通所リハビリテーションの単位数 2021年度介護報酬改定

2021.01.25
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1月18日に第199回社保審・介護給付費分科会が開催され、2021年度介護報酬改定の単位数など、改定案の内容が明らかになりました。【通所リハビリテーション】の介護報酬改定について、単位数や算定要件の詳細を一覧でお知らせします。

基本報酬

通所リハビリテーション

※要介護3、通常規模型の場合
1時間以上2時間未満:現行 390単位/回 ⇒  改定後 426単位/回
2時間以上3時間未満:現行 457単位/回 ⇒  改定後 494単位/回
3時間以上4時間未満:現行 599単位/回 ⇒  改定後 638単位/回
4時間以上5時間未満:現行 684単位/回 ⇒  改定後 725単位/回
5時間以上6時間未満:現行 803単位/回 ⇒  改定後 846単位/回
6時間以上7時間未満:現行 929単位/回 ⇒  改定後 974単位/回
7時間以上8時間未満:現行 993単位/回 ⇒  改定後 1,039単位/回

※要介護3、大規模の事業所(Ⅱ)の場合
1時間以上2時間未満:現行 375単位/回 ⇒  改定後 411単位/回
2時間以上3時間未満:現行 439単位/回 ⇒  改定後 477単位/回
3時間以上4時間未満:現行 576単位/回 ⇒  改定後 616単位/回
4時間以上5時間未満:現行 648単位/回 ⇒  改定後 689単位/回
5時間以上6時間未満:現行 750単位/回 ⇒  改定後 793単位/回
6時間以上7時間未満:現行 874単位/回 ⇒  改定後 919単位/回
7時間以上8時間未満:現行 927単位/回 ⇒  改定後 973単位/回

介護予防通所リハビリテーション

要支援1:現行 1,721単位/月 ⇒  改定後 2,053単位/月
要支援2:現行 3,634単位/月 ⇒  改定後 3,999単位/月

新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価

新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全てのサービスについて、2021年4月~9月末までの間、基本報酬に0.1%上乗せとなります。

感染症や災害等による利用者減少時の報酬特例

感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能とする観点から、以下の見直しが実施されます。

①3%加算
利用延人員数が、当該減少月の前年度の1月当たりの平均利用延人員数から5%以上減少している場合、減少月の翌々月から3か月間に限り(※1)基本報酬の3%に相当する単位数を加算する(※2)。

加算算定の期間内または加算延長の期間内に、月の利用延人員数が算定基礎から5%以上減少していなかった場合は、当該月の翌月をもって算定終了となる。

※1:利用延人員数の減少に対応するための経営改善に時間を要することや、その他特別の事情があると都道府県等が認める場合には、算定期間が終了した月の翌月から3か月以内に限って、延長が可能
※2:加算分は区分支給限度基準額管理の対象外の算定項目

②規模区分の特例
減少月の利用延人員数が、より小さい事業所規模別の報酬区分の利用延人員数と同等となった場合には、減少月の翌々月から、より小さい事業所規模別の報酬区分を適用することができる。

例えば、通所リハビリテーション(大規模型Ⅱ)で、減少月の利用延人員数が750人超900人以下となった場合には、通所リハビリテーション(大規模型Ⅰ)の報酬区分で算定する。750人以下となった場合には、通所リハビリテーション(通常規模型)を算定する。

特例の適用期間内に、月の利用延人員数が、より小さい事業所規模別の報酬区分の利用延人員数を超え、かつ、特例適用前の事業所規模別の報酬区分の利用延人員数まで戻った場合には、当該月の翌月をもって特例の適用は終了となる。

関連記事:Vol.937 通所介護等において感染症又は災害の発生を理由とする利用者数の減少が一定以上生じている場合の評価に係る基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について

区分支給限度基準額の計算方法の見直し

利用者の公平性の観点から、同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額の計算方法について、以下2点の見直しが実施されます。

・同一建物減算等の適用を受ける利用者の区分支給限度基準額の管理については、減算の適用前(同一建物に居住する者以外の者に対して行う場合)の単位数を用いる
・大規模型を利用する者の区分支給限度基準額の管理については、通通常規模型の単位数を用いる

長期リハビリ継続に対する評価の見直し(介護予防通所リハのみ)

介護予防通所リハビリテーションについて、利用開始日の属する月から12月を超える長期利用の場合の評価が減算されます。

要支援1…20単位/月減算(新設)

要支援2…40単位/月減算(新設)

