財務省が9月末に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問会議)の分科会では、社会保障施策の財源を巡って議論が行われました。
同省は、こども・子育て施策の強化にあてる財源を確保するためにも、医療や介護などの施策に係る費用を抑えるべきとして、2024年度報酬改定での対応を訴えています。
介護分野については、人員配置基準の柔軟化などの施策を強力に進めることで事業者の収入増につなげ、「現場の従事者の賃上げにつなげる好循環を実現することが必要」と指摘しています。
2024年度報酬改定の動向を読むうえで、財務省の基本認識についても確認しておきましょう。
24年度の政府予算の編成に向けた提言の取りまとめに向けて、財務省は9月27日に財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会を開きました。
提言は例年、11月下旬〜12月の初旬にまとめられるもので、この日は日本の経済や財政の現状のほか、医療・介護など社会保障が議題になっています。
財務省の資料では社会保障関連の施策や制度の見直しに当たって、医療や介護について論じる前に政府が6月に決定したこども未来戦略方針の内容についてまとめています。
概要は以下の通りです。
(【画像】政府の「こども未来戦略方針」についての説明資料│財政制度分科会(9月27日開催)資料より)
ここで「3兆円半ば」としている追加予算の財源として政府は、医療や介護など既存の社会保障費の削減と、「支援金制度」(社会保険料による徴収を想定。詳細は年末までに結論)の創設をするとしています。
(*詳細は「こども未来戦略方針」)
(【画像】こども・子育て政策の財源についての説明資料│財政制度分科会(9月27日開催)資料より)
資料ではこのほかに、医療・介護の保険料率上昇を抑制する取組みを強化する必要性などについて触れられています。
では、財務省は医療・介護保険制度について見直しを提案しているのでしょうか。
今回の資料では、”物価上昇率を上回る報酬単価増への対応(診療所における1受診当たりの費用など)や”コロナ補助金などによる内部留保の活用”など特に医療分野の改革に比重が置かれています。
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