介護事業所だからこそ取り組みやすい労務DX

2022.12.22
2022.12.27
会員限定
ホームニュース専門家コラム介護事業所だからこ…
目次
    1.介護事業所が労務DXに取り組みやすい理由
    2.IT化ができない理由を疑う
      3.労務DXを実施する際の注意点

      1.介護事業所が労務DXに取り組みやすい理由

       近頃では、DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが広く使われるようになっています。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、DXは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ものであると定義してから、既に18年の月日が流れました。

       日本では、18年に経済産業省が作成した「DXを推進するためのガイドライン」では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。

       20年には、情報処理促進法に基づき経営者に求められる企業価値向上に向け実践すべき事柄が「デジタルガバナンスコード」として策定されました。対象は、企業規模、法人・個人事業主の別などにかかわらず広く一般の事業者とされています。当然に、介護事業所も含まれます。

       また、22年には、「デジタルガバナンス・コード2.0」が発表され、改訂ポイントがわかりやすく示されています。私が注目しているのはDX認定・DX銘柄の認定において、「ITシステム・デジタル技術活⽤環境の整備に関する⽅策」として、「DX推進のための投資等の意思決定において、コストのみではなくビジネスに与えるインパクトを勘案すると同時に、定量的なリターンの⼤きさやその確度を求めすぎず、必要な挑戦を促進している」ことが重要視されている点です。

       さて、みなさまの事業所ではDXの推進に取り組んでいますか。

       実は、介護事業所は、とてもDX化が導入し易い業界だと考えています。特に労務DXに手を付けていない介護事業所は、今後より利益の確保が難しくなると断言できます。

       DX化に着手しやすいという根拠は、次の3つです。

       ①勤務シフトが定形的である
       ②報告書類に記載すべき内容が決まっている
       ③小規模事業所が多い

      ①勤務シフトが定型的である

       勤務シフトが定形的なので、出退勤の記録を簡単にデジタル化できます。その結果、勤怠集計や給与計算といった定型業務の処理時間を大きく減少させることができます。

      残り5004文字
      この資料は会員限定コンテンツです。
      会員情報をご登録いただくと、
      介護業界の経営支援に役立つ限定公開記事をお読みいただけます。
      業界ニュースや
      専門家記事が
      無料で読み放題
      加算も取得できる
      研修動画が
      無料で見放題
      業務で使う
      各種帳票が
      無料ダウンロード
      関連記事
      畑山浩俊
      2024.10.09
      台風で介護施設職員の自家用車が破損!法人の責任は?~BCP策定後シミュレーションに役立つ解説
      #サービス共通 #リスク管理 #BCP関連
      杉山晃浩
      2024.10.02
      若手介護人材不足を解消する”ケアラーが活躍できる職場づくり”
      #サービス共通 #人材採用/定着 #リスク管理
      小濱道博
      2024.09.27
      2024年度介護報酬改定後の運営指導対策〜全サービス・概要編【解説・小濱道博】
      #サービス共通 #リスク管理