2025年度における介護職員等処遇改善加算の取扱いについて、厚生労働省が3月半ばに更新版のQ&A「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」を公開しています。 内容のほとんどは「第1版」(25年2月10日に厚労省が発信)と同じものですが、「処遇改善加算の事業所内での柔軟な職種間配分」に関する設問(問2-1-2)と見解が追加されています。
このページでは、最新の【介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(厚労省老健局老人保健課)】全55問の内容を掲載しています。 項目毎に質問と回答がまとまっていますので、目次から必要箇所をクリックして加算の申請や不明点の確認にお役立てください。
※このQ&Aは、25年2月7日付老健局長名通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和7年度分) 」に対する見解を補足するものです。 ※厚生労働省の「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」の送付について」の内容をもとに、一部太字にするなどの編集・加工を加えています。
問1ー1 賃金改善の基準点はいつの時点になるのか。
問1-2 前年度から事業所の介護職員等の減少や入れ替わり等があった場合、どのように考えればよいか。
例:
※処遇改善加算及び旧3加算を除く
(計4200 万円)
(計1800 万円)
(計1500万円)
(計 2100 万円)
※上記の10人のうち5人は在籍 しなかったものと仮定
(計1800万円)
※調整なし
(計3000万円)
※上記の5人に加え5人在籍したものと仮定
(計2100 万円)
問1-3 「決まって毎月支払われる手当」とはどのようなものか。
問1-4 時給や日給を引き上げることは、基本給等の引上げに当たるか。
問1-5 キャリアパス要件及び職場環境等要件を満たすために取り組む費用について、賃金改善額に含めてもよいか。
問1-6 最低賃金を満たしているのかを計算するにあたっては、処遇改善加算により得た加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるのか。
問1-7 賃金改善額に含まれる法定福利費等の範囲について。
問1-8-1 賃金改善実施期間の設定について。
(例:6月に算定する処遇改善加算の配分について)
①6月の労働時間に基づき、6月中に見込額で職員に支払うパターン
②6月の労働時間に基づき、7月中に職員に支払うパターン
③6月サービス提供分の介護報酬が、7月の国保連の審査を経て、8月に各事業所に振り込まれるため、8月中に職員に支払うパターン
問1-8-2 サービス提供月の報酬が国保連の審査を経て支払われた後(通常の審査スケジュールでは2か月後)に当該サービス提供月に係る賃金改善を行っている事業所が廃止になった場合、最終月の支払で3か月分の賃金改善を行う必要があるか。
例えば、サービス提供月の報酬が国保連の審査を経て支払われた後(通常の審査スケジュールでは2か月後。問1-8-1における③のパターンで支払っている場合。)に賃金改善を実施していた事業所が令和7年5月で廃止になる場合、5月に3〜5月分の3か月分の賃金改善を行う必要がある(一時金による精算で可。)。
問1-9 実績報告において賃金改善額が処遇改善加算の加算額を下回った場合、加算額を返還する必要があるのか。
問1-10「令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップ」は処遇改善加算 の算定要件ではなく、各介護サービス事業所・施設等で目指すべき目標ということか。
問1-11 通知上、「令和7年度の賃金改善実施期間の終わりまでに事業所等が休止又は廃止となった場合には、その時点で、当該繰越分の残額を、一時金等により、全額、職員に配分しなければならないこととする。」とされているが、ある事業所が休止又は廃止になった場合に、同一法人内の他の事業所の職員に対し「令和7年度の繰越分」を用いた賃金改善を行ってよいか。
問1-12 賃金改善の方法について、労使で事前に協議する必要はあるか。
問1-13 事業悪化等により、賃金水準を引き下げることは可能か。
問1-14 基本給は改善しているが、賞与を引き下げることで、あらかじめ設定した賃金改善実施期間の介護職員の賃金が引き下げられた場合の取扱いはどうなるのか。その際には、どのような資料の提出が必要となるのか。
問1-15 一部の職員の賃金水準を引き下げたが、一部の職員の賃金水準を引き上げた結果、事業所・施設の職員全体の賃金水準は低下していない場合、特別事情届出書の提出はしなくてよいか。
問2-1 賃金改善の対象者はどのように設定されるのか。
問2-1-2 処遇改善加算の事業所内での柔軟な職種間配分には、全職種が含まれるのか。
