2024(令和6)年度改定対応版の新LIFEは何が変わった?対応加算一覧からQ&Aまで【最新情報まとめ】

2024.11.13
2024.11.15
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2024年度介護報酬改定に対応するためにリニューアルしたLIFEが、本格的な稼働を開始しています。

10月10日には4月〜8月分のLIFE関連加算を遡って算定するための期間が終了し、通常のスケジュールでの運用が始まりました。

厚生労働省の各種通知やオンライン開催された「説明会」の内容等、最新情報を踏まえて”新LIFE”に関する情報をお伝えします。

目次
    ”新LIFE”とは?2024年度介護報酬改定後の変更点
    【2024年度介護報酬改定対応版】LIFEでのデータ提出・フィードバックの活用を要件とする加算
    LIFE加算の新たな算定・LIFE導入のために必要な対応
      LIFEの利用や関連加算の算定に関するQ&A

      ”新LIFE”とは?2024年度介護報酬改定後の変更点

      LIFEは、質の高い情報の収集・分析をさらに推進していくほか、入力操作の負担を軽減するために24年度に入って段階的に新しいシステムに移行されました。

      24年度介護報酬改定以前のシステムと比較したときの、主要な変更点は以下の通りです。

      • 入力操作やマニュアルの改善などによる利便性の向上
        *新規利用登録手続きの簡便化
        *「操作職員」だけでなく「管理ユーザー」も様式情報の入力のような実務的な操作が可能に
        *様式情報の登録の際に、LIFEにデータを直接打ち込むほか、CSV 連携での登録を可能にするなどの変更を実施
        * リハ・個別機能、栄養、口腔の一体的計画書の出力機能を追加
      • アウトカム評価の充実(※詳細は後述)
      • 入力項目に関する定義の明確化や、様式間で重複している項目の名称・評価指標の統一
      • LIFEへのデータ提出を要件とする加算について、データ提出や評価のタイミングを統一(提出タイミングを「少なくとも3カ月に1度」にする、科学的介護推進体制加算について月末にサービスを利用開始した利用者のデータ提出に猶予期間を設ける(※下記画像参照)
      • フィードバックの見直しとそれに伴う提出データの変更(※下記画像参照)

      「アウトカム評価の充実」を目的として要件の拡充・変更が図られた加算

      24年度改定では、基本的な方針の一つとして「自立支援・重度化防止に係る取組の推進」が掲げられました。

      そのための施策としてアウトカムを評価する加算である「褥瘡マネジメント加算」(介護医療院は褥瘡対策指導管理)、「排せつ支援加算」、「ADL維持等加算」について、評価の対象となる条件の拡充などの変更が行われています。

      これに伴い、各加算における入力項目等も変更されています。

      各加算における変更項目のうち「アウトカム評価の充実」を目的として行われた変更点は以下の通りです。

      加算等の名称 対象サービス 変更点
      褥瘡マネジメント加算
      褥瘡対策指導管理
      看護小規模多機能型居宅介護
      介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
      地域密着型介護老人福祉施設
      介護老人保健施設
      介護医療院
      • 施設の入所時やサービス利用開始時に認めた褥瘡が治癒したことに対する評価を追加(Ⅱ)
      排せつ支援加算 看護小規模多機能型居宅介護
      介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
      地域密着型介護老人福祉施設
      介護老人保健施設
      介護医療院
      • 尿道カテーテルの抜去に至った場合について、評価を追加(Ⅱ)
      ADL維持等加算 通所介護、地域密着型通所介護、
      認知症対応型通所介護
      特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護
      介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
      地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
      • ADL利得の要件について「2以上」から「3以上」に変更(Ⅱ)。
        ※このほか(Ⅰ)(Ⅱ)ともに初回の要介護認定があった月から起算して12カ月以内の場合や事業所が提供するリハビリテーションを併用している場合の要件を簡素化

      フィードバック帳票の変更

      各事業所がサービスの見直しなどに活用するフィードバックの形式も変更される予定です。

      主な変更点は以下の通りです。

      • ブラウザ上でフィードバックデータが確認できるようになる(24年度改定以前のフィードバックデータはExcel形式)
      • 利用者の状態変化を前回比だけでなく、推移で確認できるようになる<
      • 事業者フィードバックにおいて全国の状況と自施設・事業所の状況を比較する際に「サービス種類」や「都道府県」、「平均要介護度」といった要素でデータを絞り込むことができるようになる

