介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)の算定は4割にとどまる キャリアパスⅤに難しさ−厚労省の最新データとWAM調査から読み解く

2024.12.31
2024.12.31
会員限定
ホームニュース介護介護職員等処遇改善…

従来の3つの処遇改善加算が一本化された「介護職等処遇改善加算」(新加算)の算定状況が明らかになりました。厚生労働省が示したデータによると、最上位区分である加算(Ⅰ)の算定率は約4割にとどまっています。

同じく算定状況を調査した福祉医療機構は、算定に必要な「キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置)」のクリアに難しさがあるのではないかと分析しています。

目次
    介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)の算定率が最も高いのは特養
      業歴が長い施設・事業所の方がキャリアパスⅤをクリアしているというデータも
        社会福祉法人は営利法人より算定率が高い傾向
          2025年度も要件の緩和は継続される方針に

            介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)の算定率が最も高いのは特養

            12月23日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会では、処遇改善加算の今後の在り方が議題になりました。厚労省は、議論の参考にするため、2024年8月サービス提供分の介護職等処遇改善加算の算定状況をまとめています。

            (【画像】第243回社会保障審議会介護給付費分科会【資料3】処遇改善加算等についてより)

            新加算には上位から順に(Ⅰ)から(Ⅳ)の区分があります。算定にあたっては①キャリアパス要件②月額賃金改善要件③職場環境等要件の3つを満たすことが求められています。

            (【画像】厚労省による処遇改善加算制度の一本化説明用リーフレット

            今回示されたデータによると、最上位である加算(Ⅰ)の算定率は、サービス全体では42.3%にとどまりました。

            このうち最も高かった特養では76.6%で、それに(Ⅱ)を合計すると93.1%に上ります。一方、特養以外での加算(Ⅰ)の算定状況は、在宅系サービス(訪問介護、通所介護、通所リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護等が36.9%(うち、訪問介護は35.7%)、介護老人保健施設は65.1%などと開きはあるものの平均すると42.3%で、これに(Ⅱ)を合計すると、7〜9割です。この差から、(Ⅰ)の要件を達成するには一定のハードルの高さがあることがうかがえます。

            業歴が長い施設・事業所の方がキャリアパスⅤをクリアしているというデータも

            介護職員等処遇改善加算の算定状況については、福祉医療機構(WAM)も独自に調査を実施しており、加算(Ⅰ)の算定率と(Ⅱ)の算定率には開きが見られました。

            残り2490文字
            この資料は会員限定コンテンツです。
            会員情報をご登録いただくと、
            介護業界の経営支援に役立つ限定公開記事をお読みいただけます。
            業界ニュースや
            専門家記事が
            無料で読み放題
            加算も取得できる
            研修動画が
            無料で見放題
            業務で使う
            各種帳票が
            無料ダウンロード
            関連記事
            大月えり奈
            2024.12.31
            “主任ケアマネの制度的な位置付けの明確化を”−「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」中間整理で
            #居宅介護支援 #サービス共通
            介護経営ドットコム編集部
            2025.01.02
            社会福祉法人連携推進法人制度の先行事例を共有―株式会社・サプライヤーとの連携例も
            #サービス共通 #リスク管理 #サービス品質向上
            介護経営ドットコム編集部
            2024.12.31
            ケアマネ試験受験資格の緩和などを提言―ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会中間整理【ニュース解説】
            #居宅介護支援 #人材採用/定着