ケアプランデータ連携システムとは?導入のメリットや料金、事前準備を解説!

2023.02.24
2023.02.24
ホーム事業所運営共通ケアプランデータ連…

厚生労働省は、居宅介護支援事業所と訪問介護や通所介護などの介護サービス事業所の業務負担を軽減するために、『ケアプランデータ連携システム』の構築を進めています。

介護事業者の皆様の中には、「ケアプランデータ連携システムってどんなシステムなの?」、「システムは必ず導入しなけきゃいけないの?」、「システムを導入するには、いつから準備しなきゃいけないの?」などと、悩まれている方もいらっしゃるでしょう。

そのような介護事業の経営者・管理者の皆様に向けて、この記事では、ケアプランデータ連携システムの概要、稼働日、料金、導入するメリット、導入の流れなどについて解説していきます。

※こちらの記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています。

目次
    ケアプランデータ連携システムとは?
    ケアプランデータ連携システムを導入するまでの流れとは?
    ケアプランデータ連携システムを導入するメリットとは?
    ケアプランデータ連携システムは要支援のケアプランの送受信に利用できるの?
      ケアプランのデータを効率的に他事業所と共有するにはカイポケがおすすめ
        まとめ

          ケアプランデータ連携システムとは?

          ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やり取りをする居宅サービス計画書・サービス利用票など書類を、データでやり取りをできるようにするシステムです。

          システムの構築は、厚生労働省から委託を受けた国民健康保険中央会が中心となって進めています。

          出典:国民健康保険中央会

          ここからは、ケアプランデータ連携システムとはどのようなシステムなのか、その概要について見ていきましょう。

          ケアプランデータ連携システムはいつから使える?

          ケアプランデータ連携システムは、『令和5年4月1日から利用申請の受付』を開始し、『令和5年4月20日から稼働』される予定になっています。

          出典:公益社団法人国民健康保険中央会

          ケアプランデータ連携システムの機能とは?

          ケアプランデータ連携システムに搭載される機能と令和5年4月から利用できる機能は以下のように予定されています。

          機能名 概要 令和5年4月から本稼働
          ログイン認証機能 ID/PWでアカウントの認証ができる機能
          ログインしているユーザの認証を解除しログアウトする機能
          メニュー・お知らせ機能 ユーザIDのアカウント種別(権限)に沿った各機能をメニューに表示する機能
          メンテナンスのための停止や新規機能の追加等の、全事業所を対象にしたお知らせを表示する機能
          データ送信機能 新規送信データを作成し、メッセージを入力する機能
          作成していた送信データを一時保存する機能
          送信データに電子証明書を付与し、かつ電子証明書が電子請求受付システムから発行されたものであるかを検証する機能。また送信データを暗号化する機能
          複数事業所に一括で送信する機能
          データ受信機能 サーバに登録されたデータの一覧を取得・データの詳細を取得する機能
          複数事業所のデータを一括でPCにダウンロードする機能
          受信したデータに事業所名を表示する機能
          データ連携対象検索機能 送信先事業所が、本システムでデータ連携が可能か否かを検索する機能
          介護ソフト連携機能 他社が開発、販売しているケアプランデータを作成する介護ソフトから直接ケアプランデータを連携するためのAPIを開発し、他社に提供する
          送信代行機能 電子請求における代理請求(業者に請求を委任すること)と同様、ケアプランデータについても、代行業者に委任し、代行する機能
          既に地域でデータ連携を行っているサービス等との連携機能 既に地域でデータ連携を行っているサービスを利用している事業所と本システムを利用する事業所間でシームレスなケアプランデータ連携を実現するための機能

          ケアプランデータ連携システムの料金・費用とは?

          ケアプランデータ連携システムを導入する費用・料金として、『ライセンス料』、『電子証明書の発行手数料』、『厚生労働省のケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフトの使用料』がかかります。

          項目 費用・料金
          ケアプランデータ連携システムのライセンス料 21,000円/1年
          電子証明書発行手数料 13,200円/3年
          厚生労働省のケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフトの使用料 おおよそ5,000円~30,000円/月

          ケアプランデータ連携システムで連携できる様式とは?

          ケアプランデータ連携システムでは、以下の様式を連携できる仕様となっています。

          • 居宅サービス計画(第1表)
          • 居宅サービス計画(第2表)
          • サービス利用票(第6表)
          • サービス利用票別表(第7表)

          ケアプランデータ連携システムを導入するまでの流れとは?

          ここからは、ケアプランデータ連携システムを導入する場合の流れを見ていきましょう。

          1.導入する環境の整備

          ケアプランデータ連携システムを導入するために、以下のような環境を整える必要があります。

          • パソコン(Windows10以降)
          • インターネット環境
          • 厚生労働省のケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフト

          2.利用申請

          ケアプランデータ連携システムの専用WEBサイトにて利用申請を行います。

          3.クライアントソフトのインストール

          国民健康保険中央会のWEBサイトからクライアントソフトをダウンロードして、事業所のパソコンにインストールします。

          4.電子証明書の発行申請

          介護報酬請求の電子証明書をすでに発行しているかを確認します。

          電子証明書を発行していない場合、電子請求受付システムのWEBサイトから電子証明書の発行申請をします。

          5.電子証明書のダウンロード

          電子証明書の発行通知が届いたら、電子請求受付システムのWEBサイトから電子証明書をダウンロードします。

          ケアプランデータ連携システムを導入するメリットとは?

          ケアプランデータ連携システムを導入するメリットとして、業務の効率化や費用の削減が挙げられています。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

          ケアプランデータ連携システムを導入するメリット①業務の効率化

          ケアプランデータ連携システムを導入により、業務の効率化が期待されています。また、業務の効率化が進むことで、利用者様の支援にかける時間を増やすことができ、ケアの質が向上することも期待されています。

          【業務負担削減の例】

          • サービス実績を手入力する時間を削減
          • 転記誤りを削減
          • 転記誤りなどによる返戻を削減
          • データ管理をすることで文書量を削減
          • 介護従事者の負担軽減

          ケアプランデータ連携システムを導入するメリット②費用の削減

          ケアプランデータ連携システムを導入することで、費用の削減が期待されています。また、コスト削減が実現できることで、人材の確保・定着、職場環境の維持・向上のための費用の割り当て増などが相乗効果として挙げられています。

          【削減される費用例】

          • 人件費の削減
          • 印刷費の削減
          • 郵送費の削減
          • 交通費の削減
          • 通信費(FAX)の削減

          【削減見込み額(厚生労働省試算))】

          • 約81万6千円(人件費削減を考慮した場合)
          • 約7万2千円(人件費削減を考慮しない場合)

          ケアプランデータ連携システムは要支援のケアプランの送受信に利用できるの?

          介護予防給付を計画する地域包括ケアセンターでは、標準様式に則っている場合はケアプランデータ連携システムの対象となり、居宅介護支援事業所に委託している場合は対象外となることが予定されています。

          ケアプランのデータを効率的に他事業所と共有するにはカイポケがおすすめ

          介護保険請求・記録ソフトのカイポケでは、『ケアプランのデータを共有・連携する機能』があります。

          他の介護事業所と効率的に連携をすることができますので、興味のある方は、ぜひこちらから詳細をご覧ください

          まとめ

          ここまで、ケアプランデータ連携システムの概要、導入するまでの流れ、導入するメリットなどについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

          「他の事業所とのケアプランのデータのやり取りに時間がかかるので大変」と感じている経営者・管理者の皆様は、ケアプランデータ連携システムの情報を今後も集め続け、導入を検討してみましょう。

          最後までお読みいただきありがとうございました。

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