      (【画像】科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会(介護施設・事業所向け)資料「説明Ⅰ(共通)」より)

      厚労省は、この変更によって各施設・事業所が取り組みの効果を確認したり、利用者の特徴を把握することができるようになると説明しています。

      なお、リニューアル後のフィードバック画面の操作方法や活用方法等の詳細は、今後、マニュアルや動画が公開されるほか、別途説明会が実施される予定です。

      【2024年度介護報酬改定対応版】LIFEでのデータ提出・フィードバックの活用を要件とする加算

      LIFEを通じたデータ提出やフィードバックデータの活用を算定要件とする加算の種類は

      • 施設サービス
      • 通所系サービス
      • リハビリテーション関連サービス(通所リハビリ、訪問リハビリ、介護予防通所リハビリ、介護予防訪問リハビリ)

      に分けられます。

      それぞれの分類に応じた加算の一覧は以下の通りです。

      (【画像】科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会(介護施設・事業所向け)資料「説明Ⅰ(共通)」より)

      LIFEでのデータ提出・データ活用を算定要件とする加算:施設サービス

      LIFE関連の各加算の概要や提出が必要な様式を以下にまとめます。

      ※算定要件等やデータ提出の範囲など詳細は、厚労省から発出されている告示や留意事項通知または「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」(LIFEウェブサイトの操作マニュアル内に掲示)をご参照ください。

      加算名 概要 様式 データ提出の時期・頻度
      科学的介護推進体制加算
      (Ⅰ)(Ⅱ)
      入所者ごとのADL、栄養状態、口腔機能、認知症の状況等のデータ提出や活用などを評価
      • 科学的介護推進に関する評価(施設)
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      • サービスの利用終了月
      個別機能訓練加算(Ⅱ)(Ⅲ) 機能訓練指導員の配置、計画的な機能訓練の実施等を評価
      • 別紙様式1:興味・関心チェックシート(任意)
      • 別紙様式2:生活機能チェックシート
      • 別紙様式3:個別機能訓練計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ) 評価対象者のADL利得値が一定以上の場合を評価 特定の様式なし

      ※利用者のADLデータを入力

      • 初回評価の月(猶予期間あり)または利用開始月の翌月から6ヵ月目の翌月10日まで
      リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ)(Ⅱ)

      短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)

      理学療法注6注7、作業療法注6注7、言語聴覚療法注4注5

      入所者ごとのリハビリテーション実施計画書の内容等の情報を提出・活用

      /入所者に対して医師や医師の指示を受けた理学療法士等が入所して3カ月以内に集中的なリハビリを実施した場合を評価

      • 別紙様式1:興味・関心チェックシート(任意)
      • 別紙様式2:リハビリテーション計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと

      ※短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)は老健に入所した月から3カ月間、少なくとも月に1回

      褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)

      褥瘡対策指導管理(Ⅱ)

      施設入所時と入所以降の定期的な褥瘡の有無確認・リスクを評価
      • 褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書
      • 褥瘡対策に関する診療計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      排せつ支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ) 排せつに介護を要する入所者等に対する継続的な評価、データを提出・活用等を評価
      • 排せつの状態に関するスクリーニング・支援計画書
       以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      自立支援促進加算 多職種共同で継続的に入所者ごとの自立支援を行った場合を評価
      • 自立支援促進に関する評価・支援計画書
      • ICFステージング(14項目、介護老人保健施設のみ)
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ)

      薬剤管理指導の注2

      入所者の服薬薬剤の総合的な評価、主治医との連携などを評価
      • 薬剤変更等に係る情報提供書
      以下の月の翌月10日まで
      • 入所月
      • 処方内容に変更があった月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      • 施設退所月

      ※介護医療院は算定開始月または入所月と処方内容に変更があった月のほか少なくとも3カ月ごと

      栄養マネジメント強化加算 入所者ごとの継続的な栄養管理を強化して実施した場合を評価
      • 栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング(施設)
      • 栄養ケア・経口移行・経口維持計画書(施設、任意)
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      口腔衛生管理加算(Ⅱ) 歯科衛生士による口腔衛生管理等を評価
      • 口腔衛生管理加算様式(実施計画)
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと

