リハビリテーション実施計画書の項目について、CHASE・VISITにデータ提供する場合の必須項目と任意項目を定める。

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さらに、全サービスに共通して、会議や多職種連携におけるICTの活用が推進されています。リハマネ加算の算定要件の一つである「定期的な会議の開催」についても、利用者の了解を得た上で、テレビ会議等の対面を伴わない方法により開催することが可能となります。

生活行為向上リハビリテーション実施加算の見直し

生活行為向上リハビリテーション実施加算について、現行では生活行為向上リハビリテーションの実施開始から3月以内と、3月以上6月以内とで単位数が階段状に設定されています。

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これに対し、廃用症候群や急性増悪等によって生活機能が低下した利用者に対する、適時適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から、事業所の加算を取得しない理由等も踏まえ、以下3点の見直しが行われます。

①加算算定後に継続利用する場合の減算を廃止する。

②生活行為向上リハビリテーションの実施開始から3月以内と3月以上6月以内で階段状になっている単位数を単一(現行の3月以内より低く設定)にする。

③活動と参加の取組を促進する観点から、同加算の利用者の要件や取組の内容について明確化する。

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処遇改善加算の職場環境等要件の見直し・処遇改善加算Ⅳ・Ⅴの廃止

介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算の算定要件の一つである「職場環境等要件」について、介護事業者による職場環境改善の取り組みをより実効性が高いものとする観点から、以下2点の見直しが実施されます。

①職場環境等要件に定める取組について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取組がより促進されるように見直しを行う。

・ 職員の新規採用や定着促進に資する取組

・ 職員のキャリアアップに資する取組

・ 両立支援・多様な働き方の推進に資する取組

・ 腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組

・ 生産性の向上につながる取組

・ 仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、

職員の勤務継続に資する取組

②職場環境等要件に基づく取組の実施について、過去ではなく、当該年度における取組の実施を求める。

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また、介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、上位区分の算定が進んでいることを踏まえて廃止へ。その際に、2021年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業所については、1年の経過措置期間が設けられます。

事務局からは、「介護職員処遇改善加算取得促進事業」において、上位区分への引き上げを強力に進める予定という発言もありました。

介護職員等特定処遇改善加算の見直し

スキル・経験のある職員の処遇改善を目的とした介護職員等特定処遇改善加算について、「リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を行う」といった趣旨は維持した上で、小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、以下の見直しが行われます。

・平均の賃金改善額の配分ルールについて、「その他の職種」は「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」とするルールは維持した上で、「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」とするルールについて、「より高くすること」とする。

つまり、「2倍以上」という制限がなくなり、より柔軟な配分が可能となります。

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口腔機能向上の取り組み充実に向けた新たな加算の創設・現行の口腔機能向上加算に新区分

利用者の口腔機能の低下を防ぐことなどを目的に、介護職員が実施可能な口腔スクリーニングの実施を評価する新たな加算がされます。その目的及び方法等に鑑み、栄養スクリーニング加算による取組・評価と一体的に行う必要があります。

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口腔機能向上加算については、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用による更なるPDCAサイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分が設けられます。

栄養ケア・マネジメントの充実に向けた新たな加算の創設

栄養改善が必要な者を的確に把握し、適切なサービスにつなげていく観点から、以下3点の見直しが行われます。

①管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取組を評価する新たな加算を創設する。その際、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なるPDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを要件の一つとする。

②栄養改善加算について、栄養改善が必要な者に適切な栄養管理を行う観点から、事業所の管理栄養士が必要に応じて居宅を訪問しての栄養改善サービスの取組を行うことを求めるとともに、評価の充実を図る。

③①及び②における管理栄養士については、外部(他の介護事業所、医療機関、介護保険施設又は栄養ケア・ステーション)との連携による配置を可能とする。

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サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算について、サービスの質の向上や職員のキャリアアップを一層推進する観点から、各サービスにおいて財政中立を念頭とした見直しが実施されます。以下には「通所リハ」に関わる記載のみを抜粋しています。

①介護福祉士割合や介護職員等の勤続年数が上昇・延伸していることを踏まえ、各サービス(訪問看護及び訪問リハビリテーションを除く)について、より介護福祉士の割合が高い、又は勤続年数が10年以上の介護福祉士の割合が一定以上の事業者を評価する新たな区分を設ける。

②勤続年数要件について、より長い勤続年数の設定に見直すとともに、介護福祉士割合要件の下位区分、常勤職員割合要件による区分、勤続年数要件による区分を統合し、いずれかを満たすことを求める新たな区分を設定する。

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社会参加支援加算の見直し、加算名を「移行支援加算」へ変更

社会参加支援加算について、算定要件である「社会参加への移行状況」の達成状況等を踏まえ、利用者に対する適時・適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から、以下3点の見直しが行われます。

①算定要件である、社会参加への移行状況の計算式(下図を参照)と、リハビリテーションの利用の回転率について、実情に応じて見直す。

②リハビリテーションの提供終了後、一定期間内に居宅訪問等により社会参加への移行が3月以上継続する見込みであることを確認する算定要件について、提供終了後1月後の移行の状況を電話等で確認することに変更する。また、移行を円滑に進める観点から、リハビリテーション計画書を移行先の事業所に提供することを算定要件に加える。

③加算の趣旨や内容を踏まえて、加算の名称を「移行支援加算」とする。

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長期間利用の介護予防リハビリテーションを減算へ(介護予防のみ)

介護予防サービスにおけるリハビリテーションについて、近年の受給者数や利用期間、利用者のADL等を踏まえ、利用開始から一定期間が経過した後の評価の見直しを行うこととなります。

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同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額の計算方法の適正化

現行では訪問系サービスに適用されている同一建物減算適応時等の区分支給限度基準額の計算方法について、通所系サービスも対象とする見直しが実施されます。

・同一建物等居住者に係る減算の適用を受ける者と当該減算の適用を受けない者との公平性の観点から、当該減算等の適用を受ける者の区分支給限度基準額の管理において、減算等の適用前の単位数を用いることとする。

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また、通所介護、通所リハビリテーションについては、通常規模型のサービスを利用する者と大規模型のサービスを利用する者との公平性の観点から、以下の見直しも併せて盛り込まれています。

・大規模型の報酬が適用される事業所を利用する者の区分支給限度基準額の管理において、通常規模型の単位数を用いることとする

訪問介護、通院等乗降介助の見直しに伴う減算の適用

訪問介護における通院等乗降介助について、利用者の身体的・経済的負担の軽減や利便性の向上の観点から、目的地が複数ある場合であっても、居宅が始点または終点となる場合には、目的地間の移送に係る乗降介助に関しても、同一の事業所が行うことを条件に、算定が可能となります。

この見直しに伴い、通所系サービスについては利用者宅と事業所との間の送迎を行わない場合に減算が適用されます。

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今後のスケジュール

2020年12月18日の分科会にて年内の議論は終了。12月23日の「令和3年度介護報酬改定に関する審議報告」をもとに、年明けから諮問・答申へと進み、新加算の単位数や見直し後の単位数など、詳細が明らかになっていきます。

引用:第197回社保審・介護給付費分科会「審議報告案にかかる参考資料」、第189回社保審・介護給付費分科会「訪問リハビリテーションの報酬・基準について(検討の方向性)」、「訪問介護・訪問入浴介護の報酬・基準について(検討の方向性)」より

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