1月18日に第199回社保審・介護給付費分科会が開催され、2021年度介護報酬改定の単位数など、改定案の内容が明らかになりました。【居宅介護支援】の介護報酬改定について、単位数や算定要件の詳細を一覧でお知らせします。
居宅介護支援費Ⅰ(i)要介護1・2 …現行 1,057単位/月 ⇒ 改定後 1,076単位/月要介護3・4・5 …現行 1,373単位/月 ⇒ 改定後 1,398単位/月
居宅介護支援費Ⅰ(ii)要介護1・2 …現行 529単位/月 ⇒ 改定後 539単位/月要介護3・4・5 …現行 686単位/月 ⇒ 改定後 698単位/月
居宅介護支援費Ⅰ(iii)要介護1・2 …現行 317単位/月 ⇒ 改定後 323単位/月要介護3・4・5 …現行 411単位/月 ⇒ 改定後 418単位/月
居宅介護支援費Ⅱ(i)要介護1・2 … 1,076単位/月要介護3・4・5 … 1,398単位/月
居宅介護支援費Ⅱ(ii)要介護1・2 … 522単位/月要介護3・4・5 … 677単位/月
居宅介護支援費Ⅱ(iii)要介護1・2 … 313単位/月要介護3・4・5 … 406単位/月
ケアマネジャー1人当たりの取扱件数ついて、40件以上60件未満の場合と、60件以上の場合には、単位数の逓減制が適用されます。今回の改定で、ICTの活用または事務職員を配置する事業所については、単位数の逓減制が緩和され、45件以上から適用されることになります。また、単位数は新設された「居宅介護支援費Ⅱ」の(i)~(iii)が適用されます。
【ICTの活用または事務職員を配置する場合】
取扱件数が45件未満 =居宅介護支援費Ⅱ(i)※1,076単位 or 1,398単位
取扱件数が45件以上60件未満 =居宅介護支援費Ⅱ(ii)※522単位 or 677単位
取扱件数が60件以上 =居宅介護支援費Ⅲ(iii)※313単位 or 406単位
ケアマネジャー1人当たりの取扱件数の計算において、自然災害や感染症等による突発的な対応で利用者を受け入れた場合に加え、周辺の中山間地域等の事業所の存在状況から、やむを得ず利用者を受け入れた場合についても、例外的に件数に含めないことになります。
新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全てのサービスについて、2021年4月~9月末までの間、基本報酬に0.1%上乗せとなります。
特定事業所加算(Ⅰ):現行 500単位/月 ⇒ 改定後 505単位/月
特定事業所加算(Ⅱ):現行 400単位/月 ⇒ 改定後 407単位/月
特定事業所加算(Ⅲ):現行 300単位/月 ⇒ 改定後 309単位/月
特定事業所加算(A):100単位/月(新設)
「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービスを含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」が、全ての区分の算定要件に追加されます。
「特定事業所加算(A)」は、小規模事業所が、事業所間連携によって質の高いケアマネジメントを実現していくよう、事業所間連携により体制確保や対応等を行うことを評価することを目的に新設されます。(100単位/月)
算定要件のうち、加算Ⅰ~Ⅲと異なる部分は以下の5点です。
・介護支援専門員の配置について、常勤1名以上、非常勤1名以上。非常勤は他事業所との兼務可
・24時間の連絡体制、利用者等の相談に対応する体制の確保について、他の事業所との連携による対応を可能とする
・計画的な研修の実施について、について、他の事業所との連携による対応を可能とする
・介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力、または協力体制の確保について、他の事業所との連携による対応を可能とする(2016年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表の日から適用)
・他の法人が運営する指定居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施について、他の事業所との連携による対応を可能とする
特定事業所加算Ⅳは、特定事業所加算から切り離され、「特定事業所医療介護連携加算」に変更されます。病院との連携や看取りへの対応の状況を要件とするものであることを踏まえ、特定事業所加算から切り離した別個の加算になります。
特定事業所医療介護連携加算…125単位/月(新設)
ケアマネジャーと医療機関との情報連携を促進する観点から、「通院時情報連携加算」が新設されます。
通院時情報連携加算…50単位/月(新設)
●算定要件等
・利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた上で、居宅サービス計画(ケアプラン)に記録した場合。
・利用者1人につき、1月に1回の算定が限度。
介護予防支援について、地域包括支援センターが、居宅介護支援事業者に外部委託を行いやすい環境の整備を進める観点から、「委託連携加算」が新設されます。地域包括支援センターが委託する個々のケアプランについて、委託時における居宅介護支援事業者との適切な情報連携等を評価します。
委託連携加算…300単位/月(新設)
・利用者1人につき、指定介護予防支援を指定居宅介護支援事業所に委託する初回に限り、所定単位数を算定。
・ 当該加算を算定した際には、介護予防支援事業所に対して、当該加算を勘案した委託費の設定等を行うよう求める。