厚生労働省が9月6日付けの事務連絡で概要を公表した「ケアプランデータ連携システム」。居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やりとりをする居宅サービス計画書、サービス利用票(予定・実績)などについて、データの送受信を可能にするためのプラットフォームのことで、国民健康保険中央会が構築を進めています。
こちらの記事では、今後開発が進められる「ケアプランデータ連携システム」について、現段階で明らかになっている情報を整理しました。
厚労省はこれまでにも、介護現場の負担軽減や職場環境の改善のための取り組みの一環として、居宅介護支援事業所と訪問介護などのサービス提供事業所間における情報連携を推進しようとしてきました。
具体的には、これまでに、異なるベンダーの介護ソフトを使用している介護事業所間でも情報連携を行うことができるよう、データ形式やフォーマットを統一するための標準仕様を公開しています。これは、ケアプランや提供票などのデータをCSVファイル形式で出力したり取り込んだりできるようにすることで、業務の効率化や入力作業の正確性向上を図るための取り組みで、標準仕様に対応した介護ソフトの導入は、地域医療介護総合確保基金におけるICT導入支援事業(補助金)の対象にもなっています。
しかし、実情としては介護ソフトが異なるとデータ形式の細かい部分や操作性などに違いがあり、情報連携をオンラインで完結しようとすると新たに煩雑な作業やリスクが発生するといった課題が残っているため、浸透していません。今回概要が公表された「ケアプランデータ連携システム」によって、こうした状況の打開が期待されるところです。
なお、8月30日付の事務連絡では、今後「ケアプランデータ連携システム」などでの活用を見据えて、標準仕様の改訂版が発表されています。
(厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1095より引用)
「ケアプランデータ連携システム」とはどのような仕組みなのでしょうか。今回の発表によると、これは主に居宅介護支援事業所や介護サービス事業所に導入する「データ連携クライアント」 と、運用センターが設置される「データ連携基盤」とで構成されることになっています。
国保中央会のWEBサイトからインストールした「データ連携クライアント」を通じて、ケアプランなどのファイル送受信が可能になるのですが、その時にクラウド上の「データ連携基盤」が介されることになっています。
ところで、厚労省はケアプランデータ連携システムの概要の周知に当たり、導入事業所における費用効果を強調しています。
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