デイサービスを運営するにあたって、安定した稼働率を維持することに苦慮されている事業者の方は多いでしょう。
そのような状況にある方々は「稼働率の全国平均はどのくらいなのかな?」、「うちの事業所は全国平均より良いのかな?」、「稼働率をアップさせるためにはどうすればいいの?」といった疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、デイサービスの稼働率の計算方法や稼働率アップのための取り組み例をご紹介します。
デイサービスの稼働率とは、事業所の定員に対する利用割合を指します。
稼働率 = 1カ月の延べ利用者数 ÷ (営業日数 × 1日の利用定員 )
稼働率:600人 ÷ ( 24日 × 30人 )= 83.3%
それでは、デイサービスの稼働率の全国平均について見ていきましょう。
福祉医療機構が2019年度に実施した「通所介護事業所の経営状況について」の調査結果によると、事業規模区分別の利用率の全国平均は以下のようになっています。
デイサービスの稼働率をアップするためには、目標とする稼働率を設定し、利用者様を獲得するための取り組みを行うことが重要です。
それでは、それぞれ具体的な取り組み内容について見ていきましょう。
まずは目標とする稼働率を設定して、それを達成するために獲得しなければならない利用者数等を明確にします。
【計算の条件】
【稼働率85%を達成するために必要な1日あたりの利用者数】
85% × 30人 = 25.5人
【稼働率85%を達成するために必要な1カ月の延べ利用者数】
85% × 30人 × 24日 = 612人
【現在の稼働率75%の1カ月の延べ利用者数】
75% × 30人 × 24日 = 540人
【稼働率85%を達成するために新たに獲得する延べ利用者数】
612人 - 540人 = 72人
【稼働率85%を達成するために新たに獲得する実利用者数】
※1ヵ月4週とします。
72人 ÷ 4週 = 18人
現状の稼働率(75%)から目標の稼働率(85%)を達成するためには、「1週間に1回利用する利用者様を新たに18人獲得しなくてはいけない」ということになります。
このように、目標の稼働率を定めて、それを実現するために必要となる
といった条件を明確にしましょう。
それでは、次にデイサービスの利用者様を獲得するための具体的な取り組みをいくつかご紹介します。
ここでは、稼働率アップ以外の収入を増やすための取り組みについてご紹介していきます。
デイサービスの収入を増やすための方法として、『新たに加算を算定すること』が挙げられます。
【通所介護の加算(一部抜粋)】
各種加算の算定要件をしっかりと把握したうえで、これらの加算のなかから「算定できる加算はないか?」、「上位の区分を算定できないか?」、「加算を算定するためには何が必要なのか?」を確認しましょう。
また、新たに加算を算定することで、その取り組みやサービスが事業所のアピールポイントになりますので、より多くの加算を取得できるような取り組みや体制構築を目指しましょう。
収入を増やすための方法として、『平均要介護度を上げること』も挙げられます。
通所介護の報酬体系は、要介護度が重度の方のほうが高く設定されています。そのため、積極的に中重度の方々を受け入れることで、平均要介護度が上がり、収入アップにつながります。
参考までに、福祉医療機構の「通所介護事業所の経営状況について」によると、事業規模区分別の平均要介護度は以下のようになっています。
ここまで、デイサービスの稼働率の計算方法や稼働率をアップするための取り組みについて述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
デイサービスの収入を増やすためには、
といったことが重要になっています。
もし皆様の事業所で収入アップをお考えの場合、これらの対策の実施を検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。