2024年度の介護報酬改定後の算定構造や単位が公表されているところです。(※リンク先:社保審・介護給付費分科会)。短期入所生活介護(ショートステイ)は基本報酬が5〜11単位の引き上げとなります。
しかし、一方で長期利用については施設入所と同等の評価となるよう、要介護・要支援とも報酬が引き下げられることになります。
また、今回の改定では、看護職員の十分な配置や連携体制の確保を行ったうえで看取り期の利用者に対する連携体制を受け入れた場合を評価する「看取り連携体制加算」や、現行の3つの処遇改善に関連した加算を一本化する「介護職員等処遇改善加算」など、全部で4種類の加算が新設されます。
なお、2024年度介護報酬改定の実施日はサービスによって分かれており、短期入所生活介護(ショートステイ)の改定実施時期は4月1日です。
2024年度介護報酬改定で、短期入所生活介護(ショートステイ)の基本報酬はいずれの分類や要介護度でも5〜11単位の引き上げとなります。一方で、短期入所生活介護では連続して60日を超えて同一の事業所に入所している場合に、介護予防短期入所生活介護では連続して30日を超えて同一の事業所に入所している場合に新たに減算が適用されるようになります。
改定前後の基本報酬に関する比較表及び新設される減算の区分はを以下の表で示す通りです。
※すべて1日当たり
(現行)
(改正後)
(31~60日)
(61日以降)
※新設
(【表】「令和6年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」(改正告示案。社保審了承済み)をと算定構造を基に作成)
※介護報酬改定後の算定構造は、以下の資料をご参照ください。
第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料2-2】|厚生労働省
24年度改定でショートステイには4種類の加算が新設されます。
具体的な単位数や要件を以下に概説します。
レスパイト機能を果たしつつ、看護職員の体制確保や対応方針を定め、看取り期の利用者に対してサービス提供を行った場合について評価する加算です。
※死亡日及び死亡日以前30日以下について、7日を限度
看取り連携体制加算の算定要件
利用者の口腔状態を確認して、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげるための情報提供を評価する加算です。
※1月に1回に限り算定可
口腔連携強化加算の算定要件等
現行の介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算について、各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた「介護職員等処遇改善加算」(4段階が設定)に一本化されます。
介護職員等処遇改善加算の単位数(短期入所生活介護の場合の算定率)
介護職員等処遇改善加算の算定単位は加減算後の総報酬単位数にサービス種別ごとに設定された加算率を掛け合わせて算出します。
【短期入所生活介護(介護予防を含むショートステイ)】
※2024年度末まで経過措置期間を設け、経過措置期間中は、現行の3加算の取得状況に基づく加算率を維持した上で、改定による加算率の引上げを受けられるようにすることなどの激変緩和措置を講じる。
介護職員等処遇改善加算の算定要件
介護ロボットやICT等のテクノロジーの導入後の継続的なテクノロジーの活用を支援するため、
こうした取組みを評価する加算です。
生産性向上推進体制加算の算定要件
<生産性向上推進体制加算(Ⅰ)>
<生産性向上推進体制加算(Ⅱ)>
(※1)業務改善の取組による効果を示すデータ等について
*(Ⅰ)において提供を求めるデータは、以下の項目。
(Ⅱ)において求めるデータは、(Ⅰ)で求めるデータのうち、アからウの項目。
*(Ⅰ)における業務改善の取組による成果が確認されていることとは、ケアの質が確保(アが維持又は向上)された上で、職員の業務負担の軽減(イが短縮、ウが維持又は向上)が確認されることをいう。
(※2)見守り機器等のテクノロジーの要件
見守り機器等のテクノロジーとは、以下のアからウに掲げる機器をいう。
(参考:第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料1】|厚生労働省)
ここまでに示した加算の新設や見直し等を含めると、短期入所生活介護(ショートステイ)の改定事項は13項目あります。
(【画像】:第239回社会保障審議会介護給付費分科会【参考資料1】p203|厚生労働省)
※各概要はリンク先の資料をご確認ください。
理学療法士として回復期病院、リハ特化デイ施設長、訪問リハを経験後フリーライターとして独立。医療福祉、在宅起業、取材記事が得意。正確かつ丁寧な情報を発信します。