小多機の定員要件緩和で8月に省令改正、検討会委員は緩和後の実態把握などを要望

2021.06.28
2021.06.29
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社会保障審議会は6月25日、小規模多機能型居宅介護の定員数を緩和する省令の改正について、田村憲久厚生労働相の諮問を受け、これを了承しました。
地方からの提案を受けたことから、社会保障審議会・介護給付費分科会で既に検討され、2020年12月の「審議報告」にも盛り込まれている内容で、省令改正はこの方針に沿うものです。
今後の予定としては、省令の改正案について厚生労働省がパブリックコメントを募集し、その内容などを踏まえて8月に省令を改正します。今回の諮問を受けて改めて同検討会から示された委員の意見やそれに対する厚生労働省の認識などをレポートします。

目次
    小多機定員基準の緩和と省令改正のスケジュール
      要件緩和への懸念点や検討会委員の要望事項

        小多機定員基準の緩和と省令改正のスケジュール

        今回の省令改正によって、これまでは全国一律で従わなければならなかった小規模多機能型居宅介護事業所の定員に関する基準(登録定員:29人前まで、通いの利用定員登録定員の2分の1~18人まで、泊りの利用定員:通い定員の3分の1~9人まで)について、各自治体が条例で設定することができるようになります。ただし、条例によって独自の基準を設ける場合はその自治体が条例の内容は「合理的なもの」である旨を説明する責任があります。

        なお、省令改正の根拠となる「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(介護保険法の改正を含む)は、すでに5月26日に公布されており、8月26日に施行される予定です。

        第201回社会保障審議会介護給付費分科会資料より抜粋

        法律や省令改正に関するスケジュールは以下の通りです。

        5月26日 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律公布
        6月下旬 諮問・答申、パブリックコメント開始
        7月下旬 パブリックコメント終了
        8月上旬 改正省令 公布
        8月26日 改正省令施行 ※地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律と同日施行

        要件緩和への懸念点や検討会委員の要望事項

        基準が緩和されれば、介護需要が逼迫している地域やこれから参入する事業者にとっては選択肢が広がることが期待されます。一方で、一部の委員からは、サービスの質が保てるかどうかや、利用者の納得が得られるのかという観点から、反対意見も出ていました。

        社保審介護給付費分科会としても、厚生労働省に対して改正省令施行後の状況の把握を進められることを要望しています。

        委員個別の意見としては、地域の特性に応じたサービスの整備や提供を進めるためにも「妥当」などとするもののほか、下記のような内容が示されました。

        ・とくにスタッフの労働過重化になっていないか、利用者へのサービスの質が担保されているかどうか等についても合わせて報告・確認が必要ではないか。
        ・法令の標準とする範囲内が原則であり、仮に標準とは異なる内容を定める場合には、きちんとした説明責任が果たされ るよう、地方自治体に丁寧に周知してもらいたい。
        ・ 自治体が小規模でなじみの職員による家庭的なケアを 実施するという小多機の制度趣旨を踏まえて定員が定められるよう、留意すべき事項をまとめた施行通知を発出するべき。

        この点、厚労省の担当者は同日開いた記者らに対する説明の場で、定員の基準緩和を提案をした自治体では、事業所で十分な職員を確保できるにも関わらず、小規模多機能型居宅介護の利用を希望する住民のニーズに応えられていないといった実態があることに触れています。

        今後、このようなケースで基準が緩和されることは「合理的な説明と判断され得る」との見方を示した一方で、職員の加配を行わず、利用者人数だけ増やすような運用には慎重になるべきとの見方を示しました。

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