2024年度介護報酬改定に対応するためにリニューアルしたLIFEが、本格的な稼働を開始しています。
10月10日には4月〜8月分のLIFE関連加算を遡って算定するための期間が終了し、通常のスケジュールでの運用が始まりました。
厚生労働省の各種通知やオンライン開催された「説明会」の内容等、最新情報を踏まえて”新LIFE”に関する情報をお伝えします。
LIFEは、質の高い情報の収集・分析をさらに推進していくほか、入力操作の負担を軽減するために24年度に入って段階的に新しいシステムに移行されました。
24年度介護報酬改定以前のシステムと比較したときの、主要な変更点は以下の通りです。
24年度改定では、基本的な方針の一つとして「自立支援・重度化防止に係る取組の推進」が掲げられました。
そのための施策としてアウトカムを評価する加算である「褥瘡マネジメント加算」(介護医療院は褥瘡対策指導管理)、「排せつ支援加算」、「ADL維持等加算」について、評価の対象となる条件の拡充などの変更が行われています。
これに伴い、各加算における入力項目等も変更されています。
各加算における変更項目のうち「アウトカム評価の充実」を目的として行われた変更点は以下の通りです。
各事業所がサービスの見直しなどに活用するフィードバックの形式も、11月26日から段階的に変更されます。
(*関連情報:vol.1329科学的介護情報システム(LIFE)の令和6年度報酬改定に対応したフィードバックの掲載開始について/24年11月22日発出)
主な変更点は以下の通りです。
(【画像】科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会(介護施設・事業所向け)資料「説明Ⅰ(共通)」より)
厚労省は、この変更によって各施設・事業所が取り組みの効果を確認したり、利用者の特徴を把握することができるようになると説明しています。
なお、リニューアル後のフィードバック画面の操作方法や活用方法等の詳細は、今後、マニュアルや動画が公開されるほか、別途説明会が実施される予定です。
LIFEを通じたデータ提出やフィードバックデータの活用を算定要件とする加算の種類は
に分けられます。
それぞれの分類に応じた加算の一覧は以下の通りです。
LIFE関連の各加算の概要や提出が必要な様式を以下にまとめます。
※算定要件等やデータ提出の範囲など詳細は、厚労省から発出されている告示や留意事項通知または「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」(LIFEウェブサイトの操作マニュアル内に掲示)をご参照ください。
※利用者のADLデータを入力
短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)
理学療法注6注7、作業療法注6注7、言語聴覚療法注4注5
/入所者に対して医師や医師の指示を受けた理学療法士等が入所して3カ月以内に集中的なリハビリを実施した場合を評価
※短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)は老健に入所した月から3カ月間、少なくとも月に1回
褥瘡対策指導管理(Ⅱ)
薬剤管理指導の注2
※介護医療院は算定開始月または入所月と処方内容に変更があった月のほか少なくとも3カ月ごと
なお、LIFEへデータ提出する方法は、事業所で導入している介護記録ソフトがLIFEとのデータ連携に対応しているかどうかで変わります。
対応ソフトを導入している場合は、様式等を作成する際に入力したデータをCSVファイル形式で出力し、LIFEに取り込むことができます。
紙で運用している場合や利用しているソフトがLIFE未対応である場合は、LIFEの画面からデータを入力して提出します。
今後、新LIFEのシステム利用を開始する場合は、まず国民健康保険団体連合会が提供する電子請求受付システム(介護)の ID・パスワードを使って利用登録や認証等の作業が必要です。
24年度に入り、新LIFEへの段階的な移行が進められてきましたが、8月以降は、LIFE関連加算を算定するためのすべての様式情報の提出ができるようになっています。
※24年4~7月分の加算を遡って算定するためのデータ提出の受付期間は10月10日に終了しました。
新規登録手続きに関する詳細は、「LIFE導入ガイド」(LIFEウェブサイトの操作マニュアルとして掲示)をご確認ください。
(【画像】科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会(介護施設・事業所向け)資料「説明Ⅱ(共通)」より)
最後に、厚労省がよくある問い合わせとしてまとめている内容を掲載します。
【質問】
【回答】 ※本回答は、算定要件として「サービス利用を開始した日の属する月」や、「サービスの提供を終了する日の属する月」のデータが提出必要となる加算(「科学的介護推進体制加算」、 「褥瘡マネジメント加算/褥瘡対策指導管理(Ⅱ)」等)についての見解。
※30日以上のサービス利用中断が決定した時点で、「サービス利用終了時」として入院までの期間で最新の評価データをLIFEへ提出。 ※この際、加算の算定上提出が必要となる項目全てに対して評価が出来ていなかった場合、評価が出来ている項目のデータをLIFEへ提出することで、加算の算定が可能。 ※退院後しばらく期間があいてからサービス利用を再開した場合、サービス利用を再開した時点で 「サービス利用開始時」としてLIFEへデータを提出。 ※退院後、サービス利用再開がない場合、サービスの利用があるまではデータ提出を行わない。
※ 死亡により把握できない項目が有った場合は、把握できた項目のみ提出して差し支えない。
(【画像】科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会(介護施設・事業所向け)資料「説明Ⅲ(介護施設・事業所)」より)
【回答】
利用者等ごとに、アからエまでに定める月の翌月10日までに提出すること。 (中略) ア 本加算の算定を開始しようとする月においてサービスを利用している利用者等(以下「既利用者等」という。) については、当該算定を開始しようとする月 イ 本加算の算定を開始しようとする月の翌月以降にサービスの利用を開始した利用者等(以下「新規利用者等」 という。)については、当該サービスの利用を開始した日の属する月(以下、「利用開始月」という。) ウ ア又はイの月のほか、少なくとも3月ごと エ サービスの利用を終了する日の属する月
– サービス利用開始した6月のデータ提出を7月10日までに実施 – 事業所としてのデータ提出月である7月のデータ提出を8月10日までに実施 というように、事業所における運用に合わせて、利用者Aのデータ提出間隔を調整することができます。
【質問】 LIFEシステム画面に表示される「原則必須」とはどのような意味か?
– 通所サービスの利用者について、情報を提出すべき月において、当該月の中旬に評価を 行う予定であったが、緊急で月初に入院することとなり、当該利用者について情報の提出ができなかった場合 – データを入力したにも関わらず、システムトラブル等により提出ができなかった場合
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