タイムテーブルの作成ステップ(後編)具体的な作成方法―放課後等デイ参入前に知っておくべき運営のポイント④

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放課後等デイサービスコンサルタントの松本太一です。この連載ではこの事業への参入に関心を持っていらっしゃる方に、ぜひ知っていていただきたいポイントをご紹介しております。療育の現場にあまり関わったことのない経営者の方にもぜひ参考にしていただければ幸いです。

前回は、タイムテーブルを作る上での前準備として「来所時間の明確化」について解説しました。今回はいよいよタイムテーブル作りの具体的な手順やポイントについて説明します。

目次
    タイムテーブルは計画的な支援プログラムを実施するために作成するもの
      各プログラムの始まりと終わりの時間は必ず決めよう
        タイムテーブルを作るうえでの3つのルール
        タイムスケジュールの有無は支援のクオリティを測るバロメーター

          タイムテーブルは計画的な支援プログラムを実施するために作成するもの

          前回、タイムテーブルがない事業所では支援が行き当たりばったりになってしまい、子どもたちの問題行動が頻発してしまうことを指摘しました。そのこともあって、放課後等デイサービスのコンサルティングに入らせていただく前に、経営者や管理者に「タイムテーブルは作成できていますか?」とお聞きします。

          このとき、「作っています」というお答えがあっても、事業所に伺うとタイムテーブルが形になっていないケースが大変多いのです。

          例えば、以下のような予定表を使っている事業所があります。

          1. 宿題
          2. おやつ
          3. 運動(集団プログラム)
          4. 帰りの会

          これではタイムテーブルとは呼べません。何をどの順番で実施するのかは書いてあっても、時間が書いていないからです。

          こうした不完全な予定表をもとにプログラムを実施すると、「1.宿題」と「2.おやつ」をお子さんがそれぞれバラバラのペースで進めることになってしまいます。その結果、集団で行う「3.運動」を何時から始められるかがわからず、事前にどのような運動プログラムを実施するのか計画することができません。

          そのため、おやつを食べたり宿題をしたり後は自由時間にせざるをえず、無計画な過ごし方が常態化してしまいます。すると、暇になった子どもたちが乱暴な遊びを始めてしまい、収拾がつかなくなってしまいます。

          各プログラムの始まりと終わりの時間は必ず決めよう

          タイムテーブルを機能させるためには、それぞれの活動の始まりと終わりの時間を必ず記載するようにします。先ほどの例を修正すると、以下のようになります。

          1. 宿題 15:30~16:00
          2. おやつ 16:00~16:15
          3. 運動(集団プログラム) 16:15~16:45
          4. 帰りの会 16:45~17:00

          こうすることで、支援員は子どもたちに何時までに今の活動が終わり、次の活動に入るのかを伝えることができます。言い換えると見通しを持って子どもたちに関わることができるのです。そうすると子どもたちも落ち着いて、次の活動に移ることができるでしょう。結果として、事業所全体が落ち着いた雰囲気になり、個々の子どもたちの発達を支援できる体制が整うことになります。

          タイムテーブルを作るうえでの3つのルール

          こうしたタイムテーブルを作るには、以下の3つのルールを決めておく必要があります。

          ① 子どもたちの来所時間を明確にする

          タイムテーブルとは別に、その日何時にどのお子さんがやってくるのかを書いた表を作成する必要があります。詳しくは前回の記事をご覧ください。

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