外国人材の訪問系サービスへの従事等について話し合ってきた検討会で、厚生労働省が「中間とりまとめ」の原案を示しました。
※(7月5日追記)※6月26日に正式な「中間とりまとめ」が公表されています。
訪問介護、定期巡回随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴で技能実習生や特定技能「介護」の資格保有者ら(以下、外国人人材)の従事を新たに認めるにあたって事業者の遵守すべき事項などが盛り込まれています。なお、こうした方針は、障害福祉サービスでも「同様」の考え方が適用されるものとされています。
外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会の「中間とりまとめ」案には、これまでの話し合いから
に向けた運用ルールなどがまとめられました。
このページでは、今回記載された内容のうち、技能実習生や特定技能「介護」資格保有者、EPA 介護福祉士候補者が訪問系サービスの現場で働く場合のルールについてお伝えします。
まず、とりわけ人材不足が深刻な訪問介護についてです。 訪問介護の現場で従事できる人材は外国人人材であっても介護職員初任者研修を修了した有資格者等に限定し、事業者に対しては遵守事項が定められる方針です。
遵守事項を履行できる体制や計画を整えることを示すために事業者は、「巡回訪問等実施機関」に対して以下5点に関する書類を提出することになっています。
このほかにも外国人材を受け入れる事業者に必要な配慮として、
ことなどが挙げられています。
このルールは定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護でも適用されるほか、障害福祉サービスでも準用されることになりそうです。
訪問入浴介護は、複数人によるサービス提供が必要とされる一方で、従事者の介護職員初任者研修等の修了は必須条件ではありません。
そこで、外国人人材の受入事業者には適切な指導体制等を確保することを求め、その上で職場内で「実務に必要な入浴等の研修等」を受講させ、業務に従事させることになっています。
また、キャリアアップを助けるため、介護福祉士の資格の取得支援など事業所によるきめ細かな支援を行うよう、事業者に対する配慮も求めることとされています。
今回の取りまとめ案が示された6月19日の会合では、事業者を代表する委員から記載の内容に対する明確な反対意見はありませんでした。
ただし、労働者の立場からは「(外国人人材の訪問系サービスの現場での従事を認める要件として)施設における実務経験は最低1年とするなど、国において最低基準を設けるべき」「(外国人人材が訪問の現場で働くことについて)利用者やその家族に対しても説明するだけでなく、少なくとも合意を得ることが必要」(松田陽作構成員/連合・総合政策推進局生活福祉局次長)という指摘や、その旨を報告書へ追記するよう求める意見もありました。
議論の内容は後日反映され、後日、厚労省のウェブサイトで正式な報告書として公表される予定です。
また、これらのルールは、他省庁の管轄する制度との調整を経て制度に反映される見通しです。ただし、そのタイミングについては「準備が整い次第」とされています。
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