訪問介護事業所の離職率はどれくらい?離職を下げるための対策とは?

2023.02.20
2023.07.10
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訪問介護事業では、訪問介護員の人数を確保することで、サービス提供の時間や回数を増やすことができるので、「離職を減らし、採用を進めること」がとても大切です。

経営者や管理者の皆様は、「離職率ってどうやって計算するの?」や「うちの離職率は全国平均と比較して高いの?」、「離職率を下げるためにはどうすればいいの?」などといった疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。

そのような皆様に向けて、この記事では、離職率の算定方法や、職員が離職を考える理由、離職率を下げるための対策について解説していきます。

目次
    訪問介護の平均的な離職率とは?
    訪問介護の職員が離職や転職を考えるきっかけとは?
      訪問介護で離職率を下げるための対策とは?
      まとめ

        訪問介護の平均的な離職率とは?

        • 2017年度の訪問介護の離職率:14.8%(全産業の平均離職率:14.9%)
        • 2018年度の訪問介護の離職率:13.4%(全産業の平均離職率:14.6%)
        • 2019年度の訪問介護の離職率:13.6%(全産業の平均離職率:15.6%)
        • 2020年度の訪問介護の離職率:15.1%(全産業の平均離職率:14.2%)
        • 2021年度の訪問介護の離職率:12.7%(全産業の平均離職率:13.9%)

        介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査結果」によると、訪問介護の離職率は『12.7%』となっています。

        全産業の平均離職率と比較すると、2020年以外は訪問介護の平均離職率の方が低いです。

        訪問介護の離職率の推移は以下のようになっています。

        離職率の計算方法とは?

        訪問介護の職員の離職率は、以下のような計算式で算出することができます。

        • 離職率=1年間の離職者数÷調査時点の在籍者数×100

        訪問介護の職員が離職や転職を考えるきっかけとは?

        次に、訪問介護の職員が離職や転職を考えるきっかけについて見ていきます。

        介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査結果」によると、訪問介護の「前職(介護関係の仕事)をやめた理由」は以下のようになっています。

        • 職場の人間関係に問題があったため・・・24.2%
        • 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため・・・17.1%
        • 収入が少なかったため・・・16.9%
        • 他に良い仕事・職場があったため・・・16.8%
        • 自分の将来の見込みが立たなかったため・・・14.3%
        • 自分に向かない仕事だったため・・・6.6%

        訪問介護で離職率を下げるための対策とは?

        離職率を下げるために、まずは、職員が職場に対してどのような悩みを抱いているのか見ていきましょう。

        訪問介護の職員の不安・不満・悩みとは?

        前出の「令和3年度介護労働実態調査結果」によると、訪問介護の職員の悩みとして、以下のような具体的な内容が挙げられています。

        【人間関係等の悩み】

        • ケアの方法等について意見交換が不十分
        • 自分と合わない上司や同僚がいる
        • 経営層や管理職等の管理能力が低い、業務の指示が不明確、不十分
        • 経営層の介護の基本方針、理念が不明確
        • 部下の指導が難しい

        【労働条件等の悩み】

        • 人手が足りない
        • 仕事内容のわりに賃金が低い
        • 有給休暇が取りにくい
        • 休憩が取りにくい
        • 身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)
        • 業務に対する社会的評価が低い
        • 精神的にきつい

        離職率を下げるための対策

        離職率を下げるためには、職員が感じている人間関係や労働条件の悩みを解決することが重要です。具体的には、以下のような対策が考えられます。

        【人間関係の悩みに対する対策】

        • 個人面談制度などを導入し、管理者が職員の職場に対する不安や悩みを把握する。
        • 職員同士でコミュニケーションをとる機会を設ける。
        • 利用者様と合わない職員がいる場合、担当職員の変更を早急に調整する。
        • 管理者、サービス提供責任者に指導者としてのスキルアップ研修等を受講してもらう。

        【労働条件等の悩みに対する対策】

        • 積極的に職員を採用して、有給休暇を取得しやすくする。残業・休日出勤等の負担がなくなるように調整する。
        • 労働条件・賃金を見直す・改善する。
        • 賃金を改善するために加算の算定を検討する。

        まとめ

        訪問介護の離職率の計算方法や離職率の全国平均、離職率を下げるための対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

        職員の離職率を下げるためには、職員の悩みを把握し、事業所として対策を行うことが重要になってきます。

        ここでご紹介した内容が皆様の事業所運営のお役に立てれば幸いです。

        最後までお読みいただきありがとうございました。

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