2026年度の臨時介護報酬改定で賃上げ実施へ―処遇改善加算の対象拡大や人員欠如減算の緩和案を検討

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介護職員の処遇改善や職場環境の整備を支援するため、2026年度内に臨時で介護報酬改定が実施されることになりました。
政府が経済対策の一環として打ち出しています。 また、改定実施以前にも、処遇改善や職場環境整備を促すための緊急措置が実施される予定です。

こうした支援策の細部を詰めるために社会保障審議会・介護給付費分科会が11月21日に開かれました

厚生労働省は、「介護職員等処遇改善加算」の対象サービスを拡充する案や、人員基準欠如の要件を緩和する案を示しています。

政府の決定を受けて臨時介護報酬改定に向けた具体策の検討スタート

11月21日に閣議決定された政府の経済対策(「「強い経済」を実現する総合経済対策」)には、介護事業者や医療機関向けの財政支援策が示されています。

その支援策の一つが2026年度に臨時で実施する介護報酬改定です。

政府の総合経済対策にある臨時介護報酬改定についての記載

(【画像】「強い経済」を実現する総合経済対策」の記載(第248回社会保障審議会介護給付費分科会資料1より。以下同様))

同日開かれた社保審・介護給付費分科会はこの政府方針を受け、処遇改善や人材確保のための施策について検討をはじめました。

臨時報酬改定について、基本報酬をアップするのか既存の加算を見直すのかといった枠組みも含めて委員らが意見を交わしています。

人材不足を踏まえて人員基準欠如減算の猶予期間緩和を提案

今回、厚労省は直接的な賃上げ策だけでなく、基本報酬が3割減算となる人員基準欠如減算を緩和する案を示しました。

退職者が出た際に、新しい職員を採用するための猶予期間を延長するというものです。

処遇改善加算の対象範囲を拡大:居宅介護支援事業所や訪問看護も対象に?

また、介護職員等処遇改善加算の見直しも論点となっています。

現在、介護職員が配置されていない訪問看護や居宅介護支援などの事業所は同加算を算定できませんが、今回の臨時改定に向けては、対象サービスの見直しが議論の俎上に上っています。

厚労省は給付費分科会メンバーの意見を踏まえつつ、年内を目途に施策の方向性を定める考えを示しています。

臨時報酬改定前にも「緊急措置」を実施

なお、政府がこの臨時改定を待たずに実施することを決めた”緊急措置”「医療・介護等支援パッケージ」でも、「賃上げ・職場環境改善の支援」が実施される旨が明記されています。

こちらは、2025年度の補正予算で手当てされるものであり、他のメニューとしては

  • 施設や事業所向けの物価上昇対策
  • ICT等のテクノロジーの導入や経営の協働化の支援
  • 訪問介護・ケアマネジメントの提供体制の確保に向けた取組の支援

なども含まれていますです。

※関連:介護保険最新情報vol.1442「「強い経済」を実現する総合経済対策」における介護分野の「医療・介護等支援パッケージ」及び 「重点支援地方交付金」による支援について

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