2024年から訪問看護ステーションでも義務化となる業務継続計画(以降・BCP)について、今回から3回に分けて解説してまいります。
業務継続計画(以後BCP)は、21年度の介護報酬改定と22年度の診療報酬改定で策定が義務化されました。それぞれ3年間、2年間の経過措置期間を経て、24年から適用されます。
期限までにBCPを策定しなかった場合の罰則などは発表されていませんが、策定していなかった場合、運営基準違反として実地指導等において指導対象になります。
また注意して頂きたい事は、BCP策定をしさえすればOKではないという事です。
以下、厚労省から発表があった文章を引用します。
BCPとはそもそも何か。端的にいうと、「どんな状況になっても業務を継続させること」です。
新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。
このような突発的な経営的環境の変化など不測事態が発生しても、重要な事業を中断させない、中断しても可能な限り短い時間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことをBCPと呼びます。
あらかじめBCPを策定し、想定した練習を普段からしている事で以下の図のように復旧までに大きな差がでます。
この差が大切なご利用者、スタッフ会社を守る事になります!
【画像】平成25年8月改定 内閣府 事業継続ガイドラインより抜粋
BCPが義務化される前に事業所内で取り組んでいた防災訓練(自然災害対策)、感染症対策とBCPとでは何が異なってくるのでしょうか?
大きな違いは以下の通りです。
上記の様に、BCPでは事業所への被害を最小限にして運営をいかに継続していけるかがポイントになってきます。そのため今までの対策で行ってきた人の損害の対策だけでなく、物資、現金、情報など事業所運営にとって必要なリソース全体に損害が出てきた時も想定してシミュレーションし、対策を練っておかなくてはいけないのです。
BCPで策定しなくてはいけないのは、『自然災害に対するBCP』と『感染症に対するBCP』の2つです。
以下、図を使いながら内容の詳細を解説していきます。
参考:介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン、厚生労働省老健局令和2年12月作成
上記の様に赤枠で囲んでいる項目をBCPではマニュアルとして策定し、準備、訓練を行っていく事が重要となります。
感染症対策と違い、
運営全般に関する対策が必要となります。
今までの防災訓練では赤枠のように、災害時にいかに避難、救助、消火活動等を行うかを想定しながら訓練を行うかが重要でした。
一方自然災害BCPでは、以下の赤枠のように従来の防災計画に加えて避難確保、介護事業の継続、地域貢献を加えて総合的に取り組むことが内容に含まれています。
事業所の運営では色んなリソース(スタッフ・物資・現金・情報、など)が必要で1つでもかけてくると通常の運営に支障が出てきます。
そのリソースを『不足させる原因』と『不足している内容』に合わせた対策を考えていく事がBCPで重要となってきます。
次回はBCPをどう作成していくかという流れについて解説していきます。
のぞみ医療株式会社取締役。ビジケア株式会社経営企画担当者。看護師、保健師。平成22年大阪大学医学部附属病院でICU、精神科勤務。平成26年開業医を育てる院長のもとで、経営・会計学を学ぶ。平成29年-令和2年、ビュートゾルフ練馬富士見台に管理者として勤務、同時に数社の社外CFO、COOとして経営企画、財務を担当。令和1年ビジケア株式会社に参画。令和3年のぞみ医療株式会社取締役に就任。