働き方改革において、介護事業者が抑えるべき労務管理のポイント(4)~令和3年度助成金を活用した働きやすい職場づくり~

2021.09.16
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これまで、介護事業所における働き方改革を戦略的に実践するポイントについてお伝えしてきました。第4回目は、働きやすい職場づくりと助成金の活用について取り上げます。

働きやすい職場づくりのために事業所が押さえておきたい助成金

私は、日ごろから「おすすめの助成金はありますか?」とお客様である企業に問われる事があります。特に年度始めの4月から7月あたりはこうした質問が多くなります。

この「おすすめ」について、「金額が高い」「申請しやすい」「自社でも申請出来る(その後の経営に影響が及ばない)」といった側面から検討し、それぞれの状況に応じた情報提供をさせて頂いています。

それゆえ、本記事では、絶対的におすすめの助成金という形で言及するのは避けた上で、介護事業者が押さえておきたい助成金の情報をお伝え致します。

●特定求職者雇用開発助成金

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等(※)の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

筆者の周りの医療・福祉事業所では、高年者の方、障がいをお持ちの方、母子家庭父子家庭の方等の雇用される事業所が多く見られます。雇用時、該当される場合は活用頂きたい助成金です。

※ ハローワーク、地方運輸局、雇用関係給付金の取扱に係る同意書を労働局に提出している特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者

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●トライアル雇用助成金

「トライアル雇用」は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者を原則3カ月間の試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、常用雇用への移行のきっかけとしていただくことを目的とした制度です。

事前にトライアル雇用求人をハローワーク、地方運輸局、職業紹介事業者※に提出し、これらの紹介により、 対象者を原則3カ月の有期雇用で雇い入れ、一定の要件を満たした場合に、助成金を受けることができます。

※ トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の取扱いを行うに当たって、雇用関係助成金の取扱いに係る同意書を労働局に提出している職業紹介事業者

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●キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者等の、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

この助成金は、多くの企業が申請されており、特に「非正規から正規社員への転換(有期雇用契約から無期雇用契約、有期パートから正社員への転換等)」する場合に活用されている使いやすいものです。

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●働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する助成金です。

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●働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバルコース)

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るものです。

このコースで、勤務間インターバル制度の導入に取り組む中小企業事業主を支援する助成金です。

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●働き方改革推進支援助成金(労働時間適正管理推進コース))

生産性を向上させ、労務・労働時間の適正管理の推進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する助成金です。

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●人材開発支援助成金

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雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合や人材育成制度を導入し労働者に適用した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

働き方改革を実現するための助成金活用と重要な視点

働き方改革が進められている昨今においては、「多様性」への向き合い方が重要になっています。

前回の働き方改革における労働時間のポイント②で記述させて頂きましたが、夢や目標に向かいがむしゃらに働く事で自己実現する者、家庭や自身の生活とのバランスを取り働く事で自己実現する者など、職員それぞれの思いを勘案した職場づくりです。

その際には、経営という大きな舵取りの中での俯瞰的な視点でバランス感覚を持って対応する必要があります。助成金の活用においても同様の指摘ができます。

返済する必要がない助成金は、職場づくりにおいて大きな助けになります。

働きやすい職場づくりを目指すうえで、考えがなかなか形にならなかったり、手当たり次第に助成金を申請した結果、行き詰まってしまったりする事もあるかもしれません。

助成金を活用し、働きやすい職場を実現していくためには、「会社の思い」、「目指す職場」、「現状の職場の状況」、を明確化し、それらをすり合わせていくバランスが肝であると感じます。

今回、ご紹介させて頂いた助成金はほんの一部です。また、令和3年8月時点での情報で記述しております。 その他の助成金情報は、下記をご参考ください。

◆事業主に対する雇用関係助成金(総合案内)

◆事業主に対する労働条件等関係助成金のご案内

※この記事は、難しい用語を極力削減し、わかりやすさを重視しています。
この記事による損害賠償には一切応じられないことを申し添えます。

第5回目は、賃金・賞与の考え方についてポイントをお届けします。

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