最近、経営者や人事担当者から退職金制度に関するお問合せが増えています。背景として、次の3つの点が大きいように感じます。
【1】キャリアアップ助成金の受給を目指すための退職金制度導入ニーズ 【2】スタッフを確保(採用・定着)するための退職金制度導入ニーズ 【3】401K(確定拠出年金)などの広がりに伴う退職金制度見直しニーズ
最初にキャリアアップ助成金の受給を目指すための退職金制度導入ニーズについて解説します。
これまで多くの事業所で利用されてきたキャリアアップ助成金の正社員化コース・障害者正社員化コースの受給要件が大きく変わりました。具体的には、2022(令和4)年10月1日以降に非正規スタッフが正社員転換したときに「賞与制度または退職金制度」のいずれかの制度の適用がなければ、助成金対象とはならなくなりました。
Office SUGIYAMA グループ代表。採用定着士、特定社会保険労務士、行政書士。1967年愛知県岡崎市生まれ。勤務先の倒産を機に宮崎県で創業。20名近くのスタッフを有し、採用定着から退職マネジメントに至るまで、日本各地の人事を一気通貫にサポートする。HRテックを精力的に推進し、クライアントのDX化支援に強みを持つ。著書は『「労務管理」の実務がまるごとわかる本(日本実業出版)』『新採用戦略ハンドブック(労働新聞社)』など