入浴介助加算の見直し

利用者の自宅での入浴の自立を図る観点から、個別の入浴計画に基づく入浴介助を新たに評価します。

単位数

<現行>入浴介助加算:50単位/日 ⇒<改定後>入浴介助加算(Ⅰ):40単位/日

入浴介助加算(Ⅱ):60単位/日(新設)

「入浴介助加算(Ⅱ)」の算定要件等

算定要件のうち、加算Ⅰと異なる部分は以下の3点です。加算Ⅰ・Ⅱの併算定はできません。

・医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等(以下「医師等」)が利用者の居宅を訪問し、浴室での利用者の動作及び浴室の環境を評価する。この際、利用者の居宅の浴室が、利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合は、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行う

・利用者の居宅を訪問した医師等と連携の下で、利用者の身体の状況や訪問により把握した利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する

・入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行う

リハビリテーションマネジメント加算の見直し

自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取組を促す観点から、「リハビリテーションマネジメント加算(以下、リハマネ加算)」について見直しが行われます。

単位数

リハマネ加算(A)イ
同意日の属する月から6月以内:560単位/月
同意日の属する月から6月超 :240単位/月

リハマネ加算(A)ロ(新設)
同意日の属する月から6月以内:593単位/月
同意日の属する月から6月超 :273単位/月

リハマネ加算(B)イ
同意日の属する月から6月以内:830単位/月
同意日の属する月から6月超 :510単位/月

リハマネ加算(B)ロ
同意日の属する月から6月以内:863単位/月
同意日の属する月から6月超 :543単位/月

算定要件

・「リハマネ加算(A)イ」は、現行のリハマネ加算(Ⅱ)と同要件
・「リハマネ加算(A)ロ」は、「リハマネ加算(A)イ」の要件に加え、利用者毎のリハビリテーション計画書等の内容等の情報を厚生労働省に提出し、リハビリテーションの提供に当たって、当該情報その他リハビリテーションの適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)
・「リハマネ加算(B)イ」は、現行のリハマネ加算(Ⅲ)と同要件・「リハマネ加算(B)ロ」は、現行のリハマネ加算(Ⅳ)と同要件

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留意事項

・リハビリテーション計画書の項目について、LIFEへデータ提供する場合の必須項目と任意項目を設定する
・リハビリテーションマネジメント加算の算定要件の一つである「定期的な会議の開催」について、利用者の了解を得た上で、テレビ会議等の対面を伴わない方法により開催することを可能とする

生活行為向上リハビリテーション実施加算の見直し

廃用症候群や急性増悪等によって生活機能が低下した利用者に対する、適時適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から、区分の統合、単位数の見直しが行われます。

単位数(通所リハビリテーション)

現行の、利用開始月から「3月以内:2,000単位/月」、「3月を超えて6月以内:1,000単位/月」の区分を統合
⇒ <改定後>6月以内:1,250単位/月

単位数(介護予防通所リハビリテーション)

現行の、利用開始月から「3月以内:900単位/月」、「3月を超えて6月以内:450単位/月」の区分を統合
⇒ <改定後>6月以内:562単位/月

算定要件(追加分)

・指定通所リハビリテーション事業所の医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が当該利用者の居宅を訪問し、生活行為に関する評価をおおむね1月に1回以上実施すること。

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介護職員等の口腔スクリーニングの実施を評価する新加算

介護職員等による口腔スクリーニングの実施を評価する観点から、現行の「栄養スクリーニング加算」が見直され、「口腔・栄養スクリーニング加算」が新設されます。

単位数

<現行>栄養スクリーニング加算:5単位/回
⇒<改定後>口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ):20単位/回(新設)

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ):5単位/回(新設)

「口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ・Ⅱ」の算定要件等

算定要件は以下①②の2点です。このうち、加算Ⅰは①②のいずれも適合すること、加算Ⅱは①または②のどちらかに適合することが求められます。加算Ⅱは、併算定の関係で加算Ⅰが取得できない場合に限り取得可能です。

① 当該事業所の従業者が、利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態について確認を行い、当該利用者の口腔の健康状態に関する情報を、当該利用者を担当する介護支援専門員に提供していること

② 当該事業所の従業者が、利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の栄養状態について確認を行い、当該利用者の栄養状態に関する情報(当該利用者が低栄養状態の場合にあっては、低栄養状態の改善に必要な情報を含む)を、当該利用者を担当する介護支援専門員に提供していること