      LIFEでのデータ提出・データ活用を算定要件とする加算:通所系サービス

      加算名称 概要 様式 頻度
      科学的介護推進体制加算 入所者ごとのADL、栄養状態、口腔機能、認知症の状況等のデータ提出や活用などを評価
      • 科学的介護推進に関する評価(通所・居宅)
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      • サービスの利用終了月
      個別機能訓練加算 (Ⅱ) 機能訓練指導員の配置、計画的な機能訓練の実施等を評価
      • 別紙様式1:興味・関心チェックシート(任意)
      • 別紙様式2:生活機能チェックシート
      • 別紙様式3:個別機能訓練計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に個別機能訓練計画の作成を行った月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      ADL維持等加算
      (Ⅰ)(Ⅱ)
      評価対象者のADL利得値が一定以上の場合を評価 特定の様式なし

      ※利用者のADLデータを入力

      • 初回評価の月(猶予期間あり)または利用開始月の翌月から6ヵ月目の翌月10日まで
      褥瘡マネジメント加算 (Ⅰ)(Ⅱ) サービス利用開始時と開始以降の定期的な褥瘡の有無確認・リスク評価の実施等を評価
      • 褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書
      • 褥瘡対策に関する診療計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      排せつ支援加算
      (Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ)
      排せつに介護を要する入所者等に対する継続的な評価、データを提出・活用等を評価
      • 排せつの状態に関するスクリーニング・支援計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      栄養アセスメント加算 管理栄養士が介護職員等と共同して栄養アセスメント(低栄養状態のリスクや課題の把握など)を実施した場合を評価
      • 栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング(通所・居宅)
      • 栄養ケア計画書(通所・居宅、任意)
      以下の月の翌月10日まで
      • 栄養アセスメントを行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      口腔機能向上加算(Ⅱ) 口腔機能が低下している利用者等への口腔清掃の指導や実施、摂食・嚥下機能に関する訓練の指導や実施を評価
      • 口腔機能向上サービスに関する計画書(様式例)
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと

      LIFEでのデータ提出・データ活用を算定要件とする加算:リハビリテーション関連サービス

      加算名称 概要 様式 頻度
      科学的介護推進体制加算 入所者ごとのADL、栄養状態、口腔機能、認知症の状況等のデータ提出や活用などを評価
      • 科学的介護推進に関する評価(通所・居宅)
      以下の月の翌月10日まで
      • サービス既利用者等の算定開始月
      • 新規利用者等のサービスの利用開始月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      • サービスの利用終了月
      リハビリテーションマネジメント加算 (ロ)(ハ) 利用者の状態や生活環境等を踏まえた計画の作成、適切なリハビリテーションの実施、評価、計画の見直しを行い、質の高いリハビリテーションを提供することを評価。
      • 別紙様式1:興味・関心チェックシート(任意)
      • 別紙様式2:リハビリテーション計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      介護予防通所・訪問リハビリテーションの月減算の免除に係る要件
      • 別紙様式1:興味・関心チェックシート(任意)
      • 別紙様式2:リハビリテーション計画書
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      栄養アセスメント加算 管理栄養士が介護職員等と共同して栄養アセスメント(低栄養状態のリスクや課題の把握など)を実施した場合を評価
      • 栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング(通所・居宅)
      • 栄養ケア計画書(通所・居宅、任意)
      以下の月の翌月10日まで
      • 栄養アセスメントを行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと
      口腔機能向上加算 (Ⅱ) /(Ⅱ) イ ・ ロ 口腔機能が低下している利用者等への口腔清掃の指導や実施、摂食・嚥下機能に関する訓練の指導や実施を評価
      • 口腔機能向上サービスに関する計画書(様式例)
      以下の月の翌月10日まで
      • 新規に計画作成した月
      • 計画の変更を行った月
      • 上記のほか、少なくとも3カ月ごと

      なお、LIFEへデータ提出する方法は、事業所で導入している介護記録ソフトがLIFEとのデータ連携に対応しているかどうかで変わります。

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