内閣府の公表している『高齢社会白書』によると2020年(令和2年)時点での高齢化率は『28.6%』となっていて、2065年まで上昇し続けることが予測されています。
このように超高齢社会において、デイサービス(通所介護・地域密着型通所介護)が担う役割は重要であり、これまで介護業界に関わってきた経験がある方は、「理想とするデイサービスを作ろう!」と、開業・起業を考えているのではないでしょうか。
しかし、デイサービスの開業を検討している中で、「デイサービスの開業費用はどれくらいかかるの?」、「資金調達ってどうすればいいの?」といった疑問や不安を感じているのではないでしょうか?
この記事では、デイサービスの開業までの流れと開業時の初期費用、資金調達方法などをご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
デイサービスを開業するまでの流れは、以下のようになっています。
事業の見通しを確認するために事業計画書を作成します。 事業計画書には、「会社・事業の概要」、「創業の動機」、「経営者の略歴」、「事業の内容」、「従業員(人員配置)」、「開業資金」、「資金調達」、「収支計画」などを記載します。 これらの内容を計画するためには、事業所のコンセプトの設計、物件や設備・備品・システム等の選定、従業員の採用予定人数なども決めることになります。
デイサービスを開設するには「法人であること」が必要になります。 新たに法人として事業を始める場合は、法務局にて株式会社等の設立登記の手続きを行うことになります。
事業計画書を作成する際に計算した開業資金について、資金調達を行います。 一般的には、自己資金と金融機関からの融資を組み合わせて資金調達をすることになりますので、この段階までに金融機関への相談、必要書類の提出などを行います。
デイサービスとして利用する物件の取得または賃貸の契約を交わします。 新たに建物を建築するケース、中古物件を購入するケース、テナント等を賃貸するケースがあり、それぞれの契約内容に応じて、契約時に支払いを行う必要があります。
デイサービスとして運営するために必要となる設備、区画等についての工事を依頼します。 提供するサービスの内容や面積・用途等によって必要となる設備に違いがありますが、代表的な設備として、消防設備、入浴設備、厨房設備、トイレ用設備、手洗い設備などが挙げられます。 また、必要となる区画は、通所介護の設備基準に定められる食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室などが挙げられます。
デイサービスを運営するために必要となる備品等を手配します。一般的には以下のような備品等が必要となります。
介護保険法に基づく指定申請では、『人員基準』に定められる職種、人数等を満たしていることを証明する必要があるため、この段階で採用活動を行う必要があります。
通所介護の指定権者(都道府県または市)に指定申請を行います。指定申請では、以下のような指定申請書及び添付書類を作成・準備し、提出します。
※書類は例示です。実際に必要となる書類は、指定権者にご確認ください。
提出した指定申請書・添付書類に基づき、指定権者(都道府県または市)による審査や実地調査が行われ、審査が終わると指定通知書が届きます。
指定通知書に記載されている指定年月日から開業することができます。 開設日に合わせて利用者様を獲得するための営業を行いましょう。
デイサービスの開業時の初期費用は、土地・建物を購入・建築するのか、中古物件を購入するのか、テナントを借りるのかによって大きな差があります。加えて、高額な備品等(車両、特殊浴槽、トレーニングマシン、パソコン、複合機等)を購入するのか、リースするのかによっても違います。 また、これらと合わせて、運営を開始し、収入が安定するまでの運転資金も計算しなくてはいけません。 ですから、一概に開業資金がいくらということは示せませんが、おおよその目安として、土地を購入して建設する場合は『3,000万円~8,000万円ほど』、中古物件を購入する場合は『2,000万円~4,000万円ほど』、テナントを借りて改装する場合は『500万円~1,500万円ほど』は見込んでおくのが良いでしょう。 このように、開業資金が実際にどれくらい必要になるのかは個別に計算してみなくてはわからないので、事業計画書を作成する際に『できるだけ実際に運営した時と近い条件で試算をできているかどうか』が重要になります。
もし、事業計画書や収支計画書の作成に不安を感じているようでしたら、『カイポケ事業計画策定コンサル』のような介護事業所専門のコンサルタントから事業計画書や収支計画書の作成のサポートを受けられるサービスを活用しましょう。
デイサービスの開業時の資金調達方法として『自己資金』と『金融機関からの融資』を組み合わせるケースが多いです。 介護事業で起業する方は『日本政策金融公庫』の創業融資を利用することが多いですが、それ以外の金融機関でも新規事業向けの融資を行っていますので、融資限度額、返済条件、利息等を比較して借入先を選ぶのが良いでしょう。
デイサービスの開業準備では、事業計画の作成、法人設立、指定申請書類の作成、従業員の採用、利用者獲得のための営業、加算算定のための準備など、やらなくてはいけないことがとても多いです。また、開業に向けた準備を進める中でわからないこと・迷ってしまうこともでてくるでしょう。
このように開業への不安や疑問がある方は、ぜひ『カイポケの開業支援サービス』のような開業をサポートするサービスを活用しましょう。
今回は、デイサービスの開業までの流れと開業時の初期費用・資金調達方法について説明してきましたが、いかがでしたか? デイサービスを開業・起業するにあたって、必要となる初期費用や運転資金を適切に見積もり、資金調達を行うことはとても重要です。不安を感じる場合は、介護事業の開業に詳しいコンサルタントに相談して開業準備を進めるのが良いでしょう。 ここでご紹介した内容が、デイサービスの開業、そしてその後の事業所運営のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。