口腔機能向上加算に新区分

単位数

<現行>口腔機能向上加算:150単位/回 ⇒<改定後>口腔機能向上加算(Ⅰ)変更なし

口腔機能向上加算(Ⅱ)160単位/回(新設)

「口腔機能向上加算(Ⅱ)」の算定要件等

・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの実施に当たって、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)
・加算Ⅰ・Ⅱの併算定は不可
・3月以内の期間に限り、1月に2回を限度とする

栄養ケア・マネジメントの取組を強化する新加算

管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取り組みを一層強化する観点から、「栄養改善加算」の単位数の見直しと「栄養アセスメント加算」が新設されます。

単位数

<現行>栄養改善加算:150単位/回 ⇒<改定後>200単位/回(3月以内、月2回を限度)

栄養アセスメント加算:50単位/月(新設)

「栄養改善加算」の追加要件

栄養改善サービスの提供に当たって、必要に応じ居宅を訪問することを新たに求める

「栄養アセスメント加算」の算定要件等

・当該事業所の従業者、または外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること

・利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施し、当該利用者又は家族に対して結果を説明し、必要に応じ相談等に対応すること

・利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)

・口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ、栄養改善加算との併算定は不可

サービス提供体制強化加算の見直し

サービスの質の向上や職員のキャリアアップを推進する観点から、新たな評価区分の新設と区分の統合が行われます。

単位数

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)…22単位/回(新設)
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)…18単位/回
サービス提供体制強化加算(Ⅲ)…6単位/回

単位数(介護予防通所リハビリテーション)

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)…(要支援) 88単位/月、(要支援2)176単位/月(新設)
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)…(要支援1)72単位/月、(要支援2)144単位/月
サービス提供体制強化加算(Ⅲ)…(要支援1)24単位/月、(要支援2)48単位/月

算定要件

・加算Ⅰは、介護福祉士が70%以上、または、勤続10年以上の介護福祉士が25%以上のいずれかに該当すること

・加算Ⅱは、介護福祉士が50%以上であること

・加算Ⅲは、介護福祉士が40%以上、または、勤続7年以上の者が30%以上のいずれかに該当すること

社会参加支援加算の加算名を「移行支援加算」へ変更

社会参加支援加算について、算定要件が一部見直され、加算名が「移行支援加算」に変更となります(単位数は変更なし)。

算定要件(追加分)

・リハビリテーション終了者が指定通所介護等の事業所へ移行するにあたり、当該利用者のリハビリテーション計画書を移行先の事業所へ提供すること

・評価対象期間中にリハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、リハビリテーション終了者に対して、電話等により、指定通所介護等の実施状況を確認し、記録すること

科学的介護推進体制加算の新設

LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用により、PDCAサイクルの推進とケアの質の向上を図る取り組みを推進する観点から、「科学的介護推進体制加算」が新設されます。

単位数

科学的介護推進体制加算…40単位/月(新設)

算定要件等

・入所者・利用者ごとの、ADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の入所者の心身の状況等に係る基本的な情報を厚生労働省に提出していること

・サービスの提供に当たって、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること

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訪問介護、通院等乗降介助の見直しに伴う減算の適用

訪問介護の通院等乗降介助について、利用者の負担軽減や利便性向上の観点から、居宅が始点又は終点となる場合の目的地間の移送についても算定が可能となります。

この見直しに伴い、利用者宅と事業所との間の送迎を行わない場合に減算が適用されます。

職場環境等要件の見直し

処遇改善加算や特定処遇改善加算の職場環境等要件について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取り組みがより促進されることが求められます。

・職員の新規採用や定着促進に資する取り組み
・職員のキャリアアップに資する取り組み
・両立支援・多様な働き方の推進に資する取り組み
・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取り組み
・生産性の向上につながる取り組み
・仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取り組み

職場環境等要件に基づく取り組みの実施について、当該年度における取り組みの実施が求められます。

介護職員等特定処遇改善加算の見直し

小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、平均の賃金改善額の配分ルールについて、以下の見直しが実施されます。

・「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」
「より高くすること」に見直し

つまり、「2倍以上」という制限がなくなり、より柔軟な配分が可能となります。

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介護職員処遇改善加算Ⅳ・Ⅴの廃止

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、上位区分の算定が進んでいることを踏まえて廃止されます。その際に、2021年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業所については、1年の経過措置期間が設けられます。

引用:第199回社保審・介護給付費分科会「資料1令和3年度介護報酬改定の主な事項」、「参考資料1令和3年度介護報酬改定における改定事項について」より

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