※介護事業所に勤務する介護職以外の主な職種として、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、 看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、機能訓練指導員(看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師等)、精神保健福祉士 等、介護支援専門員、計画作成担当者、社会福祉士、生活相談員・支援相談員、管理栄養 士、栄養士、歯科衛生士、調理員、その他の事務職等が想定される。
問2-2 処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額440 万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能か。
問2-3 EPAによる介護福祉士候補者及び外国人の技能実習制度における介護職種の技能実習生は、処遇改善加算の対象となるのか。
問2-4 介護職員その他の職員が派遣労働者の場合であっても、処遇改善加算の対象となるのか。
問2-5-1 在籍型の出向者、業務委託職員についても派遣職員と同様に考えてよいか。
問2-5-2 外部サービス利用型特定施設における委託サービスの介護職員その他の職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能か。
問2-6 賃金改善に当たり、一部の介護職員に賃金改善を集中させることは可能か。
問2-7 介護サービスと障害福祉サービス等を両方実施しており、職員が兼務等を行っている場合における介護職員その他の職員の賃金総額はどのように計算するのか。
問2-8 法人本部の人事、事業部等で働く者など、介護サービス事業者等のうちで介護に従事していない職員について、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能か。 処遇改善加算を算定していない介護サービス事業所等(加算の対象外サービスの事 業所等を含む。)及び介護保険以外のサービスの事業所等の職員はどうか。
問3-1 月額賃金改善要件Ⅰについて、「基本給等以外の手当又は一時金により行って いる賃金改善の一部を減額し、その分を基本給等に付け替えることで、本要件を満たすこととして差し支えない。」としているが、一部の職員の収入が減額されるような付け替えは可能か。
問4-1 キャリアパス要件Ⅰで「就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備」とあるが、この「等」とはどのようなものが考えられるのか。
問4-2 キャリアパス要件Ⅱで「介護職員と意見を交換しながら」とあるが、どのような手法が考えられるか。
問4-3 キャリアパス要件Ⅱの「資質向上のための目標」とはどのようなものが考えられるのか。
なお、例示するとすれば次のようなものが考えられる。
**① 利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、介護職員が技術・能力 (例:介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等)の向上に努めること
**② 事業所全体での資格等(例:介護福祉士、介護職員基礎研修、訪問介護員研修等)の取得率の向上
問4-4 キャリアパス要件Ⅱの「具体的取り組み」として、「資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと」とあるが、そのうち「資質向上のための計画」とはどのようなものが考えられるのか。
問4-5 キャリアパス要件Ⅱの「介護職員の能力評価」とは、どのようなものが考えられるのか。
問4-6 キャリアパス要件Ⅲとキャリアパス要件Ⅰとの具体的な違い如何。
問4-7 キャリアパス要件Ⅲの昇給の方式については、手当や賞与によるものでもよいか。
問4-8 非常勤職員や派遣職員はキャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みの対象となるか。
問4-9 「一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」とあるが、一定の基準と は具体的にどのような内容を指すのか。
問4-10 キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲについて、令和6年度中に要件整備を誓約した上で、 令和6年度に処遇改善加算を取得している場合であって、令和6年度中に要件を整備できなかった場合は返還対象となるのか。
問5-1 処遇改善加算による賃金改善後の年収が 440 万円以上かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでか。
問5-2 処遇改善加算については、法人単位の申請が可能とされているが、キャリアパス要件Ⅳについても法人単位での取扱いが認められるのか。
問5-3 キャリアパス要件Ⅳを満たす職員は、経験・技能のある介護職員である必要はあるか。
貴見のとおり。経験・技能のある介護職員については、勤続年数10年以上の介護福祉士を基本としつつ、各事業所の裁量において設定が可能である。
例えば、小規模の事業所 であって、介護福祉士の資格を有する者がいない場合には、介護福祉士の資格を有さない者を「経験・技能のある介護職員」としてキャリアパス要件Ⅳを満たす職員に計上して差し支えない。
なお、「勤続10年の考え方」については、
など、各事業所の裁量により柔軟に設定可能である
問5-4 「年額 440万円以上」の改善の対象とし、賃金改善を行っていた経験・技能のある介護職員が、年度の途中で退職した場合には、改めて別の職員について、「年額440万円以上」の改善を行わなくてはならないか。
問5-5 介護給付のサービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に運営している場合であっても、処遇改善加算による賃金改善後の年収が 440 万円以上となる者を2人設定する必要があるのか。
問5-6 介護給付のサービスと介護予防給付のサービス、施設サービスと短期入所サービス、介護老人保健施設と併設する通所リハビリテーションについて、処遇改善加算による賃金改善後の年収が440万円以上となる者を2人設定する必要があるのか。
問5-7 共生型サービスを提供する事業所において、処遇改善加算を算定する場合、年収440万円となる者の設定は、介護サービスのみで設定する必要があるのか。
問5-8 キャリアパス要件Ⅳの改善後の年額賃金要件について、「例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合はこの限りではない」との記載があるが、「合理的な説明」とはどのようなものを想定しているのか。
等の理由が考えられ、指定権者の判断により、幅広く認められるものである。
問6-1 介護福祉士等の配置要件について、(地域密着型)(介護予防)特定施設入居者 生活介護及び(地域密着型)介護老人福祉施設においては、それぞれ、サービス提供体 制強化加算Ⅰ・Ⅱに加えて、入居継続支援加算Ⅰ・Ⅱ又は日常生活継続支援加算Ⅰ・Ⅱ を算定することにより、満たしたこととなる。 これについて、通知5(1)④においては、「喀痰吸引を必要とする利用者の割合につい ての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算や日常生活継続支援加算を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合」には、変更の届出を行うこととされているが、3か月間以上継続しなければ、変更届出は不要ということか。
ただし、処遇改善加算Ⅰの算定には、各都道府県国民健康保険団体連合会の事業所台帳上でサービス提供体制強化加算Ⅰ・Ⅱ、入居継続支援加算Ⅰ・Ⅱ又は日常生活継続支援加算Ⅰ・Ⅱを算定可能となっていることが必要であることから、上記の例の場合、事業所台帳上は、8月から10月までの間も入居継続支援加算等の算定を可能としておく必要があることに留意すること。
問6-2要件を満たさない状態が3か月間以上継続しなければ変更届出が不要な場合には、喀痰吸引を必要とする利用者の割合以外に、どのような要件が含まれるか。
問7-1職場環境等要件の28項目について、毎年、新規に取組を行う必要はあるのか。
問7-2各項目について、それぞれの項目を満たすために、項目内に列挙されている取組の全てを満たさなければならないのか。
問7-3 「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」の区分において、「研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動」とあるが、「キャリア段位制度」とは何か。
問7-4 「両立支援・多様な働き方の推進」の区分において、「有給休暇が取得しやすい環境の整備」とあるが、具体的な取組事例はあるか。
問7-5 「生産性向上のための業務改善の取組」の区分の取組について、参考にできるものはあるか。
厚生労働省の「介護分野における生産性向上ポータルサイト」をご参照いただきたい。
https://www.mhlw.go.jp/kaigoseisansei/index.html
問8-1 地域密着型サービスの市町村独自加算については、処遇改善加算の算定における介護報酬総単位数に含めてよいか。
問8-2 処遇改善加算で算定する加算区分について、どのように検討すればよいか。
問8-3処遇改善加算で算定する加算区分について、どのように検討すればよいか。
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