1. 7つのブロックパズルで利益をつかむ
前回は、正しい経営判断をするために会計数字をわかりやすくとらえるツールとして“7つのブロックパズル”を紹介しました。
今回は実際の活用方法について取り扱っていきます。
【1】ブロックパズルでわかる単価向上の影響力

図1の例で
Q1.単価が10%UPしたら利益はどうなるでしょうか?
ぜひ、実際にブロックパズルに数字を書き出しながら計算してみて下さい。
計算が終わりましたら以下の文章を読み進めて下さい。
単価が10%UPですから
単価は100円→110円となります。
①の売上高は、単価数量なので、11010=1,100円 となります。
この時に間違えやすいのは、売上高が変わると固定費も変わるのか、というところです。
しかし、固定費は売上高の変動に左右されないため、固定費と呼ばれます。
つまり、固定費は800円のままですので
利益は①売上高-②変動費-④固定費で、⑦利益=1,100-0-800=300となります。
単価が10%UPすることにより利益は200円→300円となりました。
ブロックパズルで表すと図2のようになります。
ここで注目して頂きたいのが、単価は10%しかUPしていないのに利益は50%UPした、という事です。
わずかな単価UPで利益が大きくUPするということは、裏を返せば少しの単価DOWNでもイメージ以上に利益がDOWNしてしまう、という事です。
事業所の利益UPのために訪問単価の推移をしっかりと確認していきましょう。

【2】損益分岐点から訪問回数の目標を割り出す

次は図3の設定のブロックパズルを扱っていきます。
Q2.売り上げを損益分岐点まで上げるには商品を何個売ればよいか?
損益分岐点とは利益がちょうど0となる時を言います。
皆さまも一度計算してみて下さい。
図を見て頂くと③粗利=④固定費+⑦利益となっている事が分かるかと思います。
そのため、利益0を当てはめていくと③粗利=④固定費
つまり粗利=1,200となる時が損益分岐点となります。
ここで変動費が0であることから、売上高=変動費+粗利であるため
売上高=0+粗利、つまり売上=粗利となり売上高=1,200となります。
図3より単価は100円なので、売上高=単価数量
1,200=100数量、から数量12個となります。
よって10個→12個のあと2個売れば損益分岐点になるという事です。
図で表すと図4のようになります。

この計算でわかるのは、利益が出る訪問の件数です。
ご利用者様の数が分かっていれば、1カ月の予定訪問件数が割り出せます。
また、単価に関しては直近3カ月の平均を出します。さらに、直近の固定費を出し、上記の様に計算すると目標訪問件数を出すことができます。
目標に対してどれくらい件数が足りないのか、そのために新規案件と既存案件をそれぞれ何件増やす必要があるのか考え、前もって予測を立てて動く事ができるのです。
【3】労働分配率から目標売上高を捉える

次は図5について、労働分配率から必要な売上高を求めていきます。
Q3.労働分配率が60%となる時の売上高はどれくらいか?
まずは労働分配率の計算式ですが
労働分配率=⑤人件費③粗利100です。一度計算してみてから文章を読み進めて下さい。
粗利に対してどれくらいの割合を人件費に割いているのかが労働分配率となります。
今の労働分配率は、6601,000=66%となります。
そのため労働分配率を60%とするためにはあと6%DOWNさせる必要があります。
先ほどの計算式に当てはめて計算をすると、
労働分配率=人件費粗利100
60%=660粗利100
粗利=1,100、となります。
ここで変動費が0なので、売上高=粗利となり、
労働分配率が60%となる売上高は1,100となります。

つまり、単価が100円だとするとあと1個販売すれば労働分配率60%になるということです。
労働分配率を活用することで、
・今のスタッフの給料に対する適正な売上高の目安はどれくらいになるのか
・スタッフのボーナスをどれくらいあげられるか
・どのタイミングでスタッフを採用すべきか
2.最後に:月次の目標数字を把握して戦略的なステーション運営を
今回はブロックパズルを使った計算法や、活用した時にどのように数字が変わってくるかを見てきました。
ご自身の事業所の数字を当てはめながら、目標とする利益に対して何件訪問が必要なのか、今のスタッフの給料を維持するには、あと何件訪問を増やす必要があるのか、など実際に計算をしながら月々の数字を先取りして考えていく力をつけていって下さい。