厚労省専門委員会で文書負担軽減訴え―全国介護事業者連盟など11団体

ホーム ニュース 介護 厚労省専門委員会で文書負担軽減訴え―全国介護事業者連盟など11団体

厚生労働省は8月24日、介護分野の文書にまつわる負担軽減策を進めるため、団体ヒアリングを実施しました。

11団体が出席し、LIFE関連のデータ提出をはじめとする新たに増加した文書負担の削減や、加算算定の要件が満たされていなかった場合の対応を全国で統一することなどを直接要望しました。

介護分野の文章に係る負担軽減に関する専門委員会とは

社会保障審議会・介護保険部会の介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会は、介護施設や事業所が行政に提出する文書に関する負担軽減策などについて集中的に検討している会議です。

今回は、全国介護事業者連盟や全国社会福祉法人経営者協議会など11団体が出席し、現場の実態や改善要望を訴えました。以下に主な陳述を紹介します。

文書負担軽減の取り組み 加速を―全国介護事業者連盟

全国介護事業者連盟は、今以上のスピード感をもって文書負担軽減に関する施策を実行してほしいと述べた上で、特に推進してほしい項目として以下の3点を挙げました。

  • 行政提出文書のウェブ入力・電子申請の実現
  • ケアプランデータ連携システムの構築及び運用実装
  • 合理的な理由欠如のローカルルールの発生を防止し、自治体によるガイドラインの遵守の徹底

ケアプランデータ連携システムの構築及び運用実装に関しては、在宅介護における書類関連の負担軽減策の要であるにもかかわらず、現状として事業所とケアマネジャーのやりとりがほとんど紙ベースであることを指摘。データ連携がスムーズに行われるよう対応を求めました。

また、LIFEでのデータ提出への対応など、新たな負担が生じていることから、今後も文書にまつわる負担が増加していくのではないかという危機感もあらわにしました。

そのうえで、要望事項として、以下3点を示しました。

  • 現行施策のスピード感を持った実現
  • 処遇改善関連の3種類の加算の統合・整理の実現
  • 文書負担軽減に対する追加目標の設定と進捗状況の可視化

文書負担軽減に対する追加目標の設定と進捗状況の可視化については特に、現場が最も求めていることは保管する文書量ではなく作成する文書量の削減にあることを強調。作成する文書量の削減目標を定めるとともに、その進捗状況を可視化するよう強く求めました。

地域の独自ルール 是正を―全国社会福祉法人経営者協議会

全国社会福祉法人経営者協議会は、以下の5つの観点から要望を示しました。

  • 指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式例について
  • 簡素化や利便性向上に係る要望を提出できる専用の窓口について
  • 「電子申請届出システム」について
  • 地域による独自ルールについて
  • その他

このうち地域による独自ルールについては、居宅介護支援事業所における特定事業所加算の、常勤の介護支援専門員の配置要件を事業者が解釈を誤っていた場合にについて言及しています。具体的には、同じ間違いに対する過誤の取り扱いに自治体によって大きな差があるという事例を紹介。加算の算定における要件などが、自治体担当者個々のルールにならないよう、是正を訴えました。

一方、地域による独自ルールの撤廃をする際は地域ごとの特性や社会資源が異なることにも配慮が必要だとし、その場合は独自ルールを明文化し、利点と欠点(留意すべき点)を整理することを重ねて要望しました。

小規模事業者でもデータ活用できる仕組みを―宅老所・グループホーム全国ネットワーク

宅老所・グループホーム全国ネットワークは、指定申請・報酬請求など届出に関する様式や文書の負担軽減に関しては賛成だとした上で、いくつかの要望を出しました。

まず、ICT活用についてです。宅老所・グループホーム全国ネットワークの会員は地域に密着した小規模な事業所がほとんどのため、高価なICTを活用したソフトの導入や活用をできない事業所も多いことが課題です。そのため、きめ細かさを重視した小さな事業所でも活用できるようなシステム構築を求めました。

さらに簡素化については、サービスによって記録の記載で必要な内容は異なり、安易に様式や記録項目の簡素化が進められることでしっかりと引継ぎがなされず事故につながるケースも考えられるとし、検討の余地があるのではないかと警鐘を鳴らしました。

厚労省や委員らの指摘と今後の検討

意見陳述に対し、清原慶子委員から以下の指摘がありました。

「3種類の処遇改善加算の統合整理をという具体的な提案があった。加算は有効なインセンティブだが、文書負担軽減の観点からすると負担増になっている」

これに対して全国介護事業者連盟の斎藤正行理事長は

「3つの加算をなくすのではなく、書式を含めて簡素化してほしいということが重要。中小零細事業所については、書類が多すぎて加算をとりたくてもとれないというところもある」

と重ねて説明しました。

委員会の最後に、厚労省高齢者支援課長は

「文書・ローカルルールについては単純に統一するのではなく、本当に必要なものは何なのか立ち返って考えないといけない。また、簡素化ばかりしてサービス利便性の低下をまねく可能性もあるという指摘も含めて、一歩でも前に進む取り組みを進めていきたい」

と結び、文書・手続き負担だけでなく業務のやり方・ルールの負担についての意見も積極的に拾えるものは拾っていく意向を示しました。

社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会の次回開催は、9月29日を予定しています。

関連記事
介護経営ドットコム編集部
2025.01.22
【告知】対職員・家族のトラブルを回避!介護現場のリーダー向けセミナー東京・大阪・福岡で開催
#人材採用/定着 #サービス共通 #リスク管理
介護経営ドットコム編集部
2025.01.22
【2025年4・5月算定分】介護職員等処遇改善加算の「計画書」提出期限は4月15日まで
#人材採用/定着 #サービス共通
介護経営ドットコム編集部
2025.01.14
2025年度から導入予定の介護職員等処遇改善加算の算定要件を緩和―2月の申請受付から適用【ニュース解説】
#サービス共通 #介護給付費分科会 #要件緩和