ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会では、主任介護支援専門員(主任ケアマネ)の役割についても話し合われました。主任ケアマネには本来、他のケアマネジャー(ケアマネ)への助言や指導を行うことが求められていますが、居宅介護支援事業所(居宅介護支援)、地域包括支援センター(包括)のいずれにおいても人手不足や管理業務などの負担が大きく、求められる役割を担えていないことが課題として認識されてきました。
同検討会は12月半ばにまとめた「中間整理」において、主任ケアマネの制度的な位置付けを国が明確化することや、居宅介護支援と包括のそれぞれの役割に応じた評価の在り方などを検討するよう求めています。
中間整理の記載のうち、主任ケアマネに関する主な内容は以下の通りです。
これらを踏まえ、検討会としては今回、「(主任ケアマネには)地域や居宅介護支援事業所内における比較的経験の浅いケアマネジャーへの指導・育成の役割がある」と明記した上で、国が制度的な位置付けを明確化する検討を行うことが適当だと強調しています。
また居宅介護支援と包括のそれぞれの役割に応じた評価の在り方を検討することも提言しています。
もう一点、中間整理では、居宅介護支援と包括の主任ケアマネの配置についても触れられています。この点については、地域の実情に応じて市町村が役割分担や柔軟な配置(業務委託等)も含めて検討することが適当だとしました。
ただその際は、サービス利用の公平性の担保やケアマネの業務負担に配慮をすることが必要だと加えています。中間整理「案」の時点では盛り込まれた「兼務」の表現は、検討会で慎重な意見が相次いだことを受けて削除されました。
ルポライター・カメラマン。ブリッジ・ジャパン(マーケットニュース執筆)、日本放送協会(N H K)、C Bニュース(医療、介護、障害分野での執筆)などを経てフリーランスに。ライフワークではハンセン病問題を継続取材。