2022年10月に実施される臨時介護報酬改定に向け、介護職員等ベースアップ等支援加算(以下・ベースアップ等加算)の申請手続きなどに関するルールや標準様式が厚生労働省から通知されました。同加算を10月から算定する場合、都道府県等への届出は8月末までに行う必要があります。また、この通知に併せて、介護職員らの処遇改善を目的とした「介護職員処遇改善加算」(以下・処遇改善加算)や「介護職員等特定処遇改善加算」(以下・特定加算)の申請に必要な計画書などの様式も新たに1本化されています。
*関連記事:介護職員等ベースアップ等支援加算と処遇改善加算、特定処遇改善加算の違いを比較、vol.1082介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算及び介護職員等ベースアップ等支援加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
ベースアップ等加算は10月に実施される臨時介護報酬改定で新設される加算で、2月から9月までの間の賃上げの原資として、要件を満たした事業所に政府の経済政策として交付される「介護職員処遇改善支援補助金」の役割を引き継ぐものです。
【画像】処遇改善関連加算とベースアップ等支援加算の位置付けのイメージ(厚生労働省の説明資料より抜粋)
対象は、処遇改善加算(I)(II)(III)のいずれかを取得している事業所で、補助金を受け取っていない事業所でも申請できます。既存の処遇改善関連加算同様、「取得する月の前々月の末日」までに介護職員らの賃金改善額を記載した計画書の申請が必要です。
処遇改善加算(I)(II)(III)のいずれかを取得している事業所は、21年9月末時点の調査結果で93.8%に達しており、対象サービス(訪問介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(介護予防)訪問入浴介護、通所介護、地域密着型通所介護、(介護予防)通所リハビリテーション 、(介護予防)特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、(介護予防)認知症対応型通所介護、(介護予防)小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、(介護予防)認知症対応型共同生活介護、(地域密着型)介護老人福祉施設、(介護予防)短期入所生活介護、介護保健施設、介護療養施設、(介護予防)短期入所療養介護、介護医療院)であれば、現状ほとんどの事業所が算定することができます。
算定単位は、ほかの処遇改善関連加算同様、1月当たりの総単位数(処遇改善関連加算を除く各種加算減算を加えたもの)にサービス別に設定された加算率をかけて算出します。この加算率は、「1人当たり月額平均9,000円の賃金引上げに相当する額」を実現するために設定されていますが、ほかの加算があまり算定できていなかったり、従業員の配置が手厚かったりすると職員1人に配分できる原資が減ってしまう点は、介護職員処遇改善支援補助金と同様です。
【画像】処遇改善関連加算のサービス別加算率(6月21日付け厚労省の通知の別紙